ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業愛知県

製菓・製パン原材料卸売業から、最新鋭の機械の導入で発酵ロングライフ菓子メーカーへ進出

株式会社アイ・エム・コーポレーション

この事例のポイント

  • 既存のロングライフ製品は包材や薬剤、脱酸素などでカビや酸化を防いでいたが、小麦粉の老化現象を防ぐことは難しかった。
  • 自然界の酵母を独自に研究し、小麦粉のカビや酸化に加えて老化も防ぐ酵母を開発した。
  • 独自開発した酵母の安定培養が可能になり、ロングライフ製品を製造できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイ・エム・コーポレーション
所在地愛知県 津島市
業種飲食料品卸売業
従業員数51人
資本金1,000万円
設立1991年

事業の背景

株式会社アイ・エム・コーポレーションは、乳製品や油脂をはじめとする製菓・製パン・和菓子の原材料の卸売を行い、創業当初から菓子類の材料卸売が主力である。近年はOEM・ODM生産が伸びており、大手ホテルや有名観光地のギフト向けに販売網を広げている。取引先からは新商品の開発を求められるなど、レシピ提案開発型商社として良好な関係を築いていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存のロングライフ製品は包材や薬剤、脱酸素などでカビや酸化を防いでいたが、小麦粉の老化現象を防ぐことは難しかった。
  • 生産能力ロングライフかつ高品質な菓子のOEM・ODM需要が高まり、量産化と品質の均一化に対応できる最新鋭の設備が求められていた。
  • 新製品・新技術取引先から新商品の開発を求められるなか、卸売の枠を超えた、ロングライフで高品質な菓子作りへの挑戦が求められていた。

やったこと

自然界の酵母を独自に研究し、小麦粉のカビや酸化に加えて老化も防ぐ酵母を開発した。この酵母を安定して培養するため、ドゥコンディショナー(自動発酵装置)を導入した。量産と品質の均一化のため、デュアルガトーデポ(自動絞り機)とガスラックオーブン(大型焼成機)も導入した。これらの設備により、独自開発した酵母の安定培養とロングライフ製品の製造が可能になった。

加工機ドゥコンディショナー(自動発酵装置)
加工機デュアルガトーデポ(自動絞り機)
加工機ガスラックオーブン(大型焼成機)

新しい製品・サービス:独自開発した酵母を用いた、安全・安心で風味を損なわないロングライフかつ高品質な菓子

事業の効果

独自開発した酵母の安定培養が可能になり、ロングライフ製品を製造できるようになった。小麦粉の老化を防ぎながら高い品質を保てるようになり、大手ホテルのビュッフェやギフト需要を獲得した。同社でしか製造できない付加価値の高い商品の生産が可能になり、大手ホテルや酒造メーカー、ベーカリーなどとの新規取引にもつながって業績の拡大に大きく寄与している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    卸売が主力で創業以来菓子材料を扱い、OEM・ODM拡大や取引先からの新商品開発要請を受けた流れが読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自然界から独自に研究した酵母で老化やカビを抑え、同業他社が真似できない付加価値の高い商品を可能にしたと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    ロングライフ製品の品質課題を整理し、発酵機や自動絞り機などの導入で量産と品質均一化に対応する具体的な計画が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    業績拡大への寄与は書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、目標値の記載がわずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    代表の研究や取引先との関係、新工場構想は書かれているが、導入や実施を担う人材・事務体制の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手ホテルやギフト需要、輸送や在庫期間を考慮したロングライフ製品という顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    新工場建設やOEM・ODMへの注力など今後の方向性は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    欧州菓子のパネトーネやシュトーレンに着目し、同業他社が真似できない高付加価値品を生産できる点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    日本の菓子の品質が海外で注目されている旨がうかがえるが、雇用創出や波及効果などの国の補助理由は明記されていない。

  • 費用対効果2

    補助金の投入額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は示されず、費用対効果はわずかにうかがえるのみ。

  • イノベーションへの貢献2

    酵母の独自開発や最新鋭機械の導入は記載があるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明確ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    海外での日本菓子への注目や、ロングライフ菓子のニーズ拡大がうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    津島市の拠点で事業を営む点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

原材料卸売業者として多様な材料を扱う強みを生かし、ニーズに応じた生産体制を強化する。OEM・ODM生産に力を入れて販路を拡大していく考えである。HACCPやISOに対応した新工場を建設する構想もあり、更なる業績の拡大が期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。