ものづくり補助金平成29年度製造業和歌山県

革新的金属3Dプリンターを導入し、金属加工の不可能を可能にする

株式会社ODEC

この事例のポイント

  • 中空構造の金属部品を一体で製造することや、既存の加工法では作れない複雑な形状を実現することが難しかった。
  • 3Dシステムズ社製の金属3Dプリンター「ProXDMP200」を導入し、中空構造のある金属製品を継ぎ目なしで製造できるようにした。
  • 金属加工のノウハウと精密加工設備を生かし、造形から機械加工までを一貫して手がけられることで、既存の3Dプリント受託企業に対する優位性を持つことができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ODEC
所在地和歌山県 和歌山県有田市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,機械制御,精密加工,精密加工,接合・実装,接合・実装,立体造形,立体造形
従業員数40人
資本金2,000万円
設立2003年

事業の背景

平成15年設立の同社は、金属部品を中心に、NC旋盤やマシニングセンター(5軸加工)、ワイヤーカットなどの金属加工を行っている。複合CNC装置や平面研削盤の導入、人材育成によって、加工・仕上げ・品質管理・組み立てのほぼ全工程に対応できるようになった。一方、金属3Dプリンターは国内で導入が進んでおらず、同社は付加価値を大きく高め、国際競争で有利になるため導入を検討した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術中空構造の金属部品を一体で製造することや、既存の加工法では作れない複雑な形状を実現することが難しかった。
  • 新製品・新技術金属3Dプリンターは世界的に注目されているが、国内の導入は約200台程度で中小企業の導入例は少なく、早く操作と活用法を習熟する必要があった。

やったこと

3Dシステムズ社製の金属3Dプリンター「ProXDMP200」を導入し、中空構造のある金属製品を継ぎ目なしで製造できるようにした。導入の目的として、研究開発中の精密機器の製品(部品を含む)の試作、金型の紛失または廃棄した部品の再製作、多品種小ロット生産の三つの要望に応えることを想定した。既存の3Dプリント受託企業では難しい、造形後の機械加工まで自社内で一貫して行い、コスト・納期・品質の面でメリットを出せるようにした。

加工機3Dシステムズ製 ProXDMP200(金属3Dプリンター)

新しい製品・サービス:金属3Dプリンターによる中空構造などの複雑形状の金属部品の一体造形

事業の効果

金属加工のノウハウと精密加工設備を生かし、造形から機械加工までを一貫して手がけられることで、既存の3Dプリント受託企業に対する優位性を持つことができた。その結果、新規開拓による早急な顧客獲得につながった。造形物の機械加工までを自社で担えるため、コスト・納期・品質の面で顧客にメリットを与えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    複合CNCや平面研削盤を段階的に導入して金属加工を強化した過去の投資の延長線上に、金属3Dプリンターを位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    光ファイバー関連の精密加工ノウハウと造形後の機械加工を一貫して行える体制を強みに、既存の3Dプリント受託企業との差別化を図っている。

  • 課題の認識と解決3

    中空構造や複雑形状を既存法で製作できないという課題は認識しているが、付加価値向上の数値目標や具体的な施策は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    人材育成の結果や従業員40名の体制が触れられているが、補助事業を遂行する具体的な役割分担は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    試作、金型部品の再製作、多品種小ロット生産という3つの顧客要望と、機械加工一貫による納期・品質面の差別化が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    宇宙関連など世界市場への参入を試みると述べるのみで、遂行方法やスケジュール、課題の解決策は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金2,000万円の記載はあるが、資金調達の見込みや金融機関との関係については書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    金属3Dプリンターは市場が始まったばかりで国内導入は約200台と少ないと述べ、新市場での先行性がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国際競争での有利さや世界市場参入には触れるが、雇用創出や経済波及効果の記述は見当たらない。

  • 費用対効果1

    補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献4

    金属3Dプリンターによる造形と機械加工を一貫させ、部品組立より安いコストを提案するなど新たな受託の形を取り入れている。

政策面60%
  • 成長分野への進出4

    金属3Dプリンターの市場拡大と航空機・宇宙関連など成長分野への進出を示しており、産業構造の転換への寄与がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    所在地は和歌山県有田市と記載されるが、地域特性を活かした雇用や地域経済への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

金属3Dプリンターの市場は始まったばかりで、数種の部品を組み立てるより3Dプリンターで一体造形した方がコストが安くなる提案もできる。設計から企画まで柔軟な発想力を生かし、自動車や航空機、宇宙関連といった世界市場への参入を試みている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。