ものづくり補助金平成25年度製造業三重県

自動車,スマホ向けプリント基板実装設備の超精密小物部品量産化

株式会社佐藤製作所

成果事業立ち上げ時(H27年度)に比べ、H29年度には約2倍を達成した。

この事例のポイント

  • プリント基板実装設備の部品は高精度化・小型化が進んでおり、多工程での加工ではコストと品質が要求を満たせなかった。
  • 既存の自動旋盤+フライス盤等の多工程で行っていた機械加工を、NC複合自動旋盤の一工程加工で完了させるため、主軸台移動形CNC自動旋盤(L12-Ⅶ)とCNC自動旋盤(L20X)の計…
  • 事業立ち上げ時(H27年度)に比べ、H29年度には約2倍を達成した。試作(テスト加工)では概ね目標値を達成し、「パイプ・スリーブ」の2品種はコスト低減の目標値を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社佐藤製作所
所在地三重県 桑名市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数160人
資本金1,300万円

事業の背景

当社は自動車、家電、制御、医療分野へ精密部品を供給してきた精密部品メーカーで、油圧機器の超精密部品でサブミクロン精度の量産加工技術を確立している。自動車やスマートフォンに使われるプリント基板実装設備の精密小物部品は、高精度・高速化が進む市場で需要があった。既存のNC複合自動旋盤で一部加工していたが、引き合いのある部品の中には既存設備ではコストダウンに対応できないものがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度プリント基板実装設備の部品は高精度化・小型化が進んでおり、多工程での加工ではコストと品質が要求を満たせなかった。
  • コスト・採算メーカーが要求する加工精度とコストを満たすため、小型精密部品を一工程で加工する必要があった。
  • 生産能力既存設備では工具取付け台の駆動数や工具取付け数が不足し、一工程加工ができない部品があった。
  • 新製品・新技術細径で穴加工するタイプの加工用旋盤を所有しておらず、受注できない案件があった。

やったこと

既存の自動旋盤+フライス盤等の多工程で行っていた機械加工を、NC複合自動旋盤の一工程加工で完了させるため、主軸台移動形CNC自動旋盤(L12-Ⅶ)とCNC自動旋盤(L20X)の計2台を平成26年10月6日に導入した。L12-Ⅶは小型精密加工部品(パイプ)を一工程加工で製作するため、L20Xは小型精密加工部品(スリーブ・ホルダーノズル)を一工程加工で製作するために購入した。切削図面をもとに一工程加工を試み、加工精度を満たす部品の加工に成功した。評価用サンプルを製作してメーカーに提出し、寸法・外観面での品質評価で合格を得た。

加工機主軸台移動形CNC自動施盤(L12-Ⅶ)
加工機主軸台移動形CNC自動施盤(L20X)

新しい製品・サービス:小型精密部品(パイプ・スリーブ・ホルダーノズル)の一工程加工

事業の効果

  • 事業立ち上げ時(H27年度)に比べ、H29年度には約2倍を達成した。

試作(テスト加工)では概ね目標値を達成し、「パイプ・スリーブ」の2品種はコスト低減の目標値を達成した。「ホルダーノズル」は若干目標値を下回ったが、経験を積めば上回れると見込んでいる。既存設備で一工程加工できる小型精密部品の納入単価は、他社より20〜30%安いと取引先から評価されている。ホルダーノズルは取引先の内製化で受注が0になったが、本事業に関する数量はH29年度に立ち上げ時の約2倍となった。新しい設備により、今後のコストダウンと小型高性能化に対応できると考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の多工程加工をNC複合自動旋盤で一工程化する取組で、過去の自動旋盤技術を生かすと書かれている。経営戦略上の位置付けは詳しく示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存設備では対応できない部品があるとし、他社納入品より20〜30%安い単価を取引先から評価されたと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    多工程による加工精度・コストの課題を挙げ、一工程加工でコストダウンと工期短縮を図る計画が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    目標値は示されており試作で概ね達成とあるが、具体的な目標数値や付加価値額・賃上げ目標は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業者数160名や技術の蓄積は示されているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車やスマートフォンのプリント基板実装設備向け小物部品という顧客分野と、他社より安い納入単価による選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作・評価の結果と量産後の効率化の方針は書かれているが、遂行スケジュールや課題解決の詳細は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    サブミクロン精度の量産加工技術を確立したとあるが、分野の普及度や高付加価値化の水準を示す数値は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車や医療など幅広い分野へ供給する精密部品メーカーであることはうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は少ない。

  • 費用対効果3

    大幅なコストダウンや納入単価の優位性は書かれているが、投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高精度・高速化が進む実装設備向けの部品という文脈はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記述は乏しい。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    自動車やスマートフォン向けの精密部品という成長分野への関わりがうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小型精密部品に対応した生産性の高い設備を導入したことで、今後のコストダウンと小型高性能化に対応できると考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。