ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

LED-UV乾燥装置の導入による印刷事業における新分野進出及び高品質化計画

株式会社TOWA

この事例のポイント

  • チラシやパンフレットなど販促印刷物の需要は減少傾向にあった。
  • 取引先の要望をきっかけに、主力の印刷事業へLED-UV乾燥装置を導入した。
  • 印刷物の乾燥時間は、従来の片面6時間、両面12時間からほぼゼロになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社TOWA
所在地大阪府 東大阪市
業種印刷・同関連業
従業員数75人
資本金3,000万円
設立1983年

事業の背景

1983年(昭和58年)に印刷業で創業し、1989年(平成元年)に東和印刷株式会社を設立した。デジタル設備や自動機を導入して成長し、セールスプロモーションやホームページ作成など周辺サービスへも多角化を進めていた。その後、周辺事業を手仕舞いして印刷事業を強化し、2020年(令和2年)にビジネスホテルの清掃事業へ参入した。現在の売上高比率は印刷業が約70%、清掃事業が約30%である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信チラシやパンフレットなど販促印刷物の需要は減少傾向にあった。
  • 品質・精度高単価な印刷物やパッケージなどへの参入には品質と生産性の向上が必要だったが、それが壁となっていた。

やったこと

取引先の要望をきっかけに、主力の印刷事業へLED-UV乾燥装置を導入した。従来の水銀式UVシステムに比べてコンパクトで高出力なLED式を採用し、インキを瞬時に強制乾燥・硬化する工程を構築した。これにより、従来は片面6時間、両面12時間かかっていた乾燥工程をほぼゼロにした。自然乾燥で必要だった紙と紙の間隔を空けるためのスプレーパウダーも不要になり、作業環境が改善した。

その他LED-UV乾燥装置

事業の効果

印刷物の乾燥時間は、従来の片面6時間、両面12時間からほぼゼロになった。紙と紙の間隔を空けるスプレーパウダーも不要になり、作業環境が改善した。品質が高まったことで、チラシなど低単価の印刷から撤退し、カタログやポスターなど付加価値の高い印刷物へシフトした。さらにパッケージ分野へ新規参入し、裏付きやこすれ、傷などの不良品も抑制できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成25年度のLED-UV乾燥装置導入による印刷事業の高品質化・パッケージ分野進出が記載され、主力印刷事業の強化という流れは読み取れるが、事業計画全体との一貫性までは示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内印刷事業者約2万3000社のうち10数社しかできない薄さ0.9mm段ボールへのオフセット印刷が強みとして具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    乾燥時間が片面6時間・両面12時間からほぼゼロになり、チラシ等低単価印刷から撤退して付加価値の高い印刷へシフトした課題解決が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    乾燥時間が瞬時になったことや経常利益を前期比600%に引き上げた実績はあるが、補助事業の付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    技術担当の専任者を置き企画から加工・納品まで一貫対応する体制や社員育成の取組は書かれているが、補助事業遂行の人員や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質が要求されるパッケージ印刷や結婚式招待状・高級カタログなど顧客ターゲットと、取引先要望に応える差別化の理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    パッケージ分野への新規参入や高付加価値戦略への舵切りなど方向性はあるが、中長期の検証方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    薄さ0.9mmの段ボール印刷は国内で10数社しかできない特殊技術で、同分野で高水準の高付加価値化を図っていることが示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の印刷業として新規雇用や需要創出に言及はあるが、川上・川下への波及効果や国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    乾燥時間ほぼゼロ化や経常利益の大幅向上など効果は示されているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    8Kカメラによる高速検査ラインやLED-UV乾燥装置の導入が示されるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    商業印刷の縮小とパッケージ分野の底堅さに触れており、成長分野への進出の方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    東大阪市の所在は示されるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後10年で積極的なM&Aを展開し、印刷と清掃の2本柱を5本柱にする目標を掲げている。商業印刷の市場は縮小する見通しだが、パッケージ分野の市場は底堅いと見ている。

事業者の声

「宣伝のデジタル化が進んでもモノは動き続ける」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。