ものづくり補助金平成25年度医療、福祉三重県

介護評価と医療介護多職種連携の「PHRシステム」構築

有限会社イトーファーマシー

この事例のポイント

  • 介護保険サービスにおいて、医療と介護の多職種連携が十分になされず、各職種がバラバラに医療・介護を行っている。
  • 介護福祉士がいるITベンダーを選定し、見積時の仕様書と機能一覧を確認して提案を依頼した。
  • 介護事業所では、サービス熟達度の向上、入力・記録の効率化が図られ、交通費・通信費・人件費などのコスト削減が見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社イトーファーマシー
所在地三重県 鈴鹿市
業種社会保険・社会福祉・介護事業
従業員数27人
資本金300万円

事業の背景

有限会社イトーファーマシーは調剤薬局2店舗のほか、介護事業を営む。1997年にヘルパー養成事業に参入し、2001年に介護保険施行と同時に居宅支援事業、訪問介護事業、福祉用具貸与事業を始め、翌年に認知症単独通所介護事業を開始した。厚生労働省は医療と介護の協働を軸とした地域包括ケアシステムの基盤整備を進めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑介護保険サービスにおいて、医療と介護の多職種連携が十分になされず、各職種がバラバラに医療・介護を行っている。
  • 生産能力医療の情報が介護現場に届かない、介護現場の情報が医療現場に届かないという相互不信があり、ケアマネジメントに影響して介護の質が低下している。
  • 人手・技能他法人や医療機関との連携システムが多職種連携システムとして構築されておらず、情報共有が限定的である。

やったこと

介護福祉士がいるITベンダーを選定し、見積時の仕様書と機能一覧を確認して提案を依頼した。ケアマネジャー、通所介護、訪問介護の立場から課題や要望を整理し、PHRシステムの具体的な機能を取りまとめた。プログラム開発はITベンダーに全面的に委託し、当社は画面や帳票、ヘルパー行動予定表などを確認した。ケアマネジャーが作成した利用者の基本情報が訪問介護事業所で共有できるかを検証し、ヘルパーがタブレットで記入した業務日誌を訪問介護事業所で確認できることも検証した。

ロボットタブレット

新しい製品・サービス:介護記録と評価システムと連動する医療介護多職種連携システム(介護版PHRシステム)

事業の効果

介護事業所では、サービス熟達度の向上、入力・記録の効率化が図られ、交通費・通信費・人件費などのコスト削減が見込まれる。属人性を排除してサービスの標準化を実現し、行為動作分析による絶対評価により介護予測が可能となって科学的な検証ができる。行政は介護予測や評価情報を高齢者計画等に活用できる。利用者の情報を多職種で共有でき、介護の質の向上や遠隔地の家族の安心につながる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の介護記録と評価システムと連動するPHRを開発し、社内の自社開発システムの延長にある取組と読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    在宅医療と介護の連携という課題認識はあるが、市場動向や競争優位性は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    多職種連携の課題と情報の相互不信を挙げ、PHRで解決する方針が示されているが、事業計画の成長性の数値は乏しい。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    ITベンダーに開発を委託し、ケアマネや訪問介護の立場で検証を行った経緯が書かれ、体制の一端がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ケアマネジャーが中核となる販売先、3K職場の人材不足への対応、利用者の安心という価値が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    運用テストの段階と、かかりつけ医・薬局への検証が未実施で今後進める予定であることが書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    介護版PHRは一般的な普及段階とは言い切れないが、高付加価値化・高価格化を示す記述は見当たらない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域包括ケアシステムの基盤整備という政策課題に沿うとされ、介護の質向上への寄与が示されている。

  • 費用対効果2

    交通費・通信費などのコスト削減や効率化が挙げられているが、補助金額に対する効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献4

    多職種が利用者データを共有するクラウド型PHRで、医療と介護の連携というイノベーションを示している。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    介護分野の高齢化対応という成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はかかりつけ医や薬局まで情報共有できることを確認し、地域包括ケアシステムとして地域の介護レベルアップに貢献したい。新システムの主要販売先はケアマネジャーの所属する居宅介護支援事業所となり、介護サービス事業所などへの販路拡大が見込める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。