ものづくり補助金平成25年度建設業京都府

大幅な電力量削減とピークカットを実現する「エアポレーター」の開発と販売

有限会社アクアテック

成果年間電力料金が約3,900万円のスーパーマーケットで、1年間の電気料金を5,385,792円削減できた。

この事例のポイント

  • エアポレーターは試用実験で能力が実証されつつあったが、製品として販売できる水準にはまだ達しておらず、さらなる実験と検証が必要だった。
  • エアポレーターは既設の空調室外機の吸気口に追加設置する気化式冷却装置で、ポンプ・配管・特殊構造フィルターから構成される。
  • 年間電力料金が約3,900万円のスーパーマーケットで、1年間の電気料金を5,385,792円削減できた。エアポレーターの設置により室外機の吸気温度が下がり、空調の冷媒冷却効率が向上して消費電力が削減される。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社アクアテック
所在地京都府 京都市
業種設備工事業
従業員数3人
資本金3,000万円
設立1992年

事業の背景

日本では夏場の電力不足が課題となっており、一般的な建物の電力消費のうち空調設備が約45%を占める。最も普及している空冷ヒートポンプ式エアコンの省エネ化が社会全体の電力消費抑制に大きく寄与すると考えられていた。当社は管工事業の新事業としてエアポレーターを開発・販売していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度エアポレーターは試用実験で能力が実証されつつあったが、製品として販売できる水準にはまだ達しておらず、さらなる実験と検証が必要だった。
  • 人手・技能蒸発フィンには塵芥や水中のカルシウム・シリカが付着するため、高圧洗浄などの清掃に耐える強度確保が必要で、メンテナンスに多大な労力がかかっていた。

やったこと

エアポレーターは既設の空調室外機の吸気口に追加設置する気化式冷却装置で、ポンプ・配管・特殊構造フィルターから構成される。事業では製薬会社の工場、スーパーマーケット、当社作業場の計3カ所で実験を行い、設置方法と通水方法、電気配線と計装(警報発信)、本体構造の改良と確立を進めた。また、蒸発フィンの材質を廉価な紙材に変更し、定期的な交換で強度確保と清掃作業の削減を図る方向性を確認した。

その他エアポレーター

新しい製品・サービス:空調室外機追設型の気化式冷却装置「エアポレーター」

事業の効果

  • 年間電力料金が約3,900万円のスーパーマーケットで、1年間の電気料金を5,385,792円削減できた。
  • 6~10月の5ヶ月間の運転で年間193,182kWhの省エネとなった。
  • 従来に比べ消費電力が12.5%減少した。

エアポレーターの設置により室外機の吸気温度が下がり、空調の冷媒冷却効率が向上して消費電力が削減される。スーパーマーケットでは年間約539万円の電気料金削減となり、夏の最も暑い時期のピークカットにも大きく貢献する。また、水道料金のうち下水道料金が免除され、フィンの清掃作業もほとんど不要になった。さらに、撤去したフィンはリサイクルできることも確認された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    空調室外機の省エネ装置を開発・販売・施工・メンテまで一貫して行うと記載あり。ただし過去の取組との連続性は文章から判断しきれない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既設空調機に後付けできる点や、補給水が気化分のみで下水道料金が免除される優位性は示される。市場分析の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決5

    スーパーマーケットで年間電気料金5,385,792円削減、消費電力前年比10%削減など、数字つきで課題解決と効果が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    193,182kWh/年の省エネや電気料金削減額が具体的に示され、目標の実現性は実証結果から読み取れる。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数3人、協力企業2社との実験体制が記載されるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    スーパーマーケットなど主要取引先と効果額が示され、ターゲットと選ばれる理由(省エネ・水道料金減免)が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    製薬会社・スーパー・作業場の3か所での段階的実験と、フィン材質変更やデータ活用など今後の改善計画が時系列で示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    特許12件取得や関連特許の記載はあるが、普及度の水準比較や高価格化の数字は示されていない。

公的補助の必要性80%
  • 波及効果・雇用4

    真夏の電力不足や夏場ピークカットへの貢献が明記され、一般家庭約50軒分相当の省エネ量など社会的意義が具体的に示されている。

  • 費用対効果5

    補助事業の投資額に対し、年間電気料金約539万円削減や193,182kWhの省エネ量など費用対効果を数字で示している。

  • イノベーションへの貢献3

    社外ネットワークやデータ活用、監視カメラによるメンテ一元管理を検討と記載があるが、先端デジタル技術の具体性は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    夏季の電力不足や省エネの重要性は触れられているが、市場成長分野への進出や産業構造転換についての記述は限定的。

  • 地域経済への波及2

    京都市での事業展開は読み取れるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はエアポレーター本体と主要部品の生産体制を強化し、多数設置された製品を監視カメラ等で一元管理するメンテナンス仕組を検討している。また、社外ネットワークを広げてデータを活用し、構造や本体素材の変更を含めて最適化を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。