ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

パイプなどの局部曲げ加工における長さ精度の向上を可能とする加工機の開発

株式会社サン機工

成果外注比率 30%→15%

この事例のポイント

  • 既設のマシニングセンターは30年以上前に導入したもので、ここ数年は精度を出すために後加工を工夫するなど苦労していた。
  • 補助金を活用して最新の立型マシニングセンターを導入し、高精度で生産効率の高い加工に取り組んだ。
  • 外注比率 30%→15%。高精度で生産効率の高い加工技術を社内に得たことで、これまで必要だった後加工の負担が軽減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サン機工
所在地大阪府 富田林市
業種生産用機械器具製造業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数18人
資本金1,000万円
設立1981年

事業の背景

大阪市平野区で昭和56年に創業し、当初は金属加工業を営んでいたが、創業から10年後に取引先からパイプ曲げ機械の製作を依頼されたことを機に、産業機械メーカーへ業態を転換した。主力のパイプ曲げ機「デグリーベンダー」は大手メーカーの生産ラインに納入され、東日本大震災の復興現場でも使われている。10年前に富田林市へ移転して生産スペースを3倍超に広げ、従業員も2倍超に増やした。移転後はリーマンショックによる景気減退局面を迎えたが、設備導入を直前に終えていたため受注に順調に対応でき、業績は伸びた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既設のマシニングセンターは30年以上前に導入したもので、ここ数年は精度を出すために後加工を工夫するなど苦労していた。
  • 新製品・新技術「トリプルベンダー」の試作機を作ったところ、量産には高精度な加工技術が必要だと明らかになった。
  • コスト・採算部品の外注比率が約30%と高く、内製化を進めて外注を減らす必要があった。

やったこと

補助金を活用して最新の立型マシニングセンターを導入し、高精度で生産効率の高い加工に取り組んだ。試作機の段階で明らかになった量産に必要な高精度加工技術を、この新しい機械で実現した。その後、改良型の試作機を製作し、量産に向けて商品の磨き上げを進めた。補助金とは別に小型のマシニングセンターも同時に導入し、若手社員が使っている。

加工機立型マシニングセンター

新しい製品・サービス:パイプを把持せずに加工できる新しい曲げ機「トリプルベンダー」。後工程での切断を要せず材料を無駄にしない。省エネルギーでコンパクトで、連続曲げ加工にも適している。

事業の効果

  • 外注比率 30%→15%

高精度で生産効率の高い加工技術を社内に得たことで、これまで必要だった後加工の負担が軽減された。部品の内製化率も高まり、外注比率は約30%から半減できそうだとしている。当然利益率も高まり、前期決算は好調で社員に決算賞与を支給できた。社員は新製品へのアイデア出しに労力を振り向けられるようになり、技術者の創意工夫や次世代の育成にも効果が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和56年創業から産業機械メーカーへ転換し、長年温めたベンダー構想をトリプルベンダー開発に結びつけた経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の依頼に応じる一品モノに加え一、二年に一度カタログ製品を作る方針が読み取れるが、市場動向との比較や競争優位の根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    既設MCが精度出しに後加工を要した課題を認識し、新MC導入で外注比率約30%を半減できる見込みと具体的な数字が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    外注比率半減や利益率向上の見込みは書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    若手社員がMCを使う体制や後継者育成への取り組みは書かれているが、事務処理能力や遂行体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    トリプルベンダーの特徴や商品化前からの問い合わせが書かれ、顧客ニーズの裏付けはあるが、ターゲット顧客の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作から改良型試作、年内の商用機完成という見通しと次の開発構想が書かれているが、課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    パイプを把持せず加工する革新的な機構で、材料を無駄にしない独自性が特徴として具体的に示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    東日本大震災の復興現場で活躍すると触れられているが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    外注比率半減や利益率向上、累計約2,000台の実績は示されているが、補助金投入額との費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新MCで若手がキーボード入力に慣れた世代として活躍する点がうかがえるが、デジタル技術によるサプライチェーン貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    産業機械メーカーとしての業態転換や新製品開発は書かれるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    大阪府富田林市での移転と従業員増員は書かれるが、地域の特性を活かした地域経済牽引についての記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

年内に発売を予定する「トリプルベンダー」の拡販に取り組み、次に開発するベンダーの構想にも着手している。事業承継を見据え、リーダー候補の育成を進めるとともに、今後は現場から積極的にアイデアが出る仕掛け作りに取り組んでいる。

事業者の声

設計の仕方も従来とは変わってきた

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。