ものづくり補助金平成26年度医療、福祉千葉県

クラウド・カメラ・IT端末の活用による、グループホーム介護事業の効率化と収益向上計画

株式会社ハンドレッド

この事例のポイント

  • 人員基準の1.5倍から2倍の人員を配置しているため、標準より人件費が高く経営を圧迫している。
  • 介護施設にカメラを設置し、介護職員と入居者の家族がIT端末で入居者の動画像をリアルタイムで確認できるようにした。
  • 運用開始から約1年で、カメラシステムにより利用者の転倒事故防止や職員の巡回回数の合理化など目に見える成果が上がっている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ハンドレッド
所在地千葉県 船橋市
業種社会保険・社会福祉・介護事業
従業員数28人
資本金1,000万円
設立2004年

事業の背景

定員18人のグループホーム「はるかぜ」を平成18年10月より8年以上運営してきた。開業当初から厚生労働省の人員基準より多くの人員を配置し、人の目が行き届いた手厚い介護を行うことが他社との差別化となってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能人員基準の1.5倍から2倍の人員を配置しているため、標準より人件費が高く経営を圧迫している。
  • 人手・技能夜勤時の介護施設の巡回や紙ベースの介護記録の入力・共有に手間がかかり、介護職員の負担が大きく疲労度が高い。

やったこと

介護施設にカメラを設置し、介護職員と入居者の家族がIT端末で入居者の動画像をリアルタイムで確認できるようにした。介護職員の介護記録を電子化し、システムをクラウド上に構築することで、ノウハウを共有し効率の良い作業環境を整えた。カメラの録画映像を職員の動きの確認と職員研修に活用し、蓄積したデータを分析して職員の配置や教育に活かす計画とした。

その他カメラシステム
その他IT端末(タブレット・PC)
その他据置型モニター
ソフト介護記録の電子化システム(クラウド)

事業の効果

運用開始から約1年で、カメラシステムにより利用者の転倒事故防止や職員の巡回回数の合理化など目に見える成果が上がっている。転倒事故はなくなり、未然に転倒を防げている。職員は事務所内で利用者の様子を確認できるため肉体的・精神的負担が軽くなった。録画映像を職員研修に使い、良い動きと悪い動きを明らかにして労働生産性の向上につなげている。電子化した介護記録は、データの蓄積が進めば安全管理や行政協力、マーケティングへの活用が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成18年からのグループホーム運営8年以上と手厚い人員配置が強みとされ、その延長でカメラ導入が位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    人員基準の1.5~2倍配置で人件費が高く経営を圧迫と書かれ、差別化の強みは示されるが市場動向の分析は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    人件費圧迫と介護記録の手間という課題を挙げ、カメラ導入による巡回回数の合理化や記録電子化で解決を図る流れが読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    労働生産性向上や収益向上は目的に挙がるが、具体的な目標値や数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員28名、運営実績8年以上、運用開始1年の記述はあるが、補助事業の遂行体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    安全・安心と家族の信頼、職員研修への活用など顧客価値は示されるが、ターゲットや需要の裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    運用開始後の成果と今後の展望(マーケティング活用、新規入居者獲得)は示されるが、スケジュールや課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    介護施設でのカメラと電子化の組み合わせは一般的とは言えないが、高付加価値化や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    介護記録の電子化データが安全や行政協力への活用が期待されると書かれ、地域介護の質向上に触れている。

  • 費用対効果2

    転倒防止や巡回回数の合理化と書かれるが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    クラウド上の介護記録システムやカメラの映像データ活用を通じ、業界の効率化に貢献し得る取組として具体的に示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    介護分野のデジタル化は示されるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    千葉県船橋市と栄町での事業実施、千葉県全体での研修講師派遣が書かれ、地域での展開が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

蓄積したデータをマーケティングに活用し、競合他社とのサービスの差別化を図って付加価値を付けることで、収益の向上と新規入居者の獲得につなげる。また職員研修の講師派遣も視野に入れている。

  • 目標:人員基準の1.5倍から2倍の人員を配置している

事業者の声

このカメラシステムを、安全・安心はもちろん、積極的に営業活動をしていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。