ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

ボールペンへの高精細・フルカラー・ワイド印刷可能なパッド印刷技術の開発

菊池紙工株式会社

成果印刷範囲 120度→180度

この事例のポイント

  • フルカラー・ワイド印刷が可能な装置を開発する必要があった。
  • 新たなパッド印刷機として6色印刷機を導入し、印刷範囲180度のフルカラー印刷を実現した。
  • 印刷範囲 120度→180度。ボールペンの半周(180度)までのフルカラー・ワイド印刷が可能になり、同業他社が限界とする90度や従来の120度を超え…

事業者のプロフィール

事業者名菊池紙工株式会社
所在地大阪府 吹田市
業種印刷・同関連業
従業員数20人
資本金1,000万円

事業の背景

菊池紙工は50年以上にわたりボールペン印刷を手がけ、主力のパッド印刷では独自の量産技術やフルカラー・ワイド印刷技術を確立していた。主な取引先は株式会社パイロットコーポレーションである。平成22年ごろからシール転写によるペン印刷が普及し、360度をカバーできるため顧客を奪われた。同業他社のパッド印刷は印刷範囲90度が限界とされ、同社は従来120度の印刷を実現していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術フルカラー・ワイド印刷が可能な装置を開発する必要があった。
  • 品質・精度高精細な写真や絵を原画に忠実に再現することが課題だった。
  • 生産能力ボールペンの半周(180度)まで印刷できる能力が必要だった。
  • コスト・採算小ロット受注に対応できるよう低コスト化を実現する必要があった。

やったこと

新たなパッド印刷機として6色印刷機を導入し、印刷範囲180度のフルカラー印刷を実現した。写真を鮮やかに再現する高精細化も果たした。さらに改良を加えた印刷機1台を追加導入し、現在は最大220度までの印刷範囲に対応している。独自仕様の治具や制御ソフトを開発・導入し、版やパッドの検討と作成も行った。エッチング製版やパッドなどの消耗品を内製化し、社内で技術テストを徹底できる環境を整えた。

加工機6色パッド印刷機
加工機改良を加えた印刷機(追加1台)
その他高性能治具
ソフト制御ソフト

新しい製品・サービス:フォイル印刷

事業の効果

  • 印刷範囲 120度→180度
  • 印刷範囲 180度→220度

ボールペンの半周(180度)までのフルカラー・ワイド印刷が可能になり、同業他社が限界とする90度や従来の120度を超えた。写真や絵を原画に忠実に再現する高精細化も実現した。印刷機の改良と追加導入により最大220度まで対応できるようになり、生産の幅が広がった。内製化によって社内で技術開発を徹底的にテストできる環境が整い、低コスト化と短納期化にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成22年ごろからのシール転写普及や、50年以上のボールペン印刷実績を踏まえ、パッド印刷の技術を継続的に磨いてきた経緯が具体的に読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    ペン全周の90度限界に対し180度、最大220度まで印刷範囲を広げ、競合のシール転写に対抗する優位性が数字で示されている。

  • 課題の認識と解決4

    シール転写への顧客流出という課題を認識し、6色印刷機導入や異業種連携でフォイル印刷やウェアラブル製品へ展開する方向が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は示されておらず、わずかに新製品拡販の狙いがうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制4

    社長自らの海外人脈による機械導入や、消耗品の内製化による技術開発体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    曲面の物への高精細・幅広印刷という価値は読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    機械導入後に改良や追加導入を重ねた経緯はあるが、中長期のスケジュールや課題解決方法の記載は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    シール転写やインクジェットに対し、曲面での高精細・幅広印刷で高水準の差別化を図っている点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や波及効果への言及はほぼなく、国が補助する積極的理由はわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果3

    消耗品の内製化によるコスト優位性や短納期化が書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    IoTを取り入れたウェアラブル端末への展開は構想として示されるが、サプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    フォイル印刷やIoT連携による新分野進出の方向性がわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    大阪府吹田市の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は異業種連携も視野に入れ、IoTを取り入れたボールペンなどのウェアラブル端末の開発を狙う。フォイル印刷も見る角度によって輝きを付加できる技術として拡販を狙う。

事業者の声

常に前に進みたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。