ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業大阪府

高性能3Dプリンター導入による機械工具の新製品開発力強化

株式会社エンジニア

成果実物見本の作成期間 5日→2日

この事例のポイント

  • 従来は実物見本の作成に自社製作で5日間、外注で10日間程度かかっていた。
  • CADデータから素早く正確に造形できる高性能3次元プリンターを導入した。
  • 実物見本の作成期間 5日→2日。3Dプリンターの導入により、実物見本の作成期間が大幅に短縮され、新製品の開発時間も2分の1から3分の1に短くなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エンジニア
所在地大阪府 大阪市東成区
業種機械器具卸売業
技術分野立体造形
従業員数33人
資本金2,000万円
設立1948年

事業の背景

1948年の創業以来、電気・電子機器業界のプロ向けに多くの作業工具を手がけてきた。2002年(平成14年)発売のプライヤー「ネジザウルス」は改良を重ね、累計販売は288万本(平成28年7月現在)に達している。ホームセンターを通じて一般消費者にも知られ、自動車板金用や二輪・自転車販売向けにも販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程従来は実物見本の作成に自社製作で5日間、外注で10日間程度かかっていた。
  • 品質・精度精度や強度の面で最終的な削り出しによる作業が削減できず、課題となっていた。
  • 生産能力個別の製品デザインでは場合によって数十例の試作が必要だった。
  • 人手・技能デザイン力や営業力を高める人材育成を進める必要があった。

やったこと

CADデータから素早く正確に造形できる高性能3次元プリンターを導入した。設計から試作品を造形し、実際の使用を検証する試行錯誤を効率化した。実物見本の作成は、従来の削り出しから3Dプリンターによる造形に切り替えた。デザインレビューや特許・意匠の出願時の打ち合わせにも実物見本を用いた。

加工機高性能3次元プリンター

新しい製品・サービス:皿ネジが外せる特殊ドライバー『バズーカ』(2016年3月にケルンの展示会に出展)

事業の効果

  • 実物見本の作成期間 5日→2日
  • 新製品の開発時間が2分の1から3分の1に短縮された

3Dプリンターの導入により、実物見本の作成期間が大幅に短縮され、新製品の開発時間も2分の1から3分の1に短くなった。個別デザインでは、短時間でさまざまな形状を作れるようになり、デザインレビューで妥協のないブラッシュアップができるようになった。開発精度も向上し、特許や意匠の早期出願にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    ネジザウルスの改良と累計販売、3Dプリンター導入による開発工程改善が事業の流れとして書かれ、一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ホームセンター販売や医療・海外展開を狙う記述はあるが、市場動向と自社資源の強み弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    外注10日・自社5日が2日に短縮し、開発時間が2分の1から3分の1に短縮と、課題と効果が数字で示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、販売本数や開発時間の結果のみで目標値の設定はうかがえない。

  • 事業を進める体制3

    社員の半数以上が知的財産管理技能検定の有資格者となったと人材体制の記述があるが、事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ネジザウルスの一般消費者向け認知や自動車板金・二輪向けの用途は書かれているが、顧客ターゲットの整理は十分でない。

  • 事業化までの道筋3

    今後は医療分野や米国・欧州への展開、特許・意匠の保護が書かれているが、スケジュールや解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ネジザウルスの累計販売や医療などのニッチ市場への展開が書かれ、高付加価値の工具という位置づけはうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    工具が製造現場の生産性向上に貢献するとあるが、雇用創出や波及効果の定量的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    開発時間が2分の1から3分の1に短縮と効果は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    高性能3Dプリンターによるデジタル設計から試作までの活用が書かれ、デジタル技術の活用は読み取れる。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大阪の地域性を活かした遊び心のある工具という記述はあるが、地域経済の成長を牽引する具体的な記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は電気や水道の分野、医療などのニッチな市場、米国や欧州への展開を狙う。特許や意匠などの知的財産を守りながらブランド力を高める必要がある。

事業者の声

自分が設計したモノがすぐに目の前にできるので、士気も高まり人材育成にも役に立った

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

東京都卸売業、小売業平成25年度

スライド式ホルダーを採用した床排水トラップの開発

製品形状を円形から正方形に変更し、一軸方向へのスライドで着脱できるスライド構造の床排水トラップ「スライドロック」を開発した。

効果:洗濯機の排水ホース内に残ってしまう排水量を大幅に少なくすることができた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。