ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

レーザー加工を用いた高精度新工法による航空機産業向け切削工具の製作

株式会社中京

成果面粗度(Rz) 8㎛→2.7㎛

この事例のポイント

  • これまでのレーザー加工による面粗度(Rz)は8㎛で、ブレーカ面に切粉が付着し、ブレーカの効果を発揮しきれなかった。
  • 平成25年度補正の中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業(ものづくり補助金)を活用し、最新のレーザー加工機を導入した。
  • 面粗度(Rz) 8㎛→2.7㎛。レーザー加工機の導入により面粗度が大幅に改善し、ブレーカ面に切粉が付着しにくくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中京
所在地愛知県 名古屋市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数240人
資本金4,300万円
設立1961年

事業の背景

中京は昭和36年設立の工業用切削工具メーカーで、当初は木工用切削工具の販売が中心だったが、昭和50年から金属用切削工具のダイヤモンド焼結体(PCD)と立方晶窒化ホウ素(PcBN)工具の製造販売も始め、現在は中国やタイへの海外進出も果たしている。匠の技による研磨ブレーカに加え、約10年間レーザー加工でPCD刃先交換式チップにブレーカを施した製品を製造販売してきた。ブレーカは切削時の切りくずを分断して作業効率を上げるものだが、その売り上げは思うように伸びていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度これまでのレーザー加工による面粗度(Rz)は8㎛で、ブレーカ面に切粉が付着し、ブレーカの効果を発揮しきれなかった。
  • 生産能力ブレーカ面の表面粗さを小さくする必要があり、対策技術の確立が急務だった。
  • 集客・繁閑ブレーカ付PCDインサートチップの売り上げは思うように伸びていなかった。

やったこと

平成25年度補正の中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業(ものづくり補助金)を活用し、最新のレーザー加工機を導入した。導入後、出力やパルスなどの加工条件を微細な単位で調整しながら、さまざまな加工条件を試した。その結果、ブレーカ面の面粗度を2.7㎛まで小さくし、研削加工の域にまで達した。開発期間は半年を見込んでいたが、わずか2カ月で完了した。段取りが自動調整になったため、加工時間はそのままでもトータル時間を短縮できた。

加工機レーザー加工機

新しい製品・サービス:ブレーカ付PCDインサートチップ(レーザー加工による高精度新工法の切削工具)

事業の効果

  • 面粗度(Rz) 8㎛→2.7㎛
  • 開発期間 6カ月→2カ月
  • 発売後、自動車部品加工関連向けに目標の1.5倍の売り上げを達成した

レーザー加工機の導入により面粗度が大幅に改善し、ブレーカ面に切粉が付着しにくくなった。開発期間も予想の半年から2カ月に短縮された。2015年6月に発売した製品は自動車部品加工関連向けに目標の1.5倍の売り上げを達成した。加工条件の微細な調整が可能になったことで、今後は難削材や航空機分野への挑戦も視野に入っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    木工用工具販売から金属用PCD・PcBN工具製造へ、10年間のレーザー加工ブレーカ製造という一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    研磨ブレーカに対しレーザー加工品で対応するとあり強みは読めるが、市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    ブレーカ面の表面粗さ8㎛が切粉付着の課題と特定され、面粗度2.7㎛まで改善して次の目標を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標の1.5倍の売り上げ達成、今後は2.7㎛超えと研磨ブレーカの2〜3倍価格品と同等レベルを目指すとある。

  • 事業を進める体制2

    川瀬製造部次長の名前と役職はあるが、補助事業を遂行する人員体制や事務処理能力は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車部品加工関連向けに発売し、顧客ニーズに合った提案を掲げ、レーザー加工による複雑形状のメリットが述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    開発は2カ月で完了、年内発売、航空機分野や難削材への挑戦など段階的な方向性はあるが、具体的な工程表は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    面粗度2.7㎛で研削加工域に達し、研磨ブレーカと同等レベルを目指すなど高水準の高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外進出や航空機分野への展開に触れるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    開発期間が半年の予想に対し2カ月、段取り自動調整でトータル時間短縮と効率化は読み取れるが、費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新レーザー加工機によるデジタル活用の要素はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    航空機分野や薄肉製品・CFRPなど軽く硬い難削材への進出がうかがえるが、構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

刃先交換式チップ以外のドリル、リーマなどの回転工具への応用は一定の完成を見ており年内の発売を目指している。将来的には航空機分野も視野に入れ、薄肉製品やCFRPなどの難削材の加工にも挑戦していく。

事業者の声

想像以上の成果

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。