ものづくり補助金平成26年度製造業鹿児島県

マイクロブラスト加工におけるレジストフィルムを用いたフォト処理工程の事業化

株式会社アルプスエステック

この事例のポイント

  • 線幅などの精度が希望する水準に届かず、満足できる加工品質が得られていなかった。
  • ドライフィルムレジスト貼り付け用のラミネーターと、そのDFRを露光するための平行光露光機を導入した。
  • ドライフィルムレジストのラミネーターと平行光露光機を導入したことで、精密・高品質を保つための前工程を含めたマイクロブラスト加工の受注が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アルプスエステック
所在地鹿児島県 霧島市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数65人
資本金6,000万円
設立2005年

事業の背景

当社は平成17年11月に霧島市の誘致企業として久留味川工業団地に進出した。従業員は近隣の中小企業勤務経験者が多く、精密微細加工のノウハウがあった。主要顧客は自動車のLEDヘッドランプやLED照明の回路基板向けに窒化アルミニウムなどのファインセラミックス加工を発注しており、更なる高精細加工を求めている。半導体製造装置部品やLED部品など電子化に伴う高精密加工の市場ニーズは拡大の一途にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度線幅などの精度が希望する水準に届かず、満足できる加工品質が得られていなかった。
  • 新製品・新技術窒化アルミニウムや炭化ケイ素などのファインセラミックスに対する高精細なマイクロブラスト加工の要求に応えられなかった。
  • 生産能力マスクの製作から前工程まで社内で行えず、高精細化・品質向上・納期短縮を図る必要があった。

やったこと

ドライフィルムレジスト貼り付け用のラミネーターと、そのDFRを露光するための平行光露光機を導入した。ラミネーターと露光機は両面を同時に処理できるタイプである。露光機は平行光タイプで、従来の拡散光に比べ高精細な露光ができる。これによりラミネート工程、露光工程、現像工程の前工程を社内で一貫して行えるようになり、マスクの社内製作とマイクロブラスト加工を組み合わせた処理が可能になった。

加工機ドライフィルムレジスト貼り付け用ラミネーター
加工機平行光露光機

事業の効果

ドライフィルムレジストのラミネーターと平行光露光機を導入したことで、精密・高品質を保つための前工程を含めたマイクロブラスト加工の受注が可能になった。付加価値をつけることで売上増加が図れた。今後は県内企業から受注しているLED関係の仕事に加え、機械加工や研削加工と組み合わせて受注の安定化を目指す方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    マイクロブラスト加工の精度向上を課題とし、既存の微細パウダー加工の延長として前工程の内製化を位置付けている。経営戦略上の明確な記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    窒化アルミニウムや炭化ケイ素の受託MB加工需要増、主要顧客からの高精細加工要求という外部環境と、世界に先駆けた微細加工の実績を結びつけている。

  • 課題の認識と解決3

    ラミネート・露光・現像を社内に取り込み、高精細化・品質向上・納期短縮を課題として挙げているが、財務面の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上増加は述べられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制4

    平成17年の誘致時から精密微細加工の経験者が多く、導入設備の取扱いに比較的短期間で習熟したと記載されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    両面同時処理の平行光露光機により従来の拡散光より高精細な露光ができ、LEDヘッドランプ基板向けという用途と顧客要求が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    機械加工・研削加工とMB加工の組み合わせによる受注安定化を今後の方針として示している。遂行スケジュールは記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    硬脆性材料への高精細MB加工という分野で、同分野での高付加価値化を図る内容と読める。普及度や価格水準の数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    半導体製造装置やLED部品の高精密加工の市場拡大、地域の活性化、従業員の雇用確保が述べられているが、経済波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    高精細露光などの新設備導入は示されているが、サプライチェーンへの貢献やデジタル技術活用の記述は限定的である。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    硬脆性材料や高精密加工の市場成長に触れているが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及4

    霧島市の誘致企業として久留味川工業団地に進出し、姶良・霧島エリアの雇用や県内企業との取引を通じて地域の活性化に寄与する旨が示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

硬脆性材料の加工案件は増加傾向にあり、機械加工、研削加工、MB加工を組み合わせて受注の安定化を目指す。電子化による高精密加工の市場ニーズは今後も拡大すると見込まれ、直接受注できるよう営業力を強化することが望まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。