ものづくり補助金平成25年度製造業滋賀県

高機能化及び高信頼性を実現した超高周波用人工衛星搭載部品の開発

株式会社オリエントマイクロウェーブ

成果従来と比べて高い周波数帯域(30GHz帯)で使用可能な同軸導波管変換器の国内開発を実現した

この事例のポイント

  • 国内では超高周波の人工衛星搭載用同軸導波管変換器を製造できる会社がなく、当社にとっても未知の領域であった。
  • 人工衛星搭載用の同軸導波管変換器の精度向上のため、冷熱衝撃試験器を導入し、当該部品の耐熱性・耐冷性を検査して性能と信頼性の向上を図った。
  • 従来と比べて高い周波数帯域(30GHz帯)で使用可能な同軸導波管変換器の国内開発を実現した。開発した同軸導波管変換器を製品化し、開発の打診を受けた企業をはじめ航空・宇宙分野の市場へPRして販売活動を行っている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社オリエントマイクロウェーブ
所在地滋賀県 東近江市
業種情報通信機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数74人
資本金4,600万円
設立2004年

事業の背景

当社は高周波技術を使った先端商品を提供しており、その技術と実績が評価されて国内の宇宙開発関連会社から人工衛星搭載用の同軸導波管変換器の国内開発の打診を受けた。宇宙産業の世界市場は年々拡大傾向にあるが、日本の宇宙機器産業の売上は欧州の4分の1、米国の17分の1程度と言われている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術国内では超高周波の人工衛星搭載用同軸導波管変換器を製造できる会社がなく、当社にとっても未知の領域であった。
  • 品質・精度当該部品は超高周波を対象とし、これまで以上の高い精度が求められるため、変換器の精度向上を検証する必要があった。
  • 品質・精度電波と同軸ケーブル間の変換効率を向上させ、その精度を確かめる必要があった。

やったこと

人工衛星搭載用の同軸導波管変換器の精度向上のため、冷熱衝撃試験器を導入し、当該部品の耐熱性・耐冷性を検査して性能と信頼性の向上を図った。電波と同軸ケーブル間の変換効率を向上させるため、ネットワークアナライザーを導入して変換効率を測定し、変換器部分での無線の受信および発信の動作を評価した。その結果、従来より高い周波数帯域(30GHz帯)で使用可能な同軸導波管変換器の国内開発を実現した。

検査測定冷熱衝撃試験器
検査測定ネットワークアナライザー

新しい製品・サービス:人工衛星搭載用の同軸導波管変換器(30GHz帯対応)

事業の効果

  • 従来と比べて高い周波数帯域(30GHz帯)で使用可能な同軸導波管変換器の国内開発を実現した

開発した同軸導波管変換器を製品化し、開発の打診を受けた企業をはじめ航空・宇宙分野の市場へPRして販売活動を行っている。マイクロウェーブ展やIMS2018(フィラデルフィア)に出展し、海外市場へ製品群と技術力を示したことで認知度が上がり、性能や信頼性について高い評価を得た。今後は海外製品との価格競争に打ち勝つため、コストダウンを念頭に置いた開発と販売促進を進める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    高周波技術と実績が評価され国内宇宙関連会社から打診を受けた経緯が書かれ、既存事業との連続性は読み取れるが経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内では製造できる会社がないと書かれ、高周波技術という自社の強みを活かして市場の空白を埋めた競争優位性がうかがえる。

  • 課題の認識と解決3

    開発で課題を検証し高周波帯域への対応を実現したと書かれるが、今後の事業計画の数値や具体的な高付加価値化の見通しは薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。コストダウンを念頭に置くという方針のみ書かれている。

  • 事業を進める体制3

    社内体制として、マイクロ波に特化した開発・設計から製造まで一貫した体制を持つことが会社概要に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    30GHz帯で使える衛星搭載用変換器という製品価値と、航空・宇宙市場へのPR・販売活動が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    冷熱衝撃試験器やネットワークアナライザーで検証を進めたと書かれ、今後は海外価格競争への対応が必要だと示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    従来より高い30GHz帯で使用可能な衛星搭載用同軸導波管変換器で、国内では製造できる会社がなかったと書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    日本の宇宙機器産業は欧米に比べて小さいと書かれ、衛星搭載部品の国内開発で国内の宇宙産業を育てる意義が示されている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性の数値は書かれておらず、費用対効果はうかがえるだけである。

  • イノベーションへの貢献3

    超高周波対応の部品が人工衛星以外の分野にも需要を生むと期待が書かれているが、デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出4

    航空・宇宙は成長が期待できる重要分野で、宇宙産業の世界市場は年々拡大していると書かれ、成長分野への進出が明確である。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県東近江市の本社所在地は書かれるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

まず国内の人工衛星での採用実績をつくっていく。人工衛星への搭載にも耐え得る高い性能と信頼性を持つ同軸導波管変換器は、これまで対応できなかった帯域の超高周波にも対応できるため、人工衛星関連ユーザーだけでなく他の分野にも需要が生まれることが期待できる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。