ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

環境に優しい樹脂複合材料の成形技術の開発

株式会社アースクリエイト

成果プラスチック容器の無機物含有率 30%→50%

この事例のポイント

  • 樹脂に無機物の炭酸カルシウムを50%以上含めると、マスターバッチの成形時の流動性が大幅に低下する。
  • 約3年間、樹脂と無機物の相溶性などの物性研究や試作を重ね、独自の成形技術を確立した。
  • プラスチック容器の無機物含有率 30%→50%。樹脂に炭酸カルシウムを50%以上含む容器の製品化に成功し、焼却時のCO2排出量を抑えた環境調和型の製品を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アースクリエイト
所在地大阪府 大阪市
業種化学工業
技術分野材料製造プロセス
従業員数5人
資本金10.9億円
設立2009年

事業の背景

同社は西宮祥行社長が平成21年に設立した会社で、樹脂成形品の燃焼時のCO2排出量削減を目指している。炭酸カルシウムを50%以上含む環境にやさしい樹脂成形品「Stone–SheetR」を開発済みで、大丸松坂屋百貨店が食品用包装紙としての採用を決めるなど納入先を広げていた。一方、プラスチック容器で無機物を30%程度含む製品は存在するものの、50%以上含む製品の開発は進んでいなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力樹脂に無機物の炭酸カルシウムを50%以上含めると、マスターバッチの成形時の流動性が大幅に低下する。
  • 品質・精度「Stone–SheetR」の普及には品質向上が条件となっていた。
  • 新製品・新技術樹脂含有率を下げた環境調和型容器は、無機物含有量が多い製品の開発が進んでおらず、技術開発が必要だった。

やったこと

約3年間、樹脂と無機物の相溶性などの物性研究や試作を重ね、独自の成形技術を確立した。樹脂ペレットに炭酸カルシウムを50%以上混合した複合材料のマスターバッチを製作し、射出成形や押出成形など多様な成形技術を開発した。大阪大学と同社で小スケールの混練作業と開発内容を検証し、実機レベルの成形用マスターバッチの生産は協力企業に委託した。ポリエチレンとポリプロピレンをベースにしたマスターバッチを評価・分析した後、容器の試作を行い、平成28年春に化粧品用樹脂容器として均一に着色し表面に印刷を施した容器を完成させた。測定や機械的評価を重ね、量産に向けた準備を進めている。

検査測定各種検査機

新しい製品・サービス:炭酸カルシウムを50%以上含み、可燃ごみとして処理できる環境にやさしい樹脂成形品「Stone–SheetR」

事業の効果

  • プラスチック容器の無機物含有率 30%→50%

樹脂に炭酸カルシウムを50%以上含む容器の製品化に成功し、焼却時のCO2排出量を抑えた環境調和型の製品を実現した。炭酸カルシウムはダイオキシン発生を抑え、可燃ごみとして処理できるため、処理時の負担金が課されない点で環境と経済の両立を可能にした。製品はかびの発生を抑制し抗菌効果も実証され、農産物の傘袋や誘引紐など新たな用途で実証試験が進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成21年設立以来、樹脂と炭カルの研究や大阪大学との連携を継続しており、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    炭カル50%以上含有で可燃ごみ処理やCO2削減を実現し、大手百貨店や冷凍食品メーカーへ納入している点から強みが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    課題の無機物増加による流動性低下を、混練技術の改善で解決し、CO2削減容器の製品化に至った経緯が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は記載がなく、事業化の見通しは「順調」とのみ書かれている。

  • 事業を進める体制3

    従業員5名、大阪大学や群馬県産業技術センターとの連携体制、検査機の導入が書かれているが、人材の具体的な配置は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    可燃ごみで処理できる特性、炭カルの低コスト、大手百貨店の採用など、顧客と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作、量産準備、供給体制構築への取組は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は詳細に書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金109,000千円と金融機関や大手メーカーの経営参画は書かれているが、財務状況や資金調達の詳細は読み取れない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    炭カル50%以上含有の樹脂成形品は普及しておらず、開発に成功した点が明確に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    CO2削減やダイオキシン抑制など環境面の社会的意義は書かれているが、雇用創出や経済波及の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や費用対効果を示す数値は書かれておらず、CO2排出量の削減効果のみがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    大阪大学との共同研究や混練技術によるCO2低減は読み取れるが、デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    環境にやさしい樹脂複合材料という成長分野への進出が書かれているが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    群馬県や大阪の事業者との連携は書かれているが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

食品関連や果樹・農産物の梱包・包装資材などに広く展開していく。量産に向けた供給体制の構築を進めている。

事業者の声

「Stone–SheetR」は環境と経済の両立を果たします。単なる商品提案ではなく環境保全の革新的なツールとして未来の地球環境保護に貢献していきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。