ものづくり補助金平成26年度製造業新潟県

インサート成形品の品質向上に向けた設備投資

シマト工業株式会社

成果不良率 3%→2%

この事例のポイント

  • 保有する射出成形機が古く、製造効率が悪い。
  • 射出成形機を導入した。
  • 不良率 3%→2%。射出成形機の導入により、成形時の不良率と不良品個数が減少し、射出成形機の稼働率と有効稼働時間も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名シマト工業株式会社
所在地新潟県 三条市
業種はん用機械器具製造業
技術分野接合・実装,測定計測
従業員数223人
資本金6,350万円
設立1955年

事業の背景

当社は金型製作、プレス加工、レーザー加工、機械加工、溶接、表面処理、組立などの金属加工を行い、部品から完成品までを供給する製造一貫体制を整えてきた。樹脂製品の射出成形にも進出し、金属製品を射出成形品に組み込んで届けることでQCD(品質・価格・納期)の競争力を高めてきた。近年はインサート成形品の需要が増えており、産業用発電機の筐体を供給しているが、内部部品の実績は多くない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力保有する射出成形機が古く、製造効率が悪い。
  • 品質・精度射出成形機では高品質での均一安定化が難しく、製造ロスが多く発生している。
  • 品質・精度インサート成形品の寸法や形状を測定できる適切な機器がなく、抜き取り検査では不完全なため全数確認が必要になっている。
  • 人手・技能人の手による品質確認は限界に達している。
  • 集客・繁閑インサート成形品の測定機器が不足しているため、商機を逃すことがある。

やったこと

射出成形機を導入した。高速射出仕様に加え、型締力自動補正制御(DST-Press)と成形条件自動補正制御(DST-Fill)を搭載しており、外乱による品質変動を防いで長期にわたり安定した成形を可能にする機種である。二次元カラー画像測定機も導入した。事前に測定ワークの品質基準を設定しておくことで品質のOK/NGを自動判定でき、測定時の個人誤差を抑えられる。これにより全数確認と品質確認の省力化を図った。

加工機射出成形機
検査測定二次元カラー画像測定機

事業の効果

  • 不良率 3%→2%
  • 不良品個数 30個→20個
  • 有効稼働率 97%→98%
  • 1日当たり有効稼働時間 465分→470分
  • 1時間当たり生産個数 60個→63個
  • 製造コスト(単価) 200円→195円
  • 検査工程数 5工程→2工程
  • 測定作業時間 30分→10分
  • 時間当たり人件費(管理コスト) 1,015円→338円

射出成形機の導入により、成形時の不良率と不良品個数が減少し、射出成形機の稼働率と有効稼働時間も向上した。生産個数が増えて生産性が上がり、製造単価も下がった。二次元カラー画像測定機の導入により、測定の検査工程と作業時間が大幅に減り、管理コストも下がった。これらにより顧客の求める品質、価格、納期に応えられる生産体制が整い、新たな商機に積極的に営業できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    金属加工から射出成形へ進出し、インサート成形品の需要増に応える流れが記載されており、過去の事業拡大との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    金属製品を内製し協力工場から安く仕入れられるため、品質と価格で競合より優位になると具体的に述べられている。

  • 課題の認識と解決5

    不良率3%→2%、検査工程5→2工程、測定時間30→10分など数値で課題と改善効果が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産性5%向上、製造コスト単価200円→195円、管理コスト66%削減など数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力について具体的な記述がなく、わずかに製造一貫体制がうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小型PCや携帯端末向けの需要と、医療機器メーカーへの展開先が具体的に挙げられている。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備の効果は示されるが、中長期の課題検証や導入スケジュールの記載は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    インサート成形は精密部品向けだが、高付加価値化・高価格化の水準については具体的記述が少ない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    地場の協力工場への経済波及効果が記載されているが、雇用創出などの規模感は示されていない。

  • 費用対効果4

    投資に対する効果として生産性向上、コスト削減、人件費削減率が数値で示されており費用対効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタル画像処理による自動測定・自動判定の導入が述べられるが、サプライチェーンへの貢献は限定的に記載されている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器や家電など成長分野への進出の意図がわずかにうかがえるが、構造転換との関連は明記されていない。

  • 地域経済への波及2

    地場の協力工場への経済波及に言及があるが、地域特性を活かした付加価値創出としての記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

インサート成形品を供給する体制ができれば、産業用発電機メーカー向けの新たな商機が生まれると見込んでいる。また、眼科医用の医療機器メーカーに対して精密部品を供給する道を今後拓きたいと考えている。価格と品質の両面で競合他社より優位になり、取引増加は地場の協力工場への経済波及効果にもつながると考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。