ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

絶縁樹脂を使用したリアクションプレート締結装置プレス加工への取組

株式会社藤電気

成果不良率 1%→0.5%

この事例のポイント

  • ガラス積層板のプレス加工では加工断面がめくれ上がる層めくれが起き、寸法精度が落ちていた。
  • 淀川区の工場に、大型の45tプレス加工機、自動部品送り機、画像測定器を導入し、社内で高効率・高品質の生産体制を構築した。
  • 不良率 1%→0.5%。プレス加工体制の確立により、加工時間は切削加工の60分の1程度になり、製造コストは5分の1程度に下がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社藤電気
所在地大阪府 大阪市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野接合・実装,複合・新機能材料
従業員数30人
資本金2,000万円
設立1948年

事業の背景

電気絶縁材料の専門商社として昭和23年に創業し、ビニールやガラスファイバーなどの材料卸売を手がけてきた。平成11年に大阪市淀川区に工場を構えて加工業にも本格的に進出し、平成28年6月期の売上高は10億円弱で、加工が40%、商社が60%を占めた。主力のガラス積層板部品は樹脂ながら120~130℃の高い耐熱性を持ち、鉄道、機械、製鉄、化学の業界で使われている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ガラス積層板のプレス加工では加工断面がめくれ上がる層めくれが起き、寸法精度が落ちていた。
  • コスト・採算従来の切削加工は材料を1枚ごとに入れ替えるため工数や人手がかかっていた。
  • 納期・工程協力会社に加工を頼むと品質管理、納期短縮、コストダウンの面で課題が残っていた。

やったこと

淀川区の工場に、大型の45tプレス加工機、自動部品送り機、画像測定器を導入し、社内で高効率・高品質の生産体制を構築した。厚さ2~3mmの樹脂板加工に対応する45tプレス機を使い、新たに導入した画像測定器で積層板断面の仕上がりを検査して金型の劣化を常時監視する仕組みを整えた。プレス加工により、材料を社内で一貫して加工できるようになり、顧客の要望に応じたジャスト・イン・タイムの供給にも対応できるようになった。

加工機45tプレス加工機
その他自動部品送り機
検査測定画像測定器

事業の効果

  • 不良率 1%→0.5%
  • 10分の1mm程度の加工精度を安定的に出すことに成功した
  • 加工時間 60相対値(切削加工=60)→1相対値(切削加工=60)
  • 製造コスト 5相対値(従来=5)→1相対値(従来=5)
  • 納期 2週間→1週間

プレス加工体制の確立により、加工時間は切削加工の60分の1程度になり、製造コストは5分の1程度に下がった。協力会社に頼まず社内で一貫生産できるようになり、納期も短縮された。層めくれが減って加工精度と不良率が改善し、品質が安定した。協力会社との材料支給や製品受け入れに伴う梱包、伝票、検査の手間も減り、合理化の効果が出ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和23年創業の商社から平成11年に加工業へ進出し、今回は自社プレス設備導入で加工機能を強化しており、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    商社と加工の両機能を持つ「いいとこ取り」の強みを示し、受注増や売上前年度比80%増の見通しから競争優位の方向性がうかがえる。

  • 課題の認識と解決5

    層めくれによる寸法精度低下という課題を特定し、加工時間を切削の60分の1、製造コストを5分の1に低減するなど数値で効果を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    売上1,500万円程度(前年度比80%増)、不良率1%から0.5%、納期2-3週間から1-2週間など数値目標が示されている。賃上げ目標は記載がない。

  • 事業を進める体制3

    従業員30名の企業で社内一貫体制を構築したと書かれているが、補助事業を担う具体的な人員配置や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ブレーカー用絶縁部品は月20万枚程度の製造実績があり、リニア式鉄道向け受注の期待など、顧客と需要の裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    国内九州やベトナムでのリニア式鉄道敷設、フィルム材料への対応検討など今後の方向は書かれているが、遂行スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ガラス積層板の厚板プレス加工を社内で行う点は専門性があるが、分野の普及度や高水準の高付加価値化を裏付ける記述は限定的である。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    リニア式鉄道や製鉄所向け部品の供給、東南アジアでの需要増への言及があり、インフラ関連の波及効果がうかがえるが、国が補助する理由までは書かれていない。

  • 費用対効果4

    加工時間が切削の60分の1、製造コストが5分の1に減り、外注の梱包・伝票・検査の手間も削減されるなど、投入に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    画像測定器で断面仕上がりを検査し加工精度を安定させた点はうかがえるが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルへの言及は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    需要拡大が見込まれるリニア式鉄道向けの生産体制を強化しており、成長分野への進出の方向性が読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    大阪市淀川区の工場を拠点とする点は書かれているが、地域の特性を生かした雇用創出や地域経済への効果は記載がない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

リニア式鉄道向けリアクションプレートの受注が今後本格化すると期待され、ブレーカー用絶縁部品も受注が伸びている。今後は電機機器一般や産業用機械、自動車の電装化に伴う需要も見込んでいる。

事業者の声

商社でありながら、加工部門もある

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。