ものづくり補助金平成25年度製造業奈良県

新型ダイカストマシン導入による薄肉・軽量化自動車部品の試作開発

株式会社平井ダイカスト

この事例のポイント

  • 従来の設備では、強度を維持した薄肉化や軽量素材製品の供給量増、複雑な一体成型部品への対応が難しく、設備拡充が必要だった。
  • 本事業で新型のダイカストマシンを導入し、薄肉・軽量の自動車部品(ウォーターポンプ)を試作開発した。
  • 既存の同種製品と比べて約25%の薄肉化と約40%の軽量化に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社平井ダイカスト
所在地奈良県 御所市
業種非鉄金属製造業
設立1966年

事業の背景

1966年創業で、当初はファスナーなどを製造していたが、顧客の信頼から新規取引先を紹介されるようになり規模が拡大した。現在は主に自動車業界・住宅設備業界へ製品を供給している。鋳造業界では安価な海外製鋳物がベンチマークとして比較され、海外進出の要請も強まっており、国内業者は非常に苦しい状況にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の設備では、強度を維持した薄肉化や軽量素材製品の供給量増、複雑な一体成型部品への対応が難しく、設備拡充が必要だった。
  • 新製品・新技術自動車部品の高度化に応えるため、今までにない薄肉・軽量の自動車部品を試作開発する技術力の向上が必要だった。
  • 品質・精度ダイカスト法は他製法に比べ不良率・歩留まり・設備稼働率が悪い傾向があり、その改善が課題だった。

やったこと

本事業で新型のダイカストマシンを導入し、薄肉・軽量の自動車部品(ウォーターポンプ)を試作開発した。試作では自社ノウハウを駆使し、金型構造の開発・改善とダイカストマシンの製造条件設定のブラッシュアップを行った。その結果、既存の同種製品と比べて約25%の薄肉化と約40%の軽量化に成功した。

加工機新型ダイカストマシン

新しい製品・サービス:薄肉・軽量の自動車部品(ウォーターポンプ)

事業の効果

既存の同種製品と比べて約25%の薄肉化と約40%の軽量化に成功した。加えて売価材料比率の低減が認められ、試作開発品の高付加価値化による生産コスト削減も実現した。試作品には顧客からの具体的な引き合いがあり、今後はオイルポンプなどへ製造品目を広げ、建設・建築重機など新分野の開拓も目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のダイカスト事業と、薄肉・軽量自動車部品への展開という流れは読み取れるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外製鋳物との価格比較という外部環境と、金型設計提案力や複雑形状対応力といった強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    不良率・歩留まり・設備稼働率の課題を挙げ、薄肉化で新分野開拓につなげる方向性が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    既存品比で約25%の薄肉化、約40%の軽量化を達成した実績が示されており、数値目標の実現性は読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    保有設備や加工業者との協力体制は書かれているが、補助事業の遂行体制や人材の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客からの具体的な引き合いがあり、ウォーターポンプやオイルポンプへの展開先も挙げられている。

  • 事業化までの道筋3

    オイルポンプ等の品目拡大や建設重機への展開方針はあるが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ダイカスト法は既存の製法だが、薄肉・軽量化で高付加価値化を図る点はうかがえる。具体的な水準比較は限定的。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外生産の影響による国内業者の苦境には触れているが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    売価材料比率の低減と生産コスト削減に言及しているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    軽量化や薄肉化の技術は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの言及は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    軽量化を通じて自動車以外の建設・建築重機など新分野へ進出する方向がうかがえるが、構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    奈良県の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

薄肉・軽量を武器に、アルミ材のダイカスト加工がマッチする量産型の自動車部品では各種部品群で製品提案の余地が生まれると考えられ、新分野へ事業を展開していく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。