ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業奈良県

医療器具卸売業から歯科技工業への新事業進出

この事例のポイント

  • 歯科技工士の成り手不足が問題になっており、技工の作業時間を短くする仕組みが必要だった。
  • 国産メーカーの3Dスキャナー、横軸マシニングセンター、縦軸マシニングセンターを導入し、CAD/CAMシステムを構築した。
  • CAD/CAM冠の製造に転換し、卸売から製造業へ事業を移した。

事業者のプロフィール

所在地奈良県 生駒市
業種その他の卸売業
設立2011年

事業の背景

歯科医療業界の卸売事業を展開していたが、仕入れ価格が高く収益率が低く不安定だった。2014年に保険診療制度の法改正があり、CAD/CAM装置で製作された歯冠補綴物が健康保険の対象となった。全国で約16万件の歯科医のうち8割が技工物を外注に頼っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術歯科技工士の成り手不足が問題になっており、技工の作業時間を短くする仕組みが必要だった。
  • 生産能力卸売事業は仕入れ価格が高く収益率が低くて不安定だったため、事業基盤を安定させる新たな事業展開が必要だった。

やったこと

国産メーカーの3Dスキャナー、横軸マシニングセンター、縦軸マシニングセンターを導入し、CAD/CAMシステムを構築した。3Dスキャナーは支台歯模型の入れ替えが不要で一括計測できるため、作業を大幅に簡略化できた。計測したデータをマシニングセンターへ送ることで作業時間を短縮した。データ管理により仮歯と本歯の誤差がほとんどなく、仮歯の段階で実際の感覚を体験できた。

検査測定3Dスキャナー(国産メーカー)
加工機横軸マシニングセンター
加工機縦軸マシニングセンター
ソフトCAD/CAMシステム

新しい製品・サービス:CAD/CAM冠(CAD/CAM装置を用いて製作した歯冠補綴物)

事業の効果

CAD/CAM冠の製造に転換し、卸売から製造業へ事業を移した。3Dスキャナーとマシニングセンターの導入で作業が簡略化され、作業時間が短縮された。仮歯と本歯の誤差がほとんどなくなり、取引先や患者から好評を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    歯科技工士の資格と他社での修行経験を活かし2011年に創業、2014年からCAD/CAM冠に特化する方針が書かれており、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    2014年の保険適用拡大を機に製造へ進出し、仕入れ価格が高く収益率が低い卸売の課題に言及している。強みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    卸売の収益率が低く不安定という課題認識と、CAD/CAM導入で作業時間が短縮した点が書かれている。成果の数値は示されていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    個人事業主として創業し歯科技工士の資格と修行経験がある点はうかがえるが、体制や事務処理能力の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地域密着の相談窓口を目指すこと、歯科医と取引先からのニーズ、患者からの好評など選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    CAD/CAM導入の時期は書かれているが、中長期の検証や遂行スケジュールの記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    CAD/CAM冠は保険適用の新しい分野とされ、新分野への進出が読み取れるが、普及度の数値などの記載はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    歯の機能と健康への影響に触れ、歯科技工士のなり手不足にも言及しているが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMと3Dスキャナーを用い、データをマシニングセンターへ送って作業を効率化した点が書かれている。地域イノベーションへの広がりは薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    卸売から製造業への転換と歯科医療の法改正への対応が書かれているが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    地域密着の歯科技工所として地域住民の相談窓口を目指す記述があり、地域特性を活かす方向性は読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地域住民の相談窓口となり、歯科医と歯科技工士が連携する新しい事業展開と事業の拡大に取り組んでいく。

事業者の声

歯を治療している人・治療を考えている人に喜んでもらえる歯を作るのが最善と考えている。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。