ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業岐阜県

包丁製造工程における分業体制の見直しと「仕上げ作業を行う職人ロボット」の開発

株式会社プラス

この事例のポイント

  • 研磨加工工程を外注に頼っており、その継続性と安定性に課題を感じていた。
  • ものづくり補助金を活用し、包丁口金溶接部分の研磨加工工程の内製化と、仕上げ加工工程を行う研磨職人ロボットの開発に取り組んだ。
  • 外注に出す場合以上の速度で機械加工工程を内製化できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社プラス
所在地岐阜県 関市
業種その他の小売業
技術分野精密加工,機械制御

事業の背景

当社は刃物などの研磨に使う機械部品・材料などの卸売りをする商社として創業し、現在もこの商社事業が大黒柱である。その後、研磨加工事業も始め、主な加工品は包丁などの刃物で、近年はロードレーサー型自転車用ディスクローターの研磨も手がけている。関市は国内有数の刃物製造業の集積地で、“関の刃物”は岐阜県が誇る地域ブランドである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力研磨加工工程を外注に頼っており、その継続性と安定性に課題を感じていた。
  • 人手・技能包丁の口金溶接部分の研磨は熟練職人による手作業でしかできず、凹凸の形状もそれぞれ異なるため、職人が一つ一つ経験に基づいて研磨していた。
  • 人手・技能少子高齢化の影響により、熟練の人手に頼る研磨工程の確保が難しくなりつつあった。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、包丁口金溶接部分の研磨加工工程の内製化と、仕上げ加工工程を行う研磨職人ロボットの開発に取り組んだ。導入した設備は機械加工機ロボドリル(マシニングセンター)と6軸多関節ロボット/システムである。研磨職人ロボットには、職人の経験値を教え込む「ティーチング」という過程が必要であり、長年研磨加工の経験を積んできたことでティーチングができた。この工程は完全に機械化できるものではないが、外注に出す場合以上の速度での機械加工工程の内製化と、熟練職人の経験値に基づくロボットによる仕上げ加工工程の機械化・自動化を実現した。

加工機機械加工機ロボドリル(マシニングセンター)
ロボット6軸多関節ロボット/システム

新しい製品・サービス:研磨職人ロボット

事業の効果

外注に出す場合以上の速度で機械加工工程を内製化できるようになった。熟練職人の経験値に基づくロボットにより、仕上げ加工工程の機械化・自動化を実現した。これにより、外注の継続性と安定性の課題が解消に向かった。研磨職人ロボットは導入サポート付きで販売しており、新たな事業の柱としても期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    商社から研磨加工へ広げた経緯と、現在も大黒柱の商社事業があることは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    関の刃物の集積地という地域性や、長年の研磨加工ノウハウを強みとして挙げているが、市場動向との関係は詳しく書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    外注の継続性と安定性に課題があり、少子高齢化の影響も認識したうえで、工程の内製化とロボット化に取り組んだ流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、速度向上の表現がある程度である。

  • 事業を進める体制3

    自社工場で培った研磨ノウハウとティーチングを担えることは書かれているが、人材や事務処理体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    口金の凹凸を滑らかに仕上げる価値や、ロボット販売にティーチング支援を付ける点は示されているが、顧客ターゲットや需要の裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    機械導入、ティーチング、内製化という段階的な進め方は示されているが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    熟練職人の手作業に頼っていた研磨を機械化した点は読み取れるが、ジャンルの普及度や高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    少子高齢化による職人確保の課題がうかがえるが、地域経済波及や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    熟練者の経験値をロボットに教え込むティーチングという技術活用は書かれているが、サプライチェーンへの貢献は具体的ではない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    省力化や自動化による生産性向上の方向性はうかがえるが、構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    関の刃物という地域ブランドを支えている点が書かれており、地域の特性を活かした事業であることは読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。