ものづくり補助金平成25年度製造業京都府

新充填機を導入し量り売り品質に近い製品開発と生産体制の構築

合名会社関東屋商店

この事例のポイント

  • 機械詰めは充填時の作業者の練度が必要で、1時間当たり平均50個以下しか充填できない。
  • 現有の充填機に代えて、ピストン式、回転ポンプ式、スクリューポンプ式の3方式を比較・分析し、機械製造元による設置運用とカスタマイズへの全面協力、充填経路の短さによる分解・洗浄性、部…
  • 機械で詰めた味噌が手詰めとほぼ同等の質感に近づき、粘度や粒状の変化が抑えられた。

事業者のプロフィール

事業者名合名会社関東屋商店
所在地京都府 京都市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数7人
資本金1,500万円
設立1928年

事業の背景

当社は弘化4年創業の味噌製造業で、京都市内の著名料理店や菓子匠を主力の取引先とし、一般店は髙島屋や明治屋などの各店舗とも取引している。一般消費者向けには500gの袋詰めが中心だが、店頭では量り売りもしている。「人の手を入れる造り方」は一般消費者にも高く評価され、取扱い店舗数の増加に伴ってカップ詰めや袋詰めの数量が増えてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力機械詰めは充填時の作業者の練度が必要で、1時間当たり平均50個以下しか充填できない。
  • 人手・技能機械操作に熟練を要し、社内で充填操作ができるのは2人のみで、繁忙期に労務負担が偏る。
  • 品質・精度機械充填では充填ライン通過時の練りによって粘度や粒状が変化し、手詰めの食感や風味が損なわれる。
  • 品質・精度現有設備は充填スピードの管理や充填時の空気の過大な混入が難しく、メイラード反応による色調変化が過剰に進む。

やったこと

現有の充填機に代えて、ピストン式、回転ポンプ式、スクリューポンプ式の3方式を比較・分析し、機械製造元による設置運用とカスタマイズへの全面協力、充填経路の短さによる分解・洗浄性、部品構成の少なさ、幅広い粘度範囲への対応を満たすピストン方式を採用し、当社仕様に一部カスタマイズして導入した。圧縮空気の流入口にゲートバルブを新たに設置して空気流入割合を調節し、数値化して誰にでも調整できるようにした。粘度計を導入して味噌の粘度を計測・蓄積し、充填する味噌ごとの粘度を数値化して機械詰めの速度調整の基礎とし、充填前工程で品温を調整してロット間の温度変化に対応した。逆流止め充填ノズルを活用し、口付き容器袋(ドイパック)詰めにも対応できるようにした。

加工機ピストン式袋詰め充填機
検査測定粘度計

新しい製品・サービス:逆流止め充填ノズルを活用した口付き容器袋(ドイパック)詰め製品

事業の効果

機械で詰めた味噌が手詰めとほぼ同等の質感に近づき、粘度や粒状の変化が抑えられた。空気流入や速度を数値化して可視化したことで、充填技術が低い従事者でも多種類の充填が容易になり、繁忙期の適切な対応と生産効率の改善が図られた。充填中の糀や大豆の粒状の変化を防ぎ、メイラード反応を遅延させる充填方法を数値で把握できるようになった。株式会社三越伊勢丹のカタログ商品の定番品に採用され、品質力と信用度が高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業弘化4年から「手ま�ひまかける味噌づくり」を守り、量り売り品質を機械詰めへ広げる取組が既存の製法と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    料理店や百貨店との取引、フランス市場への進出は書かれるが、強み弱みと競争優位の関係はやや抽象的。

  • 課題の認識と解決4

    手詰めと機械詰めの食感差、充填数50個以下などの課題を挙げ、充填方式の比較と改良で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    充填技術や生産効率の改善は書かれるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    製造従事者は社長を含め5名で、若手2名が中心に推進すると書かれるが、事務処理能力などは触れられていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    量り売り同等の質感を機械詰めで実現し、三越伊勢丹の定番採用や業務用の小ロット対応など顧客と選ばれる理由が示される。

  • 事業化までの道筋4

    機械据付から本稼働まで9ヶ月の工程、前半の選定と据付、後半の製造試作と品質実証の順が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ドイパックなど口付き容器への対応や、フランスの料理人に評価される点が書かれるが、市場の普及度の数値は示されない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    京都の味噌製造を地域の伝統として示すが、波及効果や雇用創出の具体的な数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    充填数の向上や労務の平準化は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    粘度計の導入でデータを蓄積し数値化する取組があるが、サプライチェーンへの貢献までは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    京都の地下水や比良山系の水を使う地域資源の活用が書かれ、地域の味噌文化との関連がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

全商品の質感の均一化と製造システムの抜本的改善を進め、若手社員の技術力強化と経営基盤の強化を図る。口付き容器袋への対応により取引高の増加とフランス市場を含む輸出先のニーズへの対応を見込む。

  • 目標:作業者の練度に依存し、時間当たり平均50個以下しか充填できない

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。