ものづくり補助金平成25年度情報通信業愛知県

高精度3Dデータによる原型モデル提供サービス

株式会社スピード

この事例のポイント

  • 瀬戸焼では陶磁器では難しいとされる表現を成形できず、3DCGの幾何学的で複雑なデザインや薄い形状を実体化する手段がなかった。
  • 3DCGで作った幾何学的で複雑なデザインや薄い形状を3Dプリンターで出力し、原型を作成した。
  • 3DCGと3Dプリンターを組み合わせ、瀬戸焼で陶磁器では難しい表現を形にできるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社スピード
所在地愛知県 瀬戸市
業種映像・音声・文字情報制作業
資本金1,000万円
設立2012年

事業の背景

同社は瀬戸市出身の3DCGクリエイターである岩木勇一郎社長が、3DCG制作を中心に立ち上げた会社である。瀬戸市では瀬戸焼の歴史があり、伝統とデジタルの融合による新たな産業創出が検討されていた。市場では大量生産・大量消費の時代が終わり、よりコアなマーケットが主流になりつつあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術瀬戸焼では陶磁器では難しいとされる表現を成形できず、3DCGの幾何学的で複雑なデザインや薄い形状を実体化する手段がなかった。

やったこと

3DCGで作った幾何学的で複雑なデザインや薄い形状を3Dプリンターで出力し、原型を作成した。その原型を使って、陶磁器では難しいとされる表現を瀬戸焼で成形することに成功した。この技術を基に個性的なアクセサリーなどを企画・製作し、商品として販売を始めた。オオサンショウウオをモチーフにした試作モデルやオリジナル商品は、イギリスで開催された展示会で出展し注目を集めた。

加工機3Dプリンター

新しい製品・サービス:3DCGと瀬戸焼の技術を融合させた個性的なアクセサリー

事業の効果

3DCGと3Dプリンターを組み合わせ、瀬戸焼で陶磁器では難しい表現を形にできるようになった。その技術を基にしたアクセサリーなどのオリジナル商品を企画・製作し、すでに販売を始めている。OEMのオーダーにも対応しており、取引の幅が広がっている。海外の展示会にも出展し、注目を集めた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    3DCG制作会社の設立から瀬戸市の子ども向けプログラム、瀬戸焼との融合へ展開した経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    瀬戸焼の造形技術と3DCGの正確さを組み合わせ、ハイパージャパンでの出展やOEM対応に触れているが、競争優位の根拠となる数字や比較は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    大量生産から小ロット高付加価値への市場変化を課題認識として述べ、オリジナル商品化を進めているが、具体的な計画や目標は示されていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    代表者と3DCG事業の経歴は触れられるが、人材や事務処理体制の具体的な記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    幾何学的で複雑なデザインや薄い形状を3Dプリンターで出力し陶磁器では難しい表現を成形できる点、アクセサリーを販売済みと具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    3Dプリンターのデータ作成サービスへの展開などに触れるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    3DCGと3Dプリンターを瀬戸焼に組み合わせた原型モデル提供は、陶磁器では難しい表現を実現する点で高付加価値化を図る取組と読める。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    瀬戸市の子ども向けプログラムや地元就職を目論む点から地域の人材育成への貢献はうかがえるが、雇用や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    3DCGと3Dプリンターを伝統的な瀬戸焼の造形技術と融合させ、新たな産業創出を図るとしており、デジタル技術による地域産業のイノベーションが具体的に読み取れる。

政策面80%
  • 成長分野への進出3

    3DCGや3Dプリンターが製造業に新たな可能性をもたらすと述べ、構造転換への言及はあるが、市場規模などの裏付けは示されていない。

  • 地域経済への波及5

    瀬戸市の伝統的な瀬戸焼とデジタル技術を融合し、瀬戸市と連携して地域の産業創出を積極的に進める点が、数字や事実を伴って読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はオリジナル商品の新しい展開に加え、3Dプリンターのデータ作成サービスなどにも力を入れる。

事業者の声

「大量生産・大量消費の時代は終わり、よりコアなマーケットが主流になってきた。小ロットのモノづくりが3Dプリンターの登場で可能になった。小ロット商品が高付加価値な高額商品となり、利益率はぐんと上がった。そうした時代の流れにも柔軟に対応していきたい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。