ものづくり補助金平成25年度製造業大分県

300tフレームベンダーの導入による作業能力の向上

佐伯重工業株式会社

この事例のポイント

  • 船の大型化で型鋼材も大きくなり、既存のプレス機では曲げ加工の対応能力が不足していた。
  • 船舶ボディの骨材となる型鋼材の曲げ加工用に、300tのフレームベンダーを導入した。
  • フレームベンダーの導入により、曲げ能力が大きく向上し、大きな曲線のブロックに対応する骨材を作れるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名佐伯重工業株式会社
所在地大分県 佐伯市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数180人
資本金9,000万円
設立1988年

事業の背景

造船業界は2000年代に韓国や中国が低コストのばら積み船で市場を伸ばしたが、その後は世界的な供給過剰により市況が悪化した。同社は尾道造船の傘下で、国内でもトップクラスの中型船建造数を誇り、中型ばら積み船のほか、カーフェリーやRO-RO貨物船、ケミカルタンカーの建造実績もある。現在は5年先までの商談を確保しているが、市況に左右されないよう取り扱い船種の多角化と体制づくりが求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力船の大型化で型鋼材も大きくなり、既存のプレス機では曲げ加工の対応能力が不足していた。
  • コスト・採算収益確保のためのコストダウンが強く求められていたが、曲げが難しい型鋼材は既存のプレートを切断・溶接してL型の組立材に作り直す必要があり、材料と工程が多くかかっていた。
  • 品質・精度高品質への対応が強く求められていた。
  • 人手・技能熟練工の定年などが重なり、人手不足が深刻化していた。

やったこと

船舶ボディの骨材となる型鋼材の曲げ加工用に、300tのフレームベンダーを導入した。フレームベンダーは一枚のプレートを直接曲げられるため、切断・溶接の工程を減らし、無駄な材料と作業に要する人材も不要になる。導入により、流線型の船底や船首に使う大きな曲線の型鋼材を、組立材を使わずに作れるようになった。

事業の効果

フレームベンダーの導入により、曲げ能力が大きく向上し、大きな曲線のブロックに対応する骨材を作れるようになった。組立材の使用量が減り、作業時間も削減できた。切断・溶接の工程数が減ったことで、材料費と人手を抑えることにつながった。今後はフェリーや大型貨物船の取り扱いの増加に合わせて、この設備が役立つ場面も増えると見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    造船業で高品質対応や中型船建造実績があり、フレームベンダー導入は既存の曲げ加工設備の延長線と読めるが、戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    中型ばら積み船やフェリー等の建造実績、5年先までの商談確保が書かれ、大型船の増加傾向に触れている。強みとしての競争優位性の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    既存機では型鋼材の曲げ能力が不足し、L型組立材への切断溶接で対処していた課題が具体的に示され、一枚曲げによる工程削減が解決策として書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間の大幅削減とあるが、削減率や付加価値額、賃上げの数値目標は書かれておらず、実現可能性を判断する材料は少ない。

  • 事業を進める体制2

    設立や社員数180名は書かれているが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理能力についての記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大型船やフェリーの流線型船体に対応するという用途と、型鋼材の曲げ需要が読み取れるが、顧客ターゲットの整理は書かれていない。

  • 事業化までの道筋2

    今後の機械の能力への期待や取り扱い船種の多角化課題に触れるが、遂行スケジュールや検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    造船業の型鋼材曲げという分野で、高品質化を図る取組とうかがえるが、高付加価値化や高価格化の水準を示す数字は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    造船業界の雇用や地域経済への言及はあるが、川上川下への波及効果や社会インフラとしての必要性は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    作業時間の大幅削減、材料と人材の削減が書かれ効率性はうかがえるが、補助金額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    造船業界の供給過剰や再編の動きに触れ、取り扱い船種の多角化が語られるが、日本経済の構造転換への寄与は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    佐伯市の造船事業所として地域の雇用を支えるとはうかがえるが、地域の特性を活かした経済成長への具体的な寄与は書かれていない。

今後の展望

流線型の船が多いフェリーや大型貨物船の取り扱いが増加傾向にあり、本機が役割を果たす場面はさらに増える見込みである。受注幅の拡大にも貢献する可能性が高い。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。