ものづくり補助金平成24年度徳島県

竹素材を工業用途に広く利用するための高能率で安価な竹粉の一次、及び二次加工機の開発

株式会社バンブーケミカル研究所

この事例のポイント

  • 市販の竹チッパー装置は、出来た竹粉の寸法バラツキが大きい。
  • 竹を簡単な工程で構成される小型で安価な機械で高能率に加工するため、自動竹粉作製装置を開発した。
  • 目標としていた200μmの竹粉の微粉砕が可能になり、試作機の開発と稼働テストを通じて微粉砕化と品質の安定化の技術の見極めを完了した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社バンブーケミカル研究所
所在地徳島県 阿南市
業種生産用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数3人
設立2010年

事業の背景

低炭素社会の実現に向けて、食用と競合しない樹木や竹からのバイオマス材料の利活用が注目され、一部の分野では商品化と実用化が始まっている。徳島県は森林や竹林の面積比率が他県より高いが、竹林の価値が昔に比べて低下し、従事者の高齢化も伴って未管理のまま放置され、環境の悪化や里山の崩壊が進んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度市販の竹チッパー装置は、出来た竹粉の寸法バラツキが大きい。
  • 生産能力市販の竹チッパー装置は生産性が低い。
  • その他市販の竹チッパー装置は稼働中の騒音が極端に大きい。

やったこと

竹を簡単な工程で構成される小型で安価な機械で高能率に加工するため、自動竹粉作製装置を開発した。従来の他社製機械と比べて、自動化対応、生産能率、静音性で優位性を確保している。二次微粉砕機では、従来の小型で高い生産性という開発コンセプトを踏襲し、200μm以下の粒度を安定的に加工できる装置の開発に取り組んだ。基本設計では基本構成を練り直して基本構想案を決定し、機械部品の加工と市販品の購入、機械の組立と調整、稼動テスト、特許出願の可能性検討、評価とまとめを実施した。

加工機自動竹粉作製装置
加工機竹粉二次微粉砕機

新しい製品・サービス:小型竹粉作製機および竹粉二次微粉砕機(200μm以下の竹粉を安定して加工する装置)

事業の効果

目標としていた200μmの竹粉の微粉砕が可能になり、試作機の開発と稼働テストを通じて微粉砕化と品質の安定化の技術の見極めを完了した。本格的な販売は3年目から始め、3台、4年目に5台、5年目に10台の販売を計画している。量産段階の標準価格は150万円(税抜き)で、従来機に比べて約30%の低価格化を実現できる見込みである。竹粉だけでなく健康食品やウッド(木質)プラスチック製品など、販売対象の分野も拡大する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    竹粉の一次・二次加工機の開発という方向性はうかがえるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    従来機と比べ自動化・生産能率・静音性で優位性を確保したと書かれ、約30%の低価格化も示されているが、市場動向との関係は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    竹林放置や里山崩壊という課題は触れられているが、高付加価値化・成長につながる事業計画としての具体性は乏しい。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    3年目3台、4年目5台、5年目10台の販売台数計画と150万円の販売価格が具体的に示されている。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数3人と書かれているのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    竹粉を樹脂成形品等に利用する用途や、約30%低価格という選ばれる理由は読み取れるが、顧客ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    市場再調査、営業準備、量産化設計、数台のテスト販売を経て3年目から本格販売するという段階的スケジュールが示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    竹粉の工業利用は一部で実用化が始まった段階と書かれ、従来機比で約30%低価格化という高付加価値化の内容が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    竹林放置による環境悪化や里山崩壊への対策、地方創生につながると書かれているが、経済波及の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    材料コスト低減と約30%の低価格化が示されるが、補助金投入額に対する付加価値や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    低炭素社会やバイオマス材料の文脈は触れられているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    低炭素社会に向けた再生可能資源としてのバイオマス材料利用という方向性は示されるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及4

    徳島県の竹林問題を背景に、地域の未利用竹資源を活用し地方創生につなげる事業と明確に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本格販売は3年目から。市場の再調査や顧客獲得の営業準備、量産化設計、数台のテスト販売を経て、竹粉を利用する製品を生産する企業へ販売し、竹以外の製品分野にも広げる計画。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。