ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業大阪府

最新キッチン用品の試作品開発と短納期高精度開発システムの構築。

トップ産業株式会社

成果試作品製作時間 10倍→1倍

この事例のポイント

  • 試作品はメーカーに依頼するか社内で手作りしていたため、完成に数ヵ月かかり、良いアイデアを思いついても形にならないことが多かった。
  • 高精細3Dプリンター「AGILISTA-3100」と設計システムを導入し、浮かんだアイデアを形にする時間を大幅に短縮した。
  • 試作品製作時間 10倍→1倍。3Dプリンターの導入により、試作品の製作時間が従来の10分の1に短縮され、アイデアを素早く商品開発に生かせるようになっ…

事業者のプロフィール

事業者名トップ産業株式会社
所在地大阪府 吹田市
業種各種商品卸売業
技術分野立体造形
従業員数71人
資本金8,800万円

事業の背景

同社は消費者の声を反映したアイデア商品の企画・販売を行い、昭和56年から主婦モニター会議を続けてきた。主力商品は包丁「関孫六‐桜オールステンレス」である。家庭用品の市場はアジアの低価格商品に圧迫されて縮小傾向にある一方、高価格でも高品質・高機能な商品には根強い需要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程試作品はメーカーに依頼するか社内で手作りしていたため、完成に数ヵ月かかり、良いアイデアを思いついても形にならないことが多かった。
  • 品質・精度試作品を社内で手作りするとサイズに誤差が生じ、精度が高くなかった。
  • その他家庭用品の国内市場はアジアの低価格商品に圧迫され、市場規模は減少傾向にあった。

やったこと

高精細3Dプリンター「AGILISTA-3100」と設計システムを導入し、浮かんだアイデアを形にする時間を大幅に短縮した。専用ソフトを使い、オペレーターがアイデア立案者と共にフリーフォームで図面を書き上げ、3Dプリンターで試作品を製作する。試作品の製作は従来の10分の1にあたる約1週間に短縮された。完成した試作品はサイズの誤差がほとんどなく高精度で、商品化した時の使用シーンも想像しやすくなった。包丁の柄の形を変えた試作品を何種類か作って比較し、より使いやすい形を開発した。

加工機高精細3Dプリンター「AGILISTA-3100」
ソフト設計システム(専用ソフト)

新しい製品・サービス:柄の形を変えた包丁「関孫六‐桜オールステンレス」の試作品

事業の効果

  • 試作品製作時間 10倍→1倍

3Dプリンターの導入により、試作品の製作時間が従来の10分の1に短縮され、アイデアを素早く商品開発に生かせるようになった。完成した試作品は寸法誤差がほとんどなく高精度で、商品化後の使用シーンも想像しやすくなった。開発会議で出たふとしたアイデアもすぐに形にでき、アイデアの幅が広がった。短期間・低コストで試作品を作れることから、メーカー各社から試作品の生産依頼が相次いでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    主婦モニター会議を昭和56年から続け、消費者の声を商品開発に生かす方針が一貫している。経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    家庭用品はアジア低価格品に圧迫され市場が縮小する一方、高品質品に根強い需要があると述べ、外部環境を踏まえている。自社の強みは概括的。

  • 課題の認識と解決4

    試作品作成に約2ヵ月かかっていた課題を、3Dプリンター導入で約1週間に短縮したと具体的に示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    試作品製作時間を1/10にした実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    3Dプリンターを操作する人材が課題で、現在は社員1名のみ担当とあり、体制の不足がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    主婦モニター5名の意見を反映し、試作品作りで柄や厚みを比較したと具体的に述べ、顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    人材確保に向けて学生2名の採用予定や技術者募集が述べられ、課題と対応策はあるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dプリンターを使った試作の高速化は示されるが、市場の普及度や高付加価値化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    家庭用品の国内市場は縮小傾向と述べ、社会的な雇用や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    試作コストの低減は述べられるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dプリンターと設計システムの導入、大学との共同開発など、デジタル技術と産学連携による開発の仕組みが具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    家庭用品市場の縮小に触れる一方、成長分野への進出や構造転換への言及はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    大阪府吹田市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は社内コンテストや取引先メーカーとの開発会議、教育機関との連携でアイデアを募り、広く商品開発を行う考えである。試作品の生産依頼はビジネスモデルとして新しい経営計画に組み込むことも検討している。技術者を広く募集し、人員確保に急ぐ予定である。

事業者の声

3Dプリンターを導入してから想像以上に商売の幅が広がった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

東京都卸売業、小売業平成25年度

スライド式ホルダーを採用した床排水トラップの開発

製品形状を円形から正方形に変更し、一軸方向へのスライドで着脱できるスライド構造の床排水トラップ「スライドロック」を開発した。

効果:洗濯機の排水ホース内に残ってしまう排水量を大幅に少なくすることができた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。