ものづくり補助金平成25年度製造業京都府

PSA方式 小型水素ガス発生装置の開発

株式会社アドバン理研

成果売上(指数) 100指数(平成25年=100)→115指数(平成25年=100)

この事例のポイント

  • 既存の水素ガス発生装置は構成部品点数が多く用途も限られるため、小型化が進まなかった。
  • 窒素ガス発生装置で培った気体分離技術を応用し、メタンガスを原料とする小型水素ガス発生装置の試作機を開発した。
  • 売上(指数) 100指数(平成25年=100)→115指数(平成25年=100)。供給ガスから99.99%以上の高濃度水素ガスを取り出せるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アドバン理研
所在地京都府 八幡市
業種その他の製造業
技術分野バイオ,材料製造プロセス
従業員数18人
資本金8,000万円
設立1964年

事業の背景

当社の主力は、空気を原料に活性炭で窒素と酸素を分けて窒素ガスを取り出す窒素ガス発生装置で、国内トップの生産台数を誇る。取引先は大手ガスメーカーや産業機械メーカーなど80社以上で、製品はすべてOEMで供給している。一方、水素ガスは自動車エンジンのハイブリッド化の進展、小規模事業所の潜在需要、一般家庭の太陽光発電設置などで今後大きな市場が生まれると予測されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存の水素ガス発生装置は構成部品点数が多く用途も限られるため、小型化が進まなかった。

やったこと

窒素ガス発生装置で培った気体分離技術を応用し、メタンガスを原料とする小型水素ガス発生装置の試作機を開発した。メタンから水蒸気改質反応で生成した改質ガスを、改質器、CO変成器、PSA装置の3つのプロセスで処理し、特殊な吸着剤を使い分けて不純ガスを取り除く方式を採用した。水素製造能力は1~10㎥/hを対象とし、目標サイズは縦900mm×横800mm×高1840mm以内、目標価格は構成部品点数を削減して100万円以下とした。大気中のCO2やCH4、COを回収する技術も組み合わせ、温室効果ガスの回収と貯蔵による環境負荷低減を目指した。

その他制御装置(プログラム制御、タッチパネル方式)
その他空圧システム制御装置(吸着・製品各タンクにガス切替)
その他板金筐体(各制御装置・タンクユニットのコンパクト設置)
その他水素分離タンクユニット
検査測定ガス流量計システム装置
検査測定総合ガス分析装置

新しい製品・サービス:小型水素ガス発生装置(PSA方式、メタンガスを原料とする)

事業の効果

  • 売上(指数) 100指数(平成25年=100)→115指数(平成25年=100)
  • 従業員数 15人→18人
  • 水素ガス濃度 75%→99.99%

供給ガスから99.99%以上の高濃度水素ガスを取り出せるようになった。試作機はパッケージ型で縦1000mm×横600mm×高1135mmに設計し、構成部品点数を削減して目標価格を100万円以下とする方向で、販売価格は精査中である。平成25年から平成28年にかけて売上と従業員が増加した。既に試作機の引き合いを受けており、温室効果ガスの回収と環境負荷低減に貢献する。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    窒素ガス発生装置の専業メーカーとして平成11年に事業転換し、その技術を応用して水素ガス発生装置を開発する流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内トップの窒素ガス発生装置の生産台数や取引先80社以上、特許等14件以上を示し、自社の強みを開発に活かす構図が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    既存水素発生装置は部品点数が多く小型化が進まない課題を挙げ、部品削減と目標価格100万円以下で対応する方針が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    目標価格100万円以下や縦900×横800×高1840mm以内などの目標値はあるが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員は平成25年15人から平成28年18人に増えたと書かれているが、開発人材や事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットとして家畜糞発酵、汚水、自動車ハイブリット化、小規模事業所を挙げ、既に試作機の引き合いがあると書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    開発結果として水素製造能力1m3/h、パッケージ寸法、目標価格の見直しが示されるが、今後のスケジュールや課題解決の時期は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    メタンを原料とする小型水素発生装置は普及が少ない分野で、既存装置の小型化が進まなかった経緯が挙げられている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    温室効果の高いメタンの活用や環境対策、水素エネルギー普及による社会貢献度の高さが述べられているが、雇用創出などの数値は乏しい。

  • 費用対効果2

    売上は平成25年100から平成28年115と示されるが、補助金額に対する費用対効果を読み取れる記述はない。

  • イノベーションへの貢献3

    メタンや大気中のCO2回収・貯蔵技術を組み合わせ、環境負荷低減に貢献する技術構成が示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    水素エネルギー活用システムという成長が見込まれる分野への進出が示されているが、構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及2

    地産地消のエネルギーとして地域資源のインセンティブが期待されると触れるのみで、地域経済への効果は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

開発した小型水素ガス発生装置をベースに、メタンガスを使った小型発電機(燃料電池方式)を開発し、温室効果ガスの回収と無公害発電を実現する計画である。メタンの大気放出対策や自動車のハイブリッド化の普及などで市場は拡大が予測されている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。