ものづくり補助金平成28年度卸売業、小売業長崎県

生産力増強のための設備導入策と地域資源を活かした新商品開発

成果約70%の商品製造の機械化に成功

この事例のポイント

  • 手作業中心の生産体制のため、生地をこねる、上げる、伸ばす、抜く、重さを計る、並べるといった工程を職人の技術力に頼らざるを得ず、パートでは賄えなかった。
  • 生地成型の機械化を検討し、自動包あん機を導入した。
  • 約70%の商品製造の機械化に成功。自動包あん機の導入により作業効率が向上し、丸ぼうろの製造が2人の技術者から1人の技術者と製造補助員1人で可能になった。

事業者のプロフィール

所在地長崎県 佐世保市
業種飲食料品小売業
従業員数5人
設立1941年

事業の背景

志げる製菓舗は長崎県にまつわるカステラや丸ぼうろ等を製造販売する和菓子店である。5年前に商品化したオリジナル丸ぼうろ「SASEBO BOLO」は独特の食感が評判を呼び、売上が5倍になった人気商品である。売上比率は卸10%、店売り90%である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業中心の生産体制のため、生地をこねる、上げる、伸ばす、抜く、重さを計る、並べるといった工程を職人の技術力に頼らざるを得ず、パートでは賄えなかった。
  • 人手・技能職人の高齢化により年々生産体制が弱まっていた。
  • 販路・情報発信卸先から納品増加の依頼が続いていたが、週に1日は欠品が生じ、新たな顧客からの引き合いにも応じられなかった。

やったこと

生地成型の機械化を検討し、自動包あん機を導入した。導入に際しては、お菓子に合わせて機械を考えるのではなく、機械に合わせてお菓子を作るという方針をとった。生地生成はこねる強さを調整でき、汎用性に優れた設備である。導入後は「丸ぼうろ」の製造に必要な人員が2人の技術者から1人の技術者と製造補助員1人になった。当初の予定通り、丸ぼうろ以外の商品にも転用し、約70%の商品製造の機械化に成功した。

加工機自動包あん機

新しい製品・サービス:地域資源を活かした新商品として、丸ぼうろ「SASEBO BOLO」の製造体制を機械化し、ギフト商品として新たな卸先を獲得した。

事業の効果

  • 約70%の商品製造の機械化に成功
  • 丸ぼうろの製造人員 2人(技術者)→1人(技術者)

自動包あん機の導入により作業効率が向上し、丸ぼうろの製造が2人の技術者から1人の技術者と製造補助員1人で可能になった。職人の勤務日数が限られる中でも欠品を生じさせず製造できている。丸ぼうろ以外への転用で約70%の商品製造を機械化し、知り合いの工場に委託していた商品も自社製造できるようになった。量産体制の整備によりギフト商品の新たな卸先も獲得した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との一貫性は読み取れず、地域菓子から洋風和菓子への転換という方向性がうかがえる程度である。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    卸先からの納品増加依頼や、売上が5倍になった人気商品という市場の強みは読み取れるが、競争優位の論理は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    週1日の欠品や手作業による生産力の弱さが課題として具体的に示され、機械導入で解決する流れが読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、生産量や欠品解消といった定性的な効果がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制2

    職人の勤務日数が限られる中でも製造できている点はうかがえるが、体制確保の具体的な計画は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    SASEBO BOLOは卸先から勧められる評価があり1個90円の手頃な価格とされ、顧客の裏付けと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    丸ぼうろ以外への転用で約70%の機械化に成功したという段階的な進め方は読めるが、スケジュールは不明確である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    和菓子店から洋風和菓子店へのブランド転換はうかがえるが、分野の普及度や高水準の高価格化を示す記述は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    佐世保市や全国の卸先への展開が述べられており地域への波及はうかがえるが、国が補助する積極的理由までは書かれていない。

  • 費用対効果2

    欠品回避や作業効率向上の効果は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動包あん機による機械化と品質改善は述べられているが、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    長崎県にまつわる菓子を製造する地域特性と、佐世保市外への展開が読み取れるが、雇用創出などの数字は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

味覚の向上と賞味期限の延長等の品質改善に注力し、佐世保市だけでなく全国でも通用するようにしていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。