ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

樹脂の機能性向上を可能とする多層グラフェン膨化解砕装置の試作開発

株式会社アイテック

この事例のポイント

  • 多層グラフェンはかさ密度が低く取り扱いにくいため、効率よく良好な品質で生産する工程の確立が必要だった。
  • エレクトロニクス分野で需要が増える薄片状黒鉛(多層グラフェン)の生産工程を確立するため、多層グラフェン膨化解砕装置を試作開発した。
  • 多層グラフェンを低密度の状態でも扱えるプロセスを確立し、効率よく良好な品質で生産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイテック
所在地大阪府 堺市
業種生産用機械器具製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数12人
資本金5,000万円

事業の背景

同社はもともとガラス溶解炉を扱っていたが、テレビがブラウン管から液晶などに変わったことで事業の転換が求められた。そこで培ってきた高温高圧技術を生かし、超臨界CO2や超臨界水の装置・設備に活路を見いだした。主力製品は超臨界CO2抽出装置、超臨界水処理装置、微細ドライアイスブラスト洗浄装置、多層グラフェン、ナノジルコニアなどで、主な取引先は化学・電機・食品・材料メーカー、大学、研究機関などである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多層グラフェンはかさ密度が低く取り扱いにくいため、効率よく良好な品質で生産する工程の確立が必要だった。
  • 新製品・新技術ガラス溶解炉を扱ってきた事業は、テレビがブラウン管から液晶などに変わったことで転換が求められていた。

やったこと

エレクトロニクス分野で需要が増える薄片状黒鉛(多層グラフェン)の生産工程を確立するため、多層グラフェン膨化解砕装置を試作開発した。グラフェン層間に分子を挿入して剥離する方法を採用し、膨化解砕によって低密度の原料でも効率よく処理できるようにした。製品は商標「iGurafen」として提供し、各社で評価を受けた。

  • 加工機多層グラフェン膨化解砕装置

新しい製品・サービス:多層グラフェン「iGurafen」

事業の効果

多層グラフェンを低密度の状態でも扱えるプロセスを確立し、効率よく良好な品質で生産できるようになった。製品は樹脂などに熱や電気伝導性を付与する用途で各社に提供され、その伝導性について高い評価を得ている。生産工程の安定化により、取り扱いの難しさという課題が解消された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    高温高圧技術を基に超臨界設備や多層グラフェンへ転換した経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ガラス溶解炉からの転換を経て、超臨界CO2装置やナノ材料で引き合いが多いと書かれ、強みを活かした競争優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決2

    ブラウン管から液晶への市場変化という課題認識はあるが、事業計画や成長目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員12名、エンジニアリング能力を重視する体制が示されるが、補助事業の遂行体制は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    iGrafenは伝導性に高い評価を得ており、エレクトロニクス分野の熱や電気伝導性ニーズという対象が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    ナノ材料の応用製品開発やサービス展開は書かれるが、スケジュールや課題解決方法は記載がない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    多層グラフェンは扱いにくい材料で、低密度処理の独自プロセスにより高品質生産を確立したと書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    エレクトロニクス分野の樹脂機能性ニーズに触れるが、経済波及や雇用創出への言及はない。

  • 費用対効果2

    高効率で良好な品質を確保したと書かれるが、補助金額や付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    超臨界CO2の脱溶剤・環境負荷低減への寄与が書かれ、環境面の貢献がうかがえるが、サプライチェーンへの言及は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    多層グラフェンやナノ材料といった新分野への展開が書かれ、構造転換との関連がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    堺市を拠点とする企業として記載はあるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

事業者の声

「マニュファクチャリングを追求するのではなく、研究開発の領域でサービスを付加し、技術供与や連携することが企業としての生き残り策になる」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。