ものづくり補助金平成28年度製造業北海道

地ビール製造充填ラインの無人化投資によるアジア圏等海外販売強化事業

網走ビール株式会社

成果生産効率 3,000本/日→10,000本/日

この事例のポイント

  • 瓶ビールは海外バイヤーから大量の注文を受けるが、充填やラベル貼りなどの工程を手作業で行っており、フル稼働を続けても需要に対応しにくい。
  • 瓶商品の製造工程に、無人化・全自動化システムを導入した。
  • 生産効率 3,000本/日→10,000本/日。瓶ビールの充填、ラベル貼り、ウェイトチェッカーの導入により、生産効率は3倍強になった。

事業者のプロフィール

事業者名網走ビール株式会社
所在地北海道 網走市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野情報処理,製造環境
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1998年

事業の背景

網走ビールは円筒型のクラフトビールを製造・販売する地ビールメーカーで、クラフトビールの再燃の中、出荷量は全国上位に入っている。展示商談会や海外輸出向け商談会で注目を集めている。海外バイヤーからは、海外で定番の瓶ビールを中心に引き合いが多い。一方、昔ながらの三釜式製造で充填やラベル貼りを手作業で行っていたため、フル稼働でも1日当たりの生産量は3000本に満たなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力瓶ビールは海外バイヤーから大量の注文を受けるが、充填やラベル貼りなどの工程を手作業で行っており、フル稼働を続けても需要に対応しにくい。
  • 人手・技能人手不足のため、商品開発やブランド化も進んでいない。
  • 生産能力生産性を向上させるため、IoT導入に踏み切る必要があった。

やったこと

瓶商品の製造工程に、無人化・全自動化システムを導入した。瓶洗浄から充填、打栓を連続的に自動で行う充填機は、同社の醸造能力と生産ラインに合わせて製造された特注品で、1時間に2000本の製造が可能である。HACCPやGMPに対応した計量・異物検査機「ウェイトチェッカー」は、動作来歴やNG来歴、統計機能を備えトレーサビリティを向上させた。さらに社内PCとのネットワーク化によるIoT機能を構築し、タブレット等でモニタリングできるようにした。加熱処理装置も導入し、常温で保存・流通できるようにした。

加工機ラベル貼り機
加工機充填機(瓶洗浄・充填・打栓を連続自動で行う特注品)
検査測定ウェイトチェッカー(計量・異物検査機)
ソフトIoT機能(社内PCとのネットワーク化、タブレットでのモニタリング)
加工機加熱処理装置
その他貯蔵タンク

新しい製品・サービス:ABASHIRIプレミアムビール(網走産の大麦麦芽を使用)

事業の効果

  • 生産効率 3,000本/日→10,000本/日
  • 生産コスト 100%→22%

瓶ビールの充填、ラベル貼り、ウェイトチェッカーの導入により、生産効率は3倍強になった。生産コストは78%削減された。雑菌や異物混入のリスクがある工程を機械化したことで品質も向上した。従業員を商品企画部門や営業部門と連携させ、商品開発力も強化された。今後は年2〜3アイテムの新商品の発売を予定している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    手作業の充填やラベル貼りが需要に応えにくい課題とされ、IoT導入に踏み切ったと書かれているが、過去の取組との連続性は明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外バイヤーからの引き合いや香港・台湾への展開、加熱処理装置による船便輸出可能性など、市場と強みを結びつけた記述がある。

  • 課題の認識と解決5

    フル稼働でも1日3000本未満だった生産量が1万本に、生産コストが78%削減、3年後に売上20%増の目標と数字で課題解決を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1日1万本の製造可能化で生産効率3倍強、生産コスト78%削減、3年後売上20%増加を目指すと数値目標が明示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員20人の小規模体制であることはうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    流氷ドラフトなど色のある商品が若者に人気で海外バイヤーの評価も高いと、製品の価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の欧米展開やプライベートブランド企画、新商品2〜3アイテム発売予定などがうかがえるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    クラフトビールは出荷量が全国上位だが、同分野の中で高付加価値化・高価格化を図る記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地元網走産大麦麦芽の使用や網走ブランド化への貢献がうかがえるが、経済波及や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    生産コスト78%削減や生産効率3倍強など、設備投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    ウェイトチェッカーによるトレーサビリティ向上やIoTによるタブレットでのモニタリングはあるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    北海道網走の地元素材や地元にこだわった商品企画、網走ブランド化への貢献意向が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

3年後に売上高20%増加を目指し、今後は年2〜3アイテムの新商品を発売する予定。香港や台湾などアジア圏に加え、欧米や南米への展開も考えている。

  • 目標:売上高 100%→120%

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。