ものづくり補助金平成28年度製造業三重県

大型プレス加工機を導入し超高張力鋼板の一貫生産体制を構築する

株式会社テイク

成果目標±0.1mmに対し実施結果-0.062~-0.065mm

この事例のポイント

  • 超高張力鋼板(超ハイテン)のボディーフレーム大型部品の加工に対応する必要がある。
  • 大型プレス加工機(1,200tプレス機)を導入し、超ハイテンのプレス加工技術とプレス加工品の成形技術を確立した。
  • 目標±0.1mmに対し実施結果-0.062~-0.065mm。超ハイテンの2種類の部品について、面精度は目標±0.1mm以内で安定して確保できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社テイク
所在地三重県 津市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数20人
資本金300万円
設立1991年

事業の背景

同社は平成3年の設立以来、自動車部品メーカーの開発段階から量産段階までの試作部品製作を主力としている。高張力鋼板(ハイテン)のボディーフレーム部品の加工では取引先から高い評価を受けている。自動車部品は部品点数削減のため一体化(大型化)の傾向にあり、顧客からは超ハイテン部品の一貫生産への要望が強まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術超高張力鋼板(超ハイテン)のボディーフレーム大型部品の加工に対応する必要がある。
  • 生産能力1,200tプレス機を保有していないため、超ハイテンのプレス加工技術と成形技術が確立していない。
  • 生産能力保有する500tプレス加工機では超ハイテンの反発力に対抗できず、プレス加工が現状不可能である。
  • 人手・技能製品が大型で重量も増すため、少人数の作業員では危険を伴う。
  • 納期・工程試作の開発期間短縮が求められているが、金型製作からASSY組付けまでを一貫して請け負う体制がない。
  • 品質・精度製品の大型化・複雑化により基本的な精度の見落としが増える。超ハイテンはハイテンより割れやスプリングバックが多く発生する。

やったこと

大型プレス加工機(1,200tプレス機)を導入し、超ハイテンのプレス加工技術とプレス加工品の成形技術を確立した。検査作業員と作業員を増員し、検査工数の増加と作業の効率・安全性の確保を図った。プレス機と三次元レーザー加工機の担当者を採用して教育し、ハンドワークの教育も行った。金型製作からプレス加工、ASSY組付け、検査・測定までを社内に取り込んだ一貫生産体制を構築した。

加工機大型プレス加工機(1,200tプレス機)
加工機三次元レーザー加工機

新しい製品・サービス:超ハイテンのボディーフレーム大型部品(PROTECTOR、FRAME-SIDE C)の試作・量産試作

事業の効果

  • 目標±0.1mmに対し実施結果-0.062~-0.065mm
  • 目標15.5時間に対し実施結果15時間
  • 目標±0.1mmに対し実施結果+0.046~+0.047mm
  • 製作時間(FRAME-SIDE C) 15時間→8.5時間

超ハイテンの2種類の部品について、面精度は目標±0.1mm以内で安定して確保できるようになった。製作時間はPROTECTORが15時間、FRAME-SIDE Cが8.5時間で製作可能となった。社内で試作金型の製作から量産試作品の製造まで一貫して行えるようになり、納期の短縮とコスト削減が見込まれる。顧客からの超ハイテン部品の一貫生産の要望に応えられ、取引の継続と事業拡大につなげられる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    金型製作・プレス・ASSY・検査まで一貫体制を目指す点は、従来の試作品製造の延長として読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明記は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    超ハイテン対応は業界で少なく同規模事業者で初めてとあり、取引先評価や競合の少なさから強みが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    超ハイテンの試作需要への対応不足を課題として挙げ、一貫生産で納期短縮とコスト削減を図るとしており、課題と解決策が対応している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    面精度±0.1mm、製作時間15.5時間→15時間などの目標値と実施結果が数字で示され、達成も確認できる。

  • 事業を進める体制3

    作業者の増員や採用・教育を計画しているが、人数や事務処理体制の具体的記載は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車部品メーカーからの次期モデル向け超ハイテン試作依頼や、ボディ軽量化の需要動向が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    スプリングバック対策を過去データで修正回数を減らす方法や、1,200tプレス機導入の計画は示されるが、スケジュールの記載は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超ハイテンのプレス加工は業界でまだ少なく、同規模事業者では初めてという高付加価値な分野への挑戦が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    自動車の軽量化需要や超ハイテンの普及という社会的背景は示されるが、雇用創出や波及効果の数値的記載はない。

  • 費用対効果3

    製作時間の短縮(例:8.5時間から目標15時間に対し実績)は示されるが、投資額に対する付加価値増加の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    三次元レーザー加工機の活用は触れられるが、デジタル技術によるサプライチェーンへの貢献は明確に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車の軽量化に伴う超ハイテン需要の拡大はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    三重県津市の地域企業であることは示されるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

試作市場では従来の試作品製造企業との棲み分けが進み、競合環境は厳しくない。一方で顧客は超ハイテンのボディーフレームの一貫生産を求めており、応えられなければ現在の金型生産のみの受注が他社に移る可能性がある。超ハイテンは車体の軽量化に必要とされ、外板パネルや足回りなどへの広がりが見込まれ、同社の事業拡大が期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。