ものづくり補助金平成25年度製造業京都府

射出成型機導入による金型製作工程プロセス改善事業

株式会社山城金型

成果金型製作の評価期間 30日→7.5日

この事例のポイント

  • 金型の評価を取引先の成型メーカーに依存しており、自社に成形のノウハウが蓄積されていなかった。
  • 当初は金型試作力向上のため3Dプリンターの導入を検討したが、金型強度の検証が十分にできないことが分かり断念した。
  • 金型製作の評価期間 30日→7.5日。自社で成型品評価を行えるようになり、成型段階の問題を自社で早期に発見・解決できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山城金型
所在地京都府 京田辺市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数10人
資本金1億円
設立1977年

事業の背景

当社は創業以来、小型精密機器のプラスチック射出成型金型を専門に製作してきた。携帯電話やカーナビゲーションなどはモデルチェンジの周期が短くなり、金型製作期間の短縮が求められている。また、部品形状の複雑化による加工精度向上の要求と、海外金型メーカーとの価格競争による低コスト化の必要にも迫られている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能金型の評価を取引先の成型メーカーに依存しており、自社に成形のノウハウが蓄積されていなかった。
  • 納期・工程金型製作後に取引先の射出成型機で成型品評価を行うため、取引先の稼働状況により評価までに時間がかかっていた。
  • 納期・工程成型品評価と金型修正の繰り返しにより、製品によっては30日もの日数を要していた。
  • 品質・精度高度で複雑化する顧客ニーズに応えるため、高品質な成型品を作る技術と成型ノウハウが求められていた。

やったこと

当初は金型試作力向上のため3Dプリンターの導入を検討したが、金型強度の検証が十分にできないことが分かり断念した。その後、成型品を実際に成型して金型を評価する方針とし、射出成型機を導入した。導入にあたりプロジェクトチームを立ち上げ、大きさや設置場所、使用方法などを検討し、付随部品と合わせて設備を購入した。導入後は自社内で成型品評価を行い、金型完成に合わせて評価と修正を進められるようにした。

加工機射出成型機
その他射出成型機の付随部品

事業の効果

  • 金型製作の評価期間 30日→7.5日

自社で成型品評価を行えるようになり、成型段階の問題を自社で早期に発見・解決できるようになった。評価と修正の繰り返しが減り、金型製作のリードタイムが大幅に短縮された。その結果、残業や休日出勤が減り、急な受注にも対応できるようになり、研究開発的な仕事の受注にもつながった。さらに成型品評価のノウハウが蓄積され、材料や成型方法を顧客に提案できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は取引先の成型機に依存していた評価を自社で行う方針に切り替えた経緯が書かれ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    最終ユーザーと成型品メーカーからの信頼向上が必要と述べ、自社の成型ノウハウ不足という弱みを認識しているが、競争優位の説明は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    成型評価と金型修正の繰り返しで30日を要した課題を認識し、自社評価で4分の1程度に短縮と具体的な数字で解決策を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    30日を4分の1程度に削減すると目標効果が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    プロジェクトチームを立ち上げ慎重に機器を調査したとあるが、人材や事務処理能力の確保状況は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    短納期・精度の高い金型成型品の提供と成型メーカーへの提案力の向上を述べ、顧客の課題に応える価値が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の評価ノウハウ蓄積や提案の拡大など今後の展開が書かれるが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    プラスチック射出成型金型は一般的な分野で、同分野での高付加価値化の水準を示す記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外の金型メーカーとの価格競争や国内の複雑化したニーズへの対応が背景として書かれるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    30日を約4分の1に減らしたと効果は示されるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自社で成型評価を行う工程改善が書かれるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    京都府京田辺市の所在地は書かれるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

短納期での金型製作と製品提案力の向上を活かし、今後はより多くの企業に知られ、研究開発まで含めたパートナーとして選ばれることを目指す。また設備の自動化による生産性向上と雇用環境の改善に取り組み、日本らしいモノづくり企業としての地位を築くことを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。