ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

最新鋭工作機械導入による異形精密難削材部品の高品質化と生産性向上による低コスト化

MH精工株式会社

成果バルブ部品の売上高 497万円→1,278万円

この事例のポイント

  • 自動車タイヤメーカーの製造ラインで使うバルブ部品について、品質向上が求められていた。
  • 平成25年度のものづくり補助金を活用し、切削性能を高めた高圧クーラント旋盤を導入した。
  • バルブ部品の売上高 497万円→1,278万円。高圧クーラント旋盤の導入により、バルブ部品の売上が約3倍に増え、取引先の増加が売上を押し上げた。

事業者のプロフィール

事業者名MH精工株式会社
所在地大阪府 東大阪市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数15人
資本金1,200万円
設立1984年

事業の背景

「MH精工」は昭和59年に大阪府東大阪市で「森川金属」として創業し、後継者不足を機に平成26年6月に(株)ハヤシセーラが買収して子会社化した。旧森川金属は月産50〜500個の小・中ロットの生産が多かった。(株)ハヤシセーラは家電や自動車向けの大ロットの仕事が中心で、少量多品種への対応を求めていた。平成24年9月から平成25年8月までの売上高は497万円だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度自動車タイヤメーカーの製造ラインで使うバルブ部品について、品質向上が求められていた。
  • コスト・採算同じバルブ部品の生産でコスト低減も求められていた。切削工程で出る切り粉が刃を痛めるため、高圧クーラントでの加工が必要だった。
  • 生産能力建築現場向けガイドスクリューの需要が急増し、従来の工作機では対応できなくなった。

やったこと

平成25年度のものづくり補助金を活用し、切削性能を高めた高圧クーラント旋盤を導入した。タイヤメーカーの製造ラインに使うバルブ部品の加工に用い、高圧クーラントで切り粉による刃の損傷を抑えた。さらにマシニングセンターと、加工対象物を多角形に切削するポリゴン加工機の計2台を導入し、計1,860万円を投じた。建築現場の高所作業者向け安全ブロックのガイドスクリューを主に加工し、ポリゴン加工機では刀具と加工対象物を同時に回転させながら切削する。

加工機高圧クーラント旋盤
加工機マシニングセンター
加工機ポリゴン加工機

事業の効果

  • バルブ部品の売上高 497万円→1,278万円
  • 工具の交換頻度 20本に1回→40本に1回
  • ガイドスクリューの加工時間 2分→1分

高圧クーラント旋盤の導入により、バルブ部品の売上が約3倍に増え、取引先の増加が売上を押し上げた。刃具の交換頻度が減り、工具寿命も延びた。ポリゴン加工機の導入で、ガイドスクリューの加工時間は2分から1分に半減した。従来取引のなかった建築業界への売り込みも進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    旧森川金属の少量多品種強化とM&A後のグループ展開が書かれ、事業の一貫性はうかがえるが、経営戦略として明確に位置付けた記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    家電・自動車の大ロット仕事に対し少量多品種への対応を補完する意図が書かれ、強みと外部環境への言及はあるが定量的な分析は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    切削時の刃の痛みや高圧クーラントの課題が示され、売上3倍や工具寿命延長も書かれているが、課題認識の詳細は限定的。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    2020年に3億円の売上高目標が示され、売上が497万円から約1,278万円に増えた実績も書かれ、実現の見込みを読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員15名と林社長、社員の金属加工への造詣が書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ガイドスクリューの需要増と建築現場の高所作業者向け安全ブロックという対象、少量多品種・短納期の強みが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    高圧クーラント旋盤の導入や次のポリゴン加工機導入など段階的な計画が書かれるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    計1,860万円の投資額と補助金利用は書かれるが、財務状況や金融機関からの資金調達についての記述は限定的。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    建築現場向けの墜落防止部品という分野で、ガイドスクリューの需要が高まっていると書かれるが、高付加価値化や高価格化の具体的記述は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    東京オリンピック需要や建築ラッシュへの対応が書かれるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由の記述は限定的。

  • 費用対効果3

    加工時間が2分から1分に半減し、売上が約3倍になった実績があるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    建築関連需要への進出や新分野開拓がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    東大阪の中小製造業としての立地や地域の強みへの言及はあるが、地域経済成長への牽引を示す記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2020年(平成32年)の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて建築関連の受注が増えるとみて、2020年に3億円の売上高を目指している。建築ラッシュで需要が高まる建築現場向けの資材の市場開拓を急いでいる。

事業者の声

高圧クーラントはどういった使い方をすれば効果的なのかを突き詰めて考えたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。