ものづくり補助金平成27年度製造業大阪府

大型精密ワイヤカット放電機導入で日越事業を強化

株式会社 三栄金属製作所

成果面粗度 2.5μm→1.5μm

この事例のポイント

  • プレス機に作業者を配置して1工程ごとに加工する単発型のプレス成形ラインでは、2ラインを2交代制で動かしても受注対応が難しくなっていた。
  • 大型精密ワイヤカット放電機を本社工場に導入し、加工寸法1,050mm×820mm×300mmの大型加工を可能にした。
  • 面粗度 2.5μm→1.5μm。順送金型による自動化と人手作業の低減により、生産能力が格段に向上し、人手不足の解消や生産コストの低減が可能になると見込…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 三栄金属製作所
所在地大阪府 大阪市生野区
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,精密加工,測定計測
従業員数50人
資本金300万円
設立1970年

事業の背景

1970年の設立後、戸車や錠受けなどのサッシ関連金属部品から始め、水回り金具市場へ参入した。現在は水回り金具やOA機器部品、化粧品容器のディスペンサー金具などのプレス部品を手がけ、住宅設備メーカーのものづくりを支えている。化粧品容器のディスペンサー金具は新たな柱事業として育成しており、大手化粧品メーカーなどから多数の増産要請を受けている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力プレス機に作業者を配置して1工程ごとに加工する単発型のプレス成形ラインでは、2ラインを2交代制で動かしても受注対応が難しくなっていた。
  • 生産能力化粧品容器のディスペンサー金具は多数の増産要請があったが、フル生産の状態では需要に対応できず、複雑な形状品を大量生産できる順送金型の内製による自動化と省人化が必要だった。
  • 品質・精度金型の測定をノギスやマイクロメーターなどの手作業で行い、検査品質が担当者によってばらつき、検品にも時間がかかっていた。

やったこと

大型精密ワイヤカット放電機を本社工場に導入し、加工寸法1,050mm×820mm×300mmの大型加工を可能にした。従来設備と比べて加工寸法は体積比で約5.5倍に大型化し、面粗度は従来の2.5μmから1.5μmへと約70%向上させた。画像診断測定器も導入し、金型の測定精度を高めるとともに、従来は手作業だった検査を平準化して検品時間も短縮した。複数のプレス工程を1つの金型に等間隔で配置した順送金型によるプレス成形ラインを本社工場で本格稼働させ、加工速度は従来比90%アップの毎分580mm²となった。

加工機大型精密ワイヤカット放電機
検査測定画像診断測定器
金型順送金型

新しい製品・サービス:化粧品容器のディスペンサー金具

事業の効果

  • 面粗度 2.5μm→1.5μm
  • 日量生産量 11,000個/日→22,000個/日

順送金型による自動化と人手作業の低減により、生産能力が格段に向上し、人手不足の解消や生産コストの低減が可能になると見込まれている。加工精度と検査品質が高まり、製品の品質レベルも向上する。製品競争力の大幅な向上が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成12年の金型内製化や平成19年のアルミプレス開始など過去の取組の流れは読めるが、戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ベトナム工場や内製金型による一貫生産が強みとして示され、大手化粧品メーカーからの増産要請という外部環境も具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    フル生産で需要に応えられない課題を挙げ、順送金型ラインの本稼働で生産能力を現状の約2倍(日量2万2000個)にする計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工速度90%アップ(毎分580m㎡)や日量2万2000個の目標が数値で示され、設備の性能値とも整合している。賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員50名や設立年は書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述はほぼ見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大手化粧品メーカーからの多数の増産要請とディスペンサー金具の需要は読めるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    本社工場に順送型ラインを立ち上げ、前工程を本社、後工程と小ロット品を巽工場に分けるという具体的な遂行方法と配置計画が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    化粧品容器のディスペンサー金具は新たな柱事業と位置付けられ、大型化による高精度化も述べられるが、同分野での水準の位置づけは不明確。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    人手不足の解消や製品競争力向上が期待とされ、地域波及や雇用創出の記述は限定的でわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    加工速度90%向上や生産量2倍という効果は読めるが、補助金額と付加価値増加の関係を示す数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    画像診断測定器による検品の自動化や日越拠点間の情報共有が書かれるが、先端デジタル技術の活用としての位置付けは薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外生産移管を支える住宅設備メーカーのものづくりに触れるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及3

    大阪市生野区の本社工場を拠点とし雇用や事業拡大に触れるが、地域の経済成長を牽引する記述としては具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ベトナム工場でも金型生産を拡大し、日本の金型生産能力の増強と合わせて日越拠点間で情報共有や人材交流を進め、国内外で事業の飛躍を目指す。

事業者の声

従来の小さな金型の組み合わせに比べ、大型化で加工精度アップなど、いろんなことにチャレンジできる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。