ものづくり補助金平成27年度製造業群馬県

3色成形機とヒート&クール技術を組合せた自動車用照光式SW 成形品の開発

株式会社富士精工

成果3色成形の一工程のサイクルタイム 60秒→70秒

この事例のポイント

  • 自動車部品業界では、インジケーター付照光式スイッチはインジケーター部を別に成形し別工程で組み立てる必要があり、工程・工数時間の削減やコストダウンが困難である。
  • 3色成形機とヒート&クール技術を組み合わせ、白色文字部、黒色ケース部、透明インジケータ部を高品位に一体成形する技術開発に取り組んだ。
  • 3色成形の一工程のサイクルタイム 60秒→70秒。試作品には文字の歪みや変形の不具合が発生せず、想定に近い良好な外観とレンズ部の成形を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社富士精工
所在地群馬県 太田市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数103人
資本金9,000万円
設立1978年

事業の背景

当社は自動車部品メーカー向けの金型供給が事業の半分以上を占め、単色成形の内外装部品金型や2色成形の自動車用スイッチ関連金型の設計・製造も担っている。国内需要は低迷し為替の影響も受けて売上高は減少傾向にあるが、米国での売上は堅調で、設備投資や研究開発予算は増加傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車部品業界では、インジケーター付照光式スイッチはインジケーター部を別に成形し別工程で組み立てる必要があり、工程・工数時間の削減やコストダウンが困難である。
  • 新製品・新技術部品メーカーは革新的な工程改善・部品改革が求められており、当社も複雑・高品位部品向けの金型メーカーとして地歩を確立するため、この分野の技術開発に挑む必要があった。

やったこと

3色成形機とヒート&クール技術を組み合わせ、白色文字部、黒色ケース部、透明インジケータ部を高品位に一体成形する技術開発に取り組んだ。2色成形機+単独射出ユニットを組み合わせた型締力250tの射出成形機を導入し、一次・二次・三次成形のランナー取り出しと製品取り出しのために取出機と取出ロボットを導入した。高意匠外観面をH&C成形で実現するため、電気式ボイラーとH&Cバルブコントローラー、金型温度調節機2台を導入した。過去に実施した疑似3色成形テスト型を進化させ、文字成形品を一次成形、ケースをH&C成形で二次成形、三次成形で完成させる3色成形検証金型を製作した。

加工機型締力250t 2色電気式射出成形機+単独射出ユニット
加工機取出機
ロボット取出ロボット
その他電気式ボイラー
その他H&Cバルブコントローラー
その他金型温度調節機(2台)

新しい製品・サービス:自動車用照光式SW(インジケーター付照光式スイッチ)の一体成形品

事業の効果

  • 3色成形の一工程のサイクルタイム 60秒→70秒

試作品には文字の歪みや変形の不具合が発生せず、想定に近い良好な外観とレンズ部の成形を達成した。工程・工数削減、歩留率向上、サイクル時間短縮の効果が期待される。サイクルタイムは目標の60秒に対し70秒で、成形条件の最適化などが今後の課題として残る。展示会出展や既存取引先を通じた新規受注、タイ現地法人からの金型受注にも取り組んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去に疑似3色成形テスト型を進化させた取組が書かれ、金型事業の中で2色成形スイッチ関連金型も手がけてきたことがうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車部品メーカー向け金型供給が事業の半分以上を占めることや、米国売上は堅調だが国内は低迷との動向調査結果が書かれ、外部環境と強みの関係は読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    インジケーター付照光式スイッチの課題として工程・工数削減、コストダウンの困難が挙げられ、工程・工数削減や歩留率向上を狙う計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    サイクルタイムは目標60秒に対し実績70秒と書かれ、目標値はあるが未達で、賃上げや付加価値額の目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    当社の金型技術や成形工場でのグループ会社の試作・成形体制が書かれているが、人材や事務処理能力に関する記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車部品メーカー車載事業部への動向調査や、自動車市場を睨んだ試作であることは書かれるが、顧客ターゲットの価値の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    成形条件の最適化やランナー取出タイミングの最適化など今後の課題と検証継続が書かれ、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    インジケーター付照光式スイッチの部品は従来の課題があるとされ、一体成形により工程を改善する点は書かれるが、普及度や認知度の数値は読み取れない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    タイ現地法人からの金型受注やタイ向け輸出が書かれ、拡販の方向性はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果3

    工程・工数削減や歩留率向上、サイクル時間短縮の効果が期待されると書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ヒート&クール技術と3色成形機の組み合わせによる一体成形技術が書かれ、サプライチェーンへの貢献は間接的にうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    自動車部品の高付加価値化と海外展開が書かれるが、日本経済の構造転換に資する分野進出とまでは言えない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

一体型SWの試作開発の受注が期待でき、受注に弾みがつくと予測される。タイ向けの金型輸出を進め、現地ローカルメーカーからの受注拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。