ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

革新的な射出成形技術を用いた高付加価値製品の量産化事業

三扇化学株式会社

成果ウェルドラインや油成分付着の発生率 30%→6%

この事例のポイント

  • 成形品のウェルドラインや油成分付着による不良が長年の課題で、不良の発生率は30%に達していた。
  • 平成25年度補正のものづくり補助金を利用し、ガスベントノズルを購入した。
  • ウェルドラインや油成分付着の発生率 30%→6%。ガスベントノズルにより成形品の不良が大きく減り、外観品の転写も良好と評価されて各方面からの信頼が高まり、外観品の仕事が…

事業者のプロフィール

事業者名三扇化学株式会社
所在地愛知県 愛知県小牧市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
従業員数70人
資本金2,100万円
設立1972年

事業の背景

三扇化学はプラスチック製品製造のエキスパートで、自動車内装部品、カメラ付きドアホンなどの外観品、プリンターのトナー機構部の精密部品などを製造している。設計や成形だけでなく後加工にもノウハウを持ち、印刷・塗装や組み立てまで手がける。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度成形品のウェルドラインや油成分付着による不良が長年の課題で、不良の発生率は30%に達していた。

やったこと

平成25年度補正のものづくり補助金を利用し、ガスベントノズルを購入した。ノズルは加熱筒内で溶融された樹脂が通る際に、ガスや水分、油などの不純物を取り除く先端ノズルである。あわせて平成27年1月に、良否判別ができるモニターを搭載したハイブリッド式射出成形機を導入した。このハイブリッド式は基準値を許容範囲で入力すると自動で検査し、警報を鳴らして電源を遮断できるため無人運転が可能である。メーカーの協力を得て1年半かけて試行錯誤を重ね、効果を確認した。

その他ガスベントノズル
加工機ハイブリッド式射出成形機

事業の効果

  • ウェルドラインや油成分付着の発生率 30%→6%
  • 金型のメンテナンス間隔 3時間→24時間
  • 塗装工程の歩留まり 60%→85%

ガスベントノズルにより成形品の不良が大きく減り、外観品の転写も良好と評価されて各方面からの信頼が高まり、外観品の仕事が以前より増えた。塗装工程の歩留まりが大きく改善し、予想外の効果として塗料と相反する油分の除去にも効果があった。ハイブリッド式射出成形機の導入により検査が省人化され、生産能力も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    公開されている事例からは、過去の事業活動との一貫性や経営戦略上の位置付けは読み取れません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自社の成形ノウハウや異材・異色成形の強みに触れ、高付加価値製品を追求すると書かれているが、市場動向との関係は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ウェルドラインの不良率が30%からわずか6%に低下、金型メンテ頻度も3時間に1回から1日1回に減ったと数字で課題解決が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    塗装工程の歩留まりが60%から85%に改善したとあるが、今後の付加価値額増加や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社長や製造体制への言及はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車ハンドルのベゼルなど得意先からの反響、外観品の仕事が増えたことなど、製品価値と選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    1年半かけて試行錯誤し効果を確証したこと、2本目を導入済みで順次導入を検討と書かれ、中長期の進め方がうかがえる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ガスベントノズルは一般に普及していない設備とうかがえるが、普及度や高水準化の数値的根拠は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域経済への波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は直接書かれていないが、業界の課題解決への言及がある。

  • 費用対効果4

    不良率30%から6%、塗装歩留まり60%から85%など数字で効果が示され、1本約200万円の設備に対する効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    ハイブリッド式射出成形機による検査の省人化や無人運転が書かれ、デジタル技術活用の要素はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は不明。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは、成長分野への進出や日本経済の構造転換への寄与は読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛知県小牧市の企業とあるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はガスベントノズルを順次導入することを検討しており、既に2本目を導入している。高付加価値製品の追求を続ける方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。