ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

表面印刷工程の内製化とサイン&ディスプレイ市場への新規参入

有限会社ケイエスシステム

成果他社製品の3分の1に抑えている

この事例のポイント

  • インクジェットプリンターを導入したいが、当時の価格では高すぎて断念していた。
  • 平成26年に約1,200万円を投じて大判LED/UVインクジェットプリンターを導入した。
  • 他社製品の3分の1に抑えている。大判インクジェットプリンターの導入で、看板やポスター、不織布など幅広い素材にデザイン性の高い印刷ができるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ケイエスシステム
所在地大阪府 大阪市
業種生産用機械器具製造業
技術分野表面処理
従業員数10人
資本金300万円
設立1991年

事業の背景

平成3年に片岡孝治社長が大阪府東大阪市で打ち抜き型の生産を目的に設立した会社で、父の木型メーカーから独立した形である。平成8年頃に紙材料を切断する加工機を導入し、家電向け段ボールや化粧品向け容器などを手がけるようになった。海外で梱包作業をするようになり箱の需要が減った一方で、サンプルカットを求める顧客が増えた。現在は木型、サンプル、医療の3本柱で事業を展開し、木型は全事業の約10%の売上である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術インクジェットプリンターを導入したいが、当時の価格では高すぎて断念していた。
  • 生産能力打ち抜き型だけでは取引先のサンプル需要に十分対応できず、事業の幅を広げる必要があった。

やったこと

平成26年に約1,200万円を投じて大判LED/UVインクジェットプリンターを導入した。紫外線を照射してインクを硬化させる方式で、看板やポスター、不織布など厚み11mm以下、幅1,500mmまでの素材に印刷できる。従来は材料を打ち抜いて組み立てて納入していたが、インクジェット印刷により意匠性を高め、付加価値のある製品を迅速に作れるようになった。木型の製作から切断・組立・印刷まで一貫して対応し、制作コストは他社製品の3分の1に抑えている。

加工機大判LED/UVインクジェットプリンター
加工機紙材料を切断する加工機

新しい製品・サービス:排液バッグを隠すカバー「貼れ晴れシート」(大阪市立大学医学部付属病院と共同開発)

事業の効果

  • 他社製品の3分の1に抑えている
  • 最短2日で納品できる

大判インクジェットプリンターの導入で、看板やポスター、不織布など幅広い素材にデザイン性の高い印刷ができるようになった。美術館の展覧会製品やイベント会社からの依頼が増え、従来と違う客先を開拓している。制作コストは他社の3分の1に抑え、最短2日で納品できる体制が強みになっている。医療分野では排液バッグカバーの開発も進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    父の木型メーカーから独立し、打ち抜き型からサンプル加工へ事業を広げた経緯が書かれているが、戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社製品の3分の1のコストや最短2日納品など、自社の強みと競争優位が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    導入後の稼働低調を経て依頼が増えた課題認識はあるが、今後2〜3年で3億円という目標の根拠は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    今後2〜3年で売上3億円(現在1億円)という目標があるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10名の会社で、木型・サンプル・医療の3事業を運営していることのみ書かれ、体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    デザイン性の高い紙資材を多分野に短納期で提供し、最短2日納品やイベント会社からの受注など、選ばれる理由が具体的。

  • 事業化までの道筋2

    医療関連製品の開発を進めているとあるが、遂行方法やスケジュールの記載はわずかにうかがえる程度。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大判インクジェットによる意匠性の高い製品は、抜き型メーカーでは少ないと述べられ、同分野で高付加価値化を図る内容。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    大阪市立大学や医療コンソーシアムとの産学連携による医療製品開発がうかがえるが、波及効果の数値などは示されていない。

  • 費用対効果4

    約1,200万円の投資で他社の3分の1のコストを実現し、売上を今後2〜3年で3億円にする計画と費用対効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    大学との共同開発による医療製品という産学連携は読み取れるが、デジタル技術によるサプライチェーン貢献までは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療分野やデザイン分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及2

    東大阪の中小企業としての立地は書かれているが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小ロット製品の受注を進め、2〜3年で売上高3億円にすることを目指している。医療関連製品「ポスト貼れ晴れシート」の開発も進めている。

  • 目標:売上高 1億円→3億円

事業者の声

大判インクジェットプリンターを使いこなしている抜き型メーカーはまだまだ少ない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。