ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

3次元CAD、検査装置導入によるバルブ製品の開発量産期間半減

株式会社アイエス工業所

成果試作期間 100%→33%

この事例のポイント

  • 設計が2次元CADのままで、構造検討や流路・レバー構造の解析に時間がかかっていた。
  • これまで2次元CADだった設計を、汎用性の高い3次元CAD「ソリッドワークス」に切り替えた。
  • 試作期間 100%→33%。3次元CADの導入により構造計算や流路・レバー構造の設計と解析が大幅に速くなり、社内打ち合わせもしやすくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイエス工業所
所在地大阪府 大阪市
業種はん用機械器具製造業
技術分野情報処理,製造環境
従業員数15人
資本金2,000万円
設立1919年

事業の背景

大正8年創業で、ビルや学校の受水槽用ボールタップ(定水位弁)を主力とし、バルブ口径300mmまで展開して関西トップシェアを持つ。製品化して10年の給水制御盤は、電子部品を在庫して自社で組立とプログラム製作を行い、短納期と自由度の高いシステム供給を実現している。競合他社が1〜2週間かかる納期を最短3日程度に抑え、短納期が求められる水関連設備の業界で重宝されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術設計が2次元CADのままで、構造検討や流路・レバー構造の解析に時間がかかっていた。
  • 人手・技能製品検査は圧力や流量を表示器を見ながら手動で調整しており、現場の負荷が大きかった。
  • コスト・採算試作に時間と費用がかかり、新製品の開発期間が長くなっていた。

やったこと

これまで2次元CADだった設計を、汎用性の高い3次元CAD「ソリッドワークス」に切り替えた。構造計算が速くなり、流路やレバー構造の設計や解析も大きく短縮された。製品検査は、ポンプの圧力や流量をデジタル数値設定で調整できるデジタル制御の検査装置に刷新し、製品を取り付ける操作を短縮する治具も開発した。試作は3次元CADデータを基に大阪府立産業技術総合研究所や周辺の企業へ依頼し、検査装置は新製品の性能を幅広い条件で測定するために使っている。

ソフトソリッドワークス
検査測定デジタル制御の試験装置(検査装置)
その他検査用の操作短縮治具

事業の効果

  • 試作期間 100%→33%

3次元CADの導入により構造計算や流路・レバー構造の設計と解析が大幅に速くなり、社内打ち合わせもしやすくなった。3次元CADで何度も構造を検討できるため、納得のできる品質の新製品を従来より短期間で開発できるようになった。デジタル制御の検査装置により、手動調整だった検査が簡易かつ正確になり、製品の使用環境を再現した作動検査まで全数実施できる体制が強化された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ボールタップ事業で関西トップシェアを持ち、2次元CADから3次元化する投資が開発体制の刷新として書かれているが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    短納期の強みに触れ、競合が1-2週間かかるところを最短3日程度と具体的に示しており、競争優位の根拠が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    試作期間を約半分から3分の1程度に削減し、開発期間短縮で商品アイテムを増やす方針が示され、課題と成果が対応している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    試作期間の削減率など成果は数字で示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、高付加価値の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    開発部長や社長の役割と社内体制は書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務処理能力の具体的な確保状況は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期や内製化による顧客要望への対応は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    3次元CADや検査装置の導入と3Dプリンタ活用は書かれるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    関西トップシェアやF号ボールタップなど独自性は書かれるが、分野の普及度や高価格化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    水関連設備の業界で重宝されるとあるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    試作期間が約半分から3分の1に削減された効果は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    検査データの自動集計や通信回路での連携など、デジタル技術の活用は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的ではない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大阪市城東区の企業で関西の雄とあるが、地域特性を活かして雇用や地域成長を牽引する記述は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

検査データを自動的に集計するシステムの構築に着手し、協力会社と検査装置を連携させてデータを共同管理する体制を検討している。他社へのOEMが始まったことで製品検査数は拡大傾向が続いており、生産が2倍、3倍に増えることを想定した準備を進めている。将来は関西以外の同業者への検査外注も検討している。

事業者の声

内製化に移行することで、顧客が要望する機能の追加などがしやすくなった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。