ものづくり補助金平成24年度佐賀県

海外市場向け新聞搬送センターグリップキャリヤの開発

西研グラフィックス株式会社

成果チェーン破断張力 7,300N→8,900N

この事例のポイント

  • 海外では多ページ新聞の搬送ニーズがあるが、現在の8.5インチグリッパーでは高速かつ正確な把持が困難な場合がある。
  • グリッパーピッチ3インチのセンターグリップキャリヤを開発し、海外での多ページ新聞搬送に対応するグリッパーとチェーンを試作した。
  • チェーン破断張力 7,300N→8,900N。3インチのセンターグリップキャリヤにより、海外の多ページ新聞に対応できる見込みが立った。

事業者のプロフィール

事業者名西研グラフィックス株式会社
所在地佐賀県 神埼郡吉野ヶ里町
業種生産用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数106人
資本金4,500万円

事業の背景

当社の8.5インチセンターグリップキャリヤは国内市場でシェア70%以上を獲得し、年間約60ラインを受注して年間売上は約8億円である。海外では地域によって新聞のページ数が国内の2倍以上(100ページ以上)になり、従来の8.5インチタイプでは対応が難しい場合がある。インドでは新聞発行部数が毎年10%伸び、中規模以上の印刷工場で搬送用キャリヤの導入が拡大しており、増設・更新の予定は年間40〜55ラインに上ると予想されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術海外では多ページ新聞の搬送ニーズがあるが、現在の8.5インチグリッパーでは高速かつ正確な把持が困難な場合がある。
  • コスト・採算現行のグリッパーピッチでは把持能力に加えてコスト面でも海外市場で課題がある。

やったこと

グリッパーピッチ3インチのセンターグリップキャリヤを開発し、海外での多ページ新聞搬送に対応するグリッパーとチェーンを試作した。チェーン・グリッパーのモデル製作と評価、駆動装置・載荷装置・レール・テストコースの設計と試作を行い、性能検証用のテストコースを完成させた。チェーン・グリッパーの樹脂金型を製作して成型検証も実施した。佐賀県工業技術センターの引張り試験機でチェーンの破断張力を測定し、100ページ新聞での引抜きテスト、800時間の連続運転による耐久試験、駆動装置の固有振動数の測定を行った。

  • その他テストコース駆動装置・載荷装置・レール等
  • 金型チェーン・グリッパー樹脂金型

新しい製品・サービス:3インチセンターグリップキャリヤ

事業の効果

  • チェーン破断張力 7,300N→8,900N
  • 販売価格(1ラインあたり) 40百万円→25百万円

3インチのセンターグリップキャリヤにより、海外の多ページ新聞に対応できる見込みが立った。チェーンの破断張力は従来より向上したが、目標には届かなかった。耐久試験では800時間の連続運転で耐久性に問題がないことを確認し、新聞の把持力は8.5インチと同等であることを確認した。販売価格を下げることでインド・中国・欧州などの海外市場で新規の受注を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性海外では多ページ新聞に8.5インチでは把持が困難とあり、ヨーロッパ製との比較で『メンテナンスが容易で故障が少ない』評価を得ている点が強みとして示される。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標インド市場で年間10ライン、欧州・中国等で年間5ラインの受注見込みと数字が示され、価格は4.0百万円から約5百万円/ラインと示される。ただし高付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け既存の納入実績、ヨーロッパ製との比較評価、インド新聞発行部数の年10%増など、ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性国内の8.5インチキャリヤでシェア70%以上、年間約8億円の売上があるとあり、既存事業の延長として海外展開が位置付けられている。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    国内の8.5インチキャリヤでシェア70%以上、年間約8億円の売上があるとあり、既存事業の延長として海外展開が位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外では多ページ新聞に8.5インチでは把持が困難とあり、ヨーロッパ製との比較で『メンテナンスが容易で故障が少ない』評価を得ている点が強みとして示される。

  • 課題の認識と解決3

    把持力や価格面の課題を認識し、3インチ化で開口部を広げてコストダウンする方針は示されるが、高付加価値化の具体的な計画は薄い。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    インド市場で年間10ライン、欧州・中国等で年間5ラインの受注見込みと数字が示され、価格は4.0百万円から約5百万円/ラインと示される。ただし高付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    試作や試験の工程は書かれているが、人材や事務処理体制について事例紹介には具体的な記述がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    既存の納入実績、ヨーロッパ製との比較評価、インド新聞発行部数の年10%増など、ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    チェーン破断張力は目標12000Nに届かず形状見直しを行うとし、100ページ搬送の把持力は今後検証が必要と課題と解決方法が明示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    多ページ新聞搬送という分野で、3インチ化により海外市場を狙う点は示されるが、普及度や高付加価値化の度合いは数字で示されていない。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    海外の新聞印刷工場の増設・更新需要や国内の雇用効果への言及は薄く、国が補助する積極的な理由は読み取りにくい。

  • 費用対効果3

    補助事業後の売上想定375百万円は示されるが、補助金額に対する費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    海外の新聞印刷需要拡大を狙う点はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

インド市場で年間10ライン程度、中国・東南アジアの更新需要や欧州・北米での受注も見込んでおり、年間15ライン販売で375百万円の売上を想定している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。