ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

地元特産のいちじくを使った環境と体に優しいスィーツの開発と販売

みどり製菓株式会社

この事例のポイント

  • 地方素材を使った新しい菓子の開発を進めたいが、ドーナツや焼き菓子の製造ノウハウがなかった。
  • 大阪府立大学と連携し、羽曳野産いちじくを使った焼き菓子「大阪いちじくドーナツ」の開発に取り組んだ。
  • 皮ごと使えるタルトの開発により、いちじくの収穫期の偏りや保存の難しさ、皮むきの手間などの課題が解消され、環境と体に優しいスイーツの原料を作れるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名みどり製菓株式会社
所在地大阪府 大阪市
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数39人
資本金1億円
設立1959年

事業の背景

昭和34年に創業し、京菓子をルーツとする半生菓子を主に地元の菓子問屋に卸してきた。平成に入り小売店や商店街の活気が失われ、人々が消費する場所が駅やテーマパークなどに変わったと感じたことから、地方素材を使った菓子作りやOEM生産にも取り組み、市場の新規開拓を目指した。現在は大阪府立大学と連携して商品開発から販売促進までを進めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術地方素材を使った新しい菓子の開発を進めたいが、ドーナツや焼き菓子の製造ノウハウがなかった。
  • 生産能力焼き菓子を量産するための機械がなく、均一で迅速な生産体制が整っていなかった。
  • 集客・繁閑いちじくは収穫期が偏り保存も難しく、農家が消費しきれない問題を抱えていた。

やったこと

大阪府立大学と連携し、羽曳野産いちじくを使った焼き菓子「大阪いちじくドーナツ」の開発に取り組んだ。タルト生地には同大学の農場で採れた紫芋を使用し、皮ごと乳酸菌発酵させたいちじくゼリーをのせ、いちじくの形に仕上げた。大学に委託した研究により、乳酸菌を使った安定した発酵技術を得た。補助金で充填成形機を導入し、均一かつスピーディーな量産体制を整えた。

加工機充填成形機

新しい製品・サービス:大阪府立大学との共同プロジェクト「Habikino無花果いちじくプロジェクト」の第3弾商品「大阪いちじくドーナツ」

事業の効果

皮ごと使えるタルトの開発により、いちじくの収穫期の偏りや保存の難しさ、皮むきの手間などの課題が解消され、環境と体に優しいスイーツの原料を作れるようになった。焼き菓子という新分野に進出し、機械導入で均一かつスピーディーな量産体制が整い、今後の商品開発の可能性も広がった。発売から1年で目標の販売数1万2千箱を達成し、従業員が増えて雇用も生まれ、地元農家の活性化にもつながった。全国からOEM生産の依頼も来るようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    京菓子をルーツに半生菓子を作り続け、OEMや市場開拓を経て大阪産商品へ広げた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大阪府立大学との連携や羽曳野産いちじくの活用、大阪産認定など、自社と地域の素材・連携力を活かした差別化が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    農家のいちじくの収穫期偏りや保存難、皮処理の問題という課題を整理し、皮ごと加工の商品で解決する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    初年度1万5千箱の販売目標を掲げ、発売1年で目標1万2千箱を達成したと数字で示されている。付加価値・賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    従業員39名、大学との委託研究体制や連携の記載はあるが、補助事業の事務処理体制については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大阪産認定や地元素材という価値、映画タイアップや道の駅での販路など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ドーナツの型やオーブン新調による量産体制整備と今秋発売の予定が書かれているが、中長期の検証や課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    皮ごと乳酸菌発酵させたいちじくの原料開発など、焼き菓子分野での新しさは書かれているが、普及度や高価格化の水準は明示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    地元農家の活性化、従業員増による雇用創出、地域PRと経済活性化への寄与が具体的に書かれており、地域経済への波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額や投入額に対する付加価値額、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえるのみ。

  • イノベーションへの貢献3

    バイオテクノロジーを用いた乳酸菌発酵技術の開発と大学連携は読み取れるが、サプライチェーン全体のイノベーションとしての記載は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    羽曳野産いちじくを活かした大阪産商品で、地元農家の活性化や雇用創出、地域経済の成長に繋がっている点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今秋発売予定の大阪いちじくドーナツでは初年度1万5千箱の販売を目標とし、ドーナツの型やオーブンを新調して量産体制を整える。今後も地元の産学官連携で地域のPRや経済活性化につなげ、新製品の開発を続ける考え。

  • 目標:発売から1年で目標の販売数1万2千箱を達成

事業者の声

「優しい商品作り」をモットーにしています。創業以来作り続ける季節感溢れる美しい半生菓子のように作り手、消費者、かかわったすべての人の心が豊かで優しい気持ちになれるビジネスができたら、と思っています。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。