ものづくり補助金平成25年度製造業三重県

新たな伊勢のお土産品の販売における、生産体制の確立

有限会社ふらんす

成果生産量 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 少子高齢化による市場の縮小と、コンビニなどチェーン店の台頭による競合の激化で、売上が伸び悩んでいた。
  • 手作業で行っていた袋入れ、食品表示、鮮度保持剤封入の作業を正ピロー包装機械の導入で機械化し、伊勢サブレ、宇治橋バーム、チーズタルトの3製品合計750個/日の包装を効率化した。
  • 生産量 1倍→2倍。包装・成形・焼成の各工程の機械化により、作業時間が大幅に短縮され、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ふらんす
所在地三重県 伊勢市
業種食料品製造業
従業員数12人
資本金950万円

事業の背景

有限会社ふらんすは伊勢市内の工房で、誕生日ケーキやバームクーヘン、オリジナル洋菓子ギフトを製造・販売し、主に地元の顧客を対象としてきた。少子高齢化に伴う市場の縮小と、コンビニ等チェーン店の台頭による競合の激化から、売上が伸び悩んでいた。年間5~6百万人が訪れる伊勢市・おかげ横丁での観光客向け販売を見込み、新商品の開発に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑少子高齢化による市場の縮小と、コンビニなどチェーン店の台頭による競合の激化で、売上が伸び悩んでいた。
  • 生産能力洋菓子を手作業で生産しており、生産能力に限界があった。
  • 品質・精度商品の均一性、品質、デザイン、包装にも課題があった。

やったこと

手作業で行っていた袋入れ、食品表示、鮮度保持剤封入の作業を正ピロー包装機械の導入で機械化し、伊勢サブレ、宇治橋バーム、チーズタルトの3製品合計750個/日の包装を効率化した。卓上サブレ型抜機マシンを導入して伊勢サブレの成形工程を改善し、500個/日の成形を行えるようにした。機械との相性で型抜きに問題が生じたため、温度管理が可能な場所に設置場所を変更し、抜き型のデザインを変更した。チーズタルトの焼成にはタルトクッカーを導入し、200個/日の焼成を効率化した。試作と試験を繰り返して味や機械条件を調整し、品質を安定させた。伊勢らしいデザインの包装紙とパッケージに変更し、上質なイメージを持たせた。

加工機正ピロー包装機械
加工機卓上サブレ型抜機マシン
加工機タルトクッカー

新しい製品・サービス:チーズタルト、伊勢サブレ、宇治橋バーム

事業の効果

  • 生産量 1倍→2倍
  • 包装作業時間(750個/日) 180分→35分
  • 成形作業時間(500個/日・伊勢サブレ) 300分→90分
  • 焼成作業時間(200個/日・チーズタルト) 360分→120分
  • 不良率(チーズタルト) 5%→1%

包装・成形・焼成の各工程の機械化により、作業時間が大幅に短縮され、生産性が向上した。これまで需要に生産が対応できなかったための販売ロスや、不良品発生に伴う生産ロスを削減できるようになった。チーズタルトの不良率も減少し、品質が安定した。これにより売上増加と収益向上への貢献が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の地元向け洋菓子販売から観光客向け新商品開発へ展開しており、代表者の30年以上の洋菓子技術を活かす流れは読めるが、経営戦略上の位置づけの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    少子高齢化による市場縮小やチェーン店との競合を認識し、年間5~6百万人が訪れるおかげ横丁での販売を狙うなど外部環境を踏まえている。

  • 課題の認識と解決5

    手作業による生産能力の限界を課題とし、不良率5%を1%に減らす数値を示し、生産量約2倍の目標で高付加価値化・売上増につなげている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    包装作業を2人×3時間から1人×40分へ、焼成を6時間から2時間へ等の数値目標を示し、結果も表で確認できる。ただし賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    機械の試作や調整を繰り返し、人員配置も記載されているが、補助事業を遂行する人材・事務処理体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    観光客向けの新商品と伊勢らしい包装紙の検討、購入客数360人/日の見込みなど、顧客ターゲットとニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋4

    包装機の相性問題を試験・試作と設置場所変更で解決した経緯や、通信販売で4年後3,500箱を目指す計画が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    伊勢土産の洋菓子という分野の認知度や高価格化に関する記述はわずかにうかがえるが、市場での水準比較は読み取れない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    観光地の土産品開発という地域性はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産量約2倍や販売ロス・生産ロスの削減など効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    伊勢市おかげ横丁での販売と伊勢らしいデザインは地域特性を活かす点が読めるが、雇用創出や地域成長への寄与の数値はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当社商品の購入客数は360人/日を見込んでおり、今回の設備投資でこれに対応できる供給能力が確保できた。チーズタルトは店頭で購入された顧客のリピート購買を狙い、通信販売での対応も検討している。4年後には年間3,500箱の販売を目標にしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。