ものづくり補助金平成25年度製造業東京都

三価クロメートめっき工程の排水システムを開発、構築して、品質向上、短納期化、コスト低下を図る

有限会社双和鍍金

成果排水層の容量 2,000ℓ→3,000ℓ

この事例のポイント

  • 水洗水が不足し、純度の低い水で水洗された不純物混じりのめっきになり、不良が生じていた。
  • 三価クロメートめっき処理工程と排水システムを、東京都立産業技術研究センターなどの指導を受けて企画・設計・構築した。
  • 排水層の容量 2,000ℓ→3,000ℓ。全量ろ過制と連続稼働により、排水中の亜鉛含有量を減らして環境基準を達成できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社双和鍍金
所在地東京都 荒川区
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数3人
資本金3,000万円

事業の背景

有限会社双和鍍金は、機械、自動車、電気製品などの部品に電気亜鉛めっき表面処理を行っている。小ロット・短納期を強みとし、完全手動による臨機応変さに評価を得ている。事業所が火事になり、2015年に事業所を新しく設立して引っ越した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度水洗水が不足し、純度の低い水で水洗された不純物混じりのめっきになり、不良が生じていた。
  • 生産能力社内業務で三価クロメートめっき加工の比率が高まっていたが、水洗水不足による不良で受注機会を逸していた。
  • コスト・採算排水基準の強化に対応する必要があった。
  • 人手・技能治具に一つずつ製品を掛けてめっきする作業のため、治具掛けに手間がかかり人件費と生産性に負担があった。

やったこと

三価クロメートめっき処理工程と排水システムを、東京都立産業技術研究センターなどの指導を受けて企画・設計・構築した。排水層の容量を2,000ℓから3,000ℓに拡大して一日に使える水量を1.5倍にし、全量ろ過システムとして新型フィルタープレス(日本エンバイロ社製KPF-45N)を導入した。汚泥収容積は4ℓから45ℓに増え、メンテナンスは2週間に1回となった。リサイクルシステムを導入し、処理槽の各薬品投入を自動化し、測定器を導入して各処理液の品質を維持できるようにした。バレルめっき法の開発のため、バレル装置を改良し、前処理薬品の濃度、温度、時間などを変えて実験し、耐食試験を外部に依頼した。

加工機新型フィルタープレス(日本エンバイロ社製 KPF-45N)
加工機処理槽(3,000ℓ)
その他リサイクルシステム
検査測定測定器
加工機バレル装置

新しい製品・サービス:三価クロメートめっき工程の排水システム、およびバレルめっき法

事業の効果

  • 排水層の容量 2,000ℓ→3,000ℓ
  • 一日に使える水量 1倍→1.5倍
  • フィルタープレス汚泥収容積 4ℓ→45ℓ
  • 水洗不良による不良品率 5%→2%

全量ろ過制と連続稼働により、排水中の亜鉛含有量を減らして環境基準を達成できるようになった。リサイクルで水道使用量と上下水道料金が減り、薬品の寿命延長とコスト削減もできた。バレルめっきの導入で治具掛けの手間が省け、人件費削減と生産性向上につながり、市場競争力が上がった。アルミ素材への亜鉛めっきの需要増加に対応し、受注を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    社内業務で三価クロメート加工の比率が高まり、受注機会を逸していたという経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    小ロット・短納期や手動による臨機応変さが強みとして書かれ、強みを活かす方向は読み取れるが競合比較は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    水洗水不足による不良が5%から2%以下に抑えられる、処理槽2,000ℓから3,000ℓへ拡大するなど、課題と数値目標が具体的に示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    不良率5%を2%以下にする目標や水量1.5倍の設定が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員3人の小規模体制であることは読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は自動車産業などでアルミ素材への亜鉛めっきを求めており、需要の裏付けや選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    バレルめっきの装置改良や前処理条件の実験、耐食試験の依頼など遂行方法は書かれるが、スケジュールは明記されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    アルミ素材への亜鉛めっき需要の拡大が示されるが、同分野での高付加価値化・高価格化を直接示す記述は限定的である。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    自動車産業の素材転換や軽量化ニーズの高まりに触れ、基幹産業への波及が示唆されるが、雇用や経済波及の数値はない。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値額の増加は書かれていないが、上下水道料金削減や人件費削減の効果がわずかにうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    水のリサイクルシステムや測定器導入は示されるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    アルミ製自動車部品への亜鉛めっきという成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

アルミ素材への亜鉛めっき需要が大幅に高まると予想されており、アルミ製自動車部品やアルミ製ワイパー部品への亜鉛めっきの受注を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。