ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

生産加工技術簡略化による作業者の育成と作業効率の向上

マツムラ電器株式会社

成果リードタイム 3時間→1時間

この事例のポイント

  • 熟練技能を持つ父親に頼って仕事を続けてきたが、世代交代が近づき、誰でも操作できる自動機械の必要性を感じていた。
  • 補助事業では、最新の曲げ加工機械であるプレスブレーキをオーダーメイドで導入した。
  • リードタイム 3時間→1時間。プレスブレーキの導入により、加工のリードタイムが従来の3~4時間から1時間に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名マツムラ電器株式会社
所在地大阪府 河内長野市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数6人
資本金300万円
設立2003年

事業の背景

鉄道車両の板金部品(扉、窓枠、取っ手、手すりなど)を多品種少量で加工・販売しており、年間の種類は4,000種類にも上る。阪神車両メンテナンス株式会社との取引が最も多く、同社を経由して受注する他の鉄道会社の分を含めると、同社がほぼ100%の納入先である。売上高の残り約10%は民生用・業務用空調機の据付工事が占めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能熟練技能を持つ父親に頼って仕事を続けてきたが、世代交代が近づき、誰でも操作できる自動機械の必要性を感じていた。
  • 生産能力板金加工の段取りや加工に経験と勘が必要で、従来は1つの加工に3~4時間かかっていた。

やったこと

補助事業では、最新の曲げ加工機械であるプレスブレーキをオーダーメイドで導入した。導入機は高さが3m以上あり、同種の機械としては最大クラスで、大型の鉄道車両板金部品もほとんど加工できる。コンピューター数値制御(CNC)付きで、データを入力すれば加工をほぼ自動で行い、金型を機械に記憶させることで多数の金型から正しいものを機械が選ぶ。鉄板の厚みが正しいかどうかも機械が判別し、危険な作業では安全に停止する。同じ仕様の部品は次回から完全に自動化でき、経験や勘が必要だった段取り作業も大幅に不要となった。

加工機曲げ加工機(プレスブレーキ、CNC付き、高さ3m以上)

事業の効果

  • リードタイム 3時間→1時間
  • 同一部品の加工時間 100%→10%

プレスブレーキの導入により、加工のリードタイムが従来の3~4時間から1時間に短縮された。段取り作業が大幅に減り、熟練に頼らなくても加工できるようになった。不良率が低下して生産性が向上し、加工精度も高まってほとんど誤差なく製造できるようになった。油圧装置が必要な時だけ動く節電技術により加工に要する電気代も大きく下がった。加工コストのメリットについては現在分析中である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄道車両の板金部品加工を長年手がけ、前身会社から事業を受け継いだ経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    阪神車両メンテナンスがほぼ100%の納入先で、短納期・低コストの信頼実績が強みとして具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    加工能力の不足やレーザー加工機の外注、段取り作業の負担が課題として示され、新機械導入で対応する流れが読み取れる。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    リードタイムを3~4時間から1時間に短縮、同一部品の加工時間を従来の10分の1とする数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制4

    専務が補助事業の資料を徹夜で作成し採択を得た点や、家族での体制が書かれている。ただし人員や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    多品種少量・年間4,000種類の部品、深曲げ加工による溶接不要の一体成形など、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    レーザー加工機などの導入希望はあるが、中長期のスケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    鉄道車両の板金加工の高水準化をうかがわせるが、分野の普及度や高価格化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や波及効果への言及はわずかで、国が補助する積極的理由は読み取りにくい。

  • 費用対効果3

    加工時間や電気代の低減といった効果は書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC制御や自動化によるデジタル技術の活用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大阪府河内長野市の企業であることは書かれているが、地域の特性を活かした経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当面はレーザー加工機やタレットパンチプレス加工機の導入も考えており、保有していない加工は外注に出している現状から完全な一貫生産体制を築き、納期とコスト競争力を高めて顧客開拓を進める方針である。鉄道会社からの取引先紹介も見込まれ、ビジネスを広げる好機を迎えている。空調機の据付工事も板金加工部品に次ぐ事業の柱として継続する。

事業者の声

新しい機械を操作するのは、とても楽しい。せっかく導入したのだから、もっと仕事を増やしたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。