ものづくり補助金平成25年度製造業奈良県

オリジナル素材を使ったバイオーダーによるニット製造サービスの構築

髙井ニット株式会社

この事例のポイント

  • OEM生産では素材からデザイン、数量、価格、納期まで相手先に決定権があり、当社が磨いてきたデザインに見合った素材選択などのノウハウを活かしきれていない。
  • 顧客がネットショップからデザインシステムにアクセスし、3D映像サンプルでデザインを検討できる仕組みを構築した。
  • 3D映像サンプルにより顧客がデザインを確定できるため、サンプル試作と補正工程の手間を大幅に削減できる。

事業者のプロフィール

事業者名髙井ニット株式会社
所在地奈良県 大和高田市
業種繊維工業
従業員数11人
資本金1,000万円
設立1967年

事業の背景

当社は創業101年の横編みニット専門メーカーで、大手企業のOEM生産を主力として事業を展開してきた。既製品ニットを購入した顧客から袖幅を広げたいという注文を受けたことをきっかけに、個々のニーズに応じたバイオーダー生産を計画した。高級老人ホームや東京ビッグサイトの展示会でヒアリングを行ったところ、好みの素材、カラー、寸法を直接選べることに魅力を感じる消費者は非常に多く、バイオーダーシステムは多くの消費者が求めるシステムだと確信した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力OEM生産では素材からデザイン、数量、価格、納期まで相手先に決定権があり、当社が磨いてきたデザインに見合った素材選択などのノウハウを活かしきれていない。
  • 新製品・新技術個々の顧客の好みに合わせた素材、カラー、寸法を選べるバイオーダー生産の仕組みがなかった。
  • その他設備・システムを充実させた後に、消費者に広く認知してもらいブランド力を発揮していくことが課題となる。

やったこと

顧客がネットショップからデザインシステムにアクセスし、3D映像サンプルでデザインを検討できる仕組みを構築した。質感まで伝わる3D映像を見て顧客がデザインを決定できるため、サンプル試作・補正工程の手間を大幅に削減できる。デザインが決定したデータはデザインシステムと連動するコンピュータ横編機に送られ、ニットを生産して顧客に納品する。

加工機コンピュータ横編機
ソフトデザインシステム(3D映像サンプル提示)

新しい製品・サービス:オリジナルブランド『COTOYUI』の完全受注生産によるバイオーダーニット製造サービス。

事業の効果

3D映像サンプルにより顧客がデザインを確定できるため、サンプル試作と補正工程の手間を大幅に削減できる。デザインデータを横編機に直接連動させて生産から納品までを一貫して行える。補助事業分野の年間売上は1年目250万円、3年目750万円、5年目1,500万円を目標としている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業101年の横編みニット専門で、OEMでは素材ノウハウを活かせないという経緯から自社ブランドへ展開した流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    オーガニック素材や完全受注生産の『COTOYUI』、3D映像によるデザイン検討など強みは具体的。市場調査で消費者の期待を確認したとあるが、競争環境の数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    OEM依存で素材ノウハウが活かせない課題を明示し、バイオーダーへの転換で解決を図る構図は読み取れる。ただし課題の数値分析までは書かれていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    補助事業分野の年間売上を1年目250万円、3年目750万円、5年目1,500万円と具体的な目標値で示している。付加価値や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員11名、創業101年とあるが、補助事業を遂行する人員配置や事務処理体制についての記載はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は好みの素材・カラー・寸法を選びたい消費者で、高級老人ホーム等での市場調査により需要の裏付けを示している。

  • 事業化までの道筋3

    自社ネットショップでの運営と売上目標の段階は書かれているが、スケジュールや課題解決の具体的な方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    完全受注生産で、天然素材等の高品質素材に特化し高付加価値化を図る方向性が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の伝統や奈良の産業に触れてはいるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値は書かれておらず、費用対効果はうかがえる程度にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    デザインシステムとコンピュータ横編機の連動で、サンプル試作・補正工程を削減する点は示されている。サプライチェーン全体への貢献までは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    奈良の古都で創業し、地域のものづくりを担う姿勢は読み取れるが、地域経済の成長への具体的な寄与は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

補助事業の結果、市場調査により購買層の裾野を広げ、天然素材など高品質素材に特化した消費者の要望に応えるバイオーダーシステムを構築し、自社ネットショップで運営する計画である。

事業者の声

本物を奈良から世界へ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。