ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

精密ろ過装置導入による亜鉛めっき排水の新排水基準への対応と環境負荷低減

有限会社三津屋電化工業所

成果沈殿処理時間 3時間→0時間

この事例のポイント

  • 平成28年に亜鉛の排水処理基準が1ℓあたり5mgから2mgへ強化され、従来の凝集沈殿処理では対応しきれなくなった。
  • 平成25年度の補助事業で、日本フイルター製の精密ろ過装置「マイクロフロー」を導入し、平成27年5月に稼働させた。
  • 沈殿処理時間 3時間→0時間。精密ろ過装置の導入により、排水の新基準をクリアできた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社三津屋電化工業所
所在地大阪府 大阪市淀川区
業種金属製品製造業
従業員数30人
資本金500万円

事業の背景

三津屋電化工業所は50年以上にわたり大阪府や兵庫県などの関西地区の企業から受注し、電気亜鉛めっきを手がけてきた。主な取引先は自動車部品メーカー、建設関連部品メーカー、機械部品メーカー、電気部品メーカーなどである。中小のめっき会社は大手の内製化の影響や環境基準の強化を受けて廃業する事例も出ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他平成28年に亜鉛の排水処理基準が1ℓあたり5mgから2mgへ強化され、従来の凝集沈殿処理では対応しきれなくなった。
  • その他欧州向けの6価クロム規制への対応も必要になるなど、環境対応のニーズが高まっていた。

やったこと

平成25年度の補助事業で、日本フイルター製の精密ろ過装置「マイクロフロー」を導入し、平成27年5月に稼働させた。従来の凝集沈殿処理から切り替え、排水処理を自動化した。これにより、朝と夜に計3時間かかっていた沈殿処理が不要となり、作業負担も軽減された。放流水質が向上し、高分子凝集剤も不要になり、産業廃棄物の汚泥も低減した。処理能力は従来の3倍に高められ、小さな設置面積でも処理能力が大きく、将来の増産も可能になった。

その他精密ろ過装置「マイクロフロー」(日本フイルター製)

事業の効果

  • 沈殿処理時間 3時間→0時間
  • 処理能力 1倍(従来比)→3倍(従来比)

精密ろ過装置の導入により、排水の新基準をクリアできた。処理を自動化したことで作業負担が軽減され、技術開発や生産ラインに注力できるようになった。高分子凝集剤が不要となり、産業廃棄物汚泥も減少した。処理能力が従来の3倍に高まり、将来の増産にも対応できる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成25年度の補助事業で排水処理を見直し、環境対応を重視してきた経緯が読み取れるが、事業戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    超短納期や多品種対応、地域密着といった強みは読み取れるが、市場動向との関係や競合に対する優位性は書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    今後の受注増や新薬品の導入検討はうかがえるが、課題に対する高付加価値化の事業計画は具体的に書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員30名、50年以上の事業実績から体制はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    超短納期や1社から20種類以上・数百個を受ける小ロット対応、品質検査の徹底など、選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    新薬品を使うめっき方法の導入や追跡システムの改良を視野に入れる方針はあるが、スケジュールや解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    亜鉛めっきは一般的な表面処理であり、超多品種少量での対応は高付加価値の一端としてうかがえるが、高価格化の根拠は薄い。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    環境負荷低減や地域の理解、排水基準対応への貢献が書かれており、地域社会への波及は読み取れるが、経済波及効果の数値はない。

  • 費用対効果4

    作業時間は朝夜計3時間の沈殿処理が不要になり、汚泥低減や処理能力3倍などの数値で費用対効果の一端が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    AIを活用した排水処理設備や生産管理設備の導入が書かれており、先端技術の活用はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    大阪市淀川区の住工混在地域で長年事業を続け、近隣の理解を得ている点は地域特性への対応として読み取れるが、雇用創出の記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

環境対応を進めることで長期的な地ならしを実現し、企業の社会的責任が増す中でも存在感を発揮していく。将来は新たな薬品を使っためっき方法の導入も視野に入れている。

事業者の声

一期一会の精神で対応している

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。