ものづくり補助金平成27年度製造業山梨県

積載型キャンパーの生産プロセス改善による高品質なキャンピングカーの提供

有限会社 ミスティックプランニング

この事例のポイント

  • アルミ溶接は不活性ガスを噴出しながら行う特殊な溶接で熟練技術が求められ、品質の安定化が課題だった。
  • アルミフレーム溶接装置を2台導入した。
  • 新しい溶接装置により、溶接の品質が安定し、熟練者のスキルを再現できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 ミスティックプランニング
所在地山梨県 甲斐市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野デザイン
従業員数25人
資本金300万円
設立1991年

事業の背景

キャンピングカーは高額な費用や維持費、大きさから所有は難しいとされてきたが、近年は手頃な価格で所有できる軽自動車を使ったキャンピングカーが人気を集めている。同社は自動車に着脱可能なキャビンを搭載した「積載型キャンパー」という日本で唯一の技術を持ち、その技術で軽自動車にキャビンを搭載した「軽キャンパー」を製作している。一般的なキャンピングカーは木製が主流で、軽量化のためFRPなど耐久性のないプラスチック樹脂を使うメーカーもあるが、事故時にキャビン部分が跡形もなく吹き飛ぶことも少なくない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度アルミ溶接は不活性ガスを噴出しながら行う特殊な溶接で熟練技術が求められ、品質の安定化が課題だった。
  • 人手・技能溶接は熟練した技術に頼っており、作業の効率化も課題だった。
  • 納期・工程エアーサスペンションを支える厚い鋼材の切り出しには、高速切断機の刃を入れるためドリルで10〜20か所の穴を開ける必要があった。
  • 生産能力内装の寸法直しのために外注し、分解して組み立て直す作業には時間や手間がかかっていた。

やったこと

アルミフレーム溶接装置を2台導入した。新装置は溶接棒の先端の溶滴が必要な分だけ溶けて滑らかに表面にのるため質の高い溶接ができ、最適な溶接条件を記録するメモリー機能により熟練者のスキルを再現できるようになった。2台を同時に使って突合せ溶接を行い、歪みやねじれ、曲がり変形を最低限に抑えた。スーパープラズマ切断機を導入し、エアーサスペンションを支える厚い鋼材をドリルで穴を開けずにそのまま切り出せるようにした。軸傾斜横切盤を導入し、立体的に木材を削り込めるようにして、寸法直しを分解せずに加工できるようにし、家具の内製化も可能にした。

加工機アルミフレーム溶接装置
加工機スーパープラズマ切断機
加工機軸傾斜横切盤

事業の効果

新しい溶接装置により、溶接の品質が安定し、熟練者のスキルを再現できるようになった。スパッタは従来比31%減、溶接金属内のブローホールは従来比54%減となり、品質の安定化を実現した。2台同時の突合せ溶接で歪みやねじれ、曲がり変形を抑え、より高品質なフレーム製作が可能になった。スーパープラズマ切断機で鋼材の穴あけが不要になり大幅な作業時間の短縮と加工精度の向上が実現し、軸傾斜横切盤で家具の内製化と製作の効率化、デザイン性の向上も図れた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    「積載型キャンパー」という独自技術を持ち、軽キャンパーを継続製作している点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    木製・FRP製との違いを示し、アルミフレームとボディパス工法による安全性を強みとして具体的に説明している。

  • 課題の認識と解決3

    溶接の品質安定化と作業効率化が課題だったと記載があるが、高付加価値化・成長につながる計画の数字や道筋は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    今後の需要伸びへの期待や、レンタル事業開始の計画は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    熟練技術者の不足を補う装置導入など体制面に触れるが、人材や事務処理能力の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    安全性とデザイン性、維持費の安さ、20〜30年使える点など選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    新設備導入やレンタル開始、インバウンド向け貸出の計画は示されるが、スケジュールや課題解決方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内でアルミフレームからキャンピングカーを製作する企業は同社だけと明記され、高付加価値の独自性が示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域経済への波及や雇用創出について直接の記述はなく、わずかに需要拡大への言及がうかがえる程度である。

  • 費用対効果2

    投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数字は書かれておらず、溶接不良率の改善数値のみが読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    溶接条件を記録するメモリー機能の導入はあるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山梨県甲斐市に立地し製造を続ける点は読み取れるが、地域の特性を活かした経済成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は新設備を活かしてさらなる高品質化、効率化を進め、キャンピングカーの普及を図るとともに、レンタルキャンピングカーも開始し、インバウンド向けの車両の貸し出しにも取り組んでいく計画である。

事業者の声

アルミを使ってフレームからつくりあげている企業は国内で当社だけです。手間と時間、技術が必要ですが、それだけ高い安全性能を誇っています。今回新たな設備を導入したことで、さらに安全性を高めることができました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。