ものづくり補助金平成25年度建設業山形県

新型多軸木工加工機の導入による機械加工部門の効率化と売上拡大

株式会社モトタテ

成果加工工程数 3台→1台

この事例のポイント

  • 釘を使わない木組みを行う宮大工の特殊加工技術は習得に相当な時間がかかり、熟練した職人の数が少なくなっている。
  • 6軸同時加工が可能な新型多軸木工加工機(6軸モルダー)を導入した。
  • 加工工程数 3台→1台。機械加工部門の精度向上と省力化により社内の生産力が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社モトタテ
所在地山形県 酒田市
業種総合工事業
技術分野精密加工
従業員数41人
資本金5,600万円
設立1948年

事業の背景

当社は創業70年の木造の社寺建設を主体とし、原木の製材から墨付、加工、仕上、地組み、現場の組立までを一貫して行っている。釘を使わない木組みには高い加工精度が求められるが、その特殊加工ができる職人の育成には長い時間がかかる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能釘を使わない木組みを行う宮大工の特殊加工技術は習得に相当な時間がかかり、熟練した職人の数が少なくなっている。
  • 生産能力従来の機械では一つの材料を仕上げるのに多段階で機械を使い分ける必要があり、機械加工部門の精度向上と効率化が課題であった。

やったこと

6軸同時加工が可能な新型多軸木工加工機(6軸モルダー)を導入した。この機械は高速回転する複数のカッター軸で木材の四面を同時に切削でき、従来の1軸機や2軸機を組み合わせて行っていた加工を1回の投入で行える。架木や壁板など同一形状の部材の加工で、宮大工の熟練技術を要する部材や多段階の工程が必要な部材を一工程で高精度に加工できるようになった。機械加工の省力化により宮大工は本来の作業に人員を振り向けられるようになった。

  • 加工機新型多軸木工加工機6軸モルダー

新しい製品・サービス:6軸同時加工が可能な新型多軸木工加工機

事業の効果

  • 加工工程数 3台→1台

機械加工部門の精度向上と省力化により社内の生産力が向上した。熟練の宮大工でなければできなかった作業を他の作業員が行えるようになり、熟練工は本来の強みである技術を要する業務に専念できるようになった。天童市の本久山常安寺五重塔建築工事(高さ32.7m、屋根は約11m四方)では、青森産ヒバの加工で精度の良い部材と省力化を実現し、材料の組合せ期間も短縮して工期内に組み上げた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業70年の社寺建設を主体に、原木製材から現場完成まで一貫して行ってきた歴史と、今回の多軸加工機導入の位置付けが明確に記載されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    社寺建設が9割超で仕事の完成度が次の紹介につながるという強みは読み取れるが、市場動向や競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    熟練宮大工の不足と機械加工の多段階化という課題を示し、多軸機導入と刃物整備による大手の大工加工請負拡大という方向性が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    目標値として売上や付加価値額の数値は示されておらず、高付加価値・賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    熟練工の人数減少に対し、他の作業員が作業できるようになったという成果があり、体制面の記載はあるが人員計画は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    社寺建築の精度と工期内完成という価値、顧客からの紹介という選ばれる理由が書かれているが、ターゲットの詳細は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    刃物を順次整備し外部へのアピールと加工実績の積み重ねを図るという段階的な進め方が書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木造社寺建築の加工機で高精度を求める分野だが、一般的な普及度や高価格化の水準については記載がない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    伝統構法の継承や若手育成に触れているが、波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    工程が3台から1回の投入に減ったという定性的な効率化はあるが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新加工機の活用は書かれているが、デジタル技術によるサプライチェーンや地域イノベーションへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山形県酒田市の企業で天童市の五重塔建築を手がけた事例があり地域性はうかがえるが、地域経済への牽引効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

多軸加工機の次の段階として、部材に応じて異なる刃物を順次整備し(今回は直径6cmの刃物、今後は75cm、8cmなど)、自社受注物件の材料加工を拡充するとともに、外部にもアピールできる体制を作って機械加工部門の拡大を図る。また、大手企業の大工加工請負部門の拡大を目指す。若手の宮大工育成にも努め、伝統技術を後世に伝えていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。