ものづくり補助金平成25年度医療、福祉奈良県

CAD/CAMによる高耐久性ジルコニア義歯の開発および新素材補綴物への適用

この事例のポイント

  • 従来の保険適用の入れ歯は金属のバネ(クラスプ)が見た目を損ない患者の不満が多かったが、樹脂製クラスプ義歯は耐久年数が短いため、耐久性の高い義歯の開発が求められていた。
  • ジルコニアは金属以上の強度を持つが加工には切削加工が必要なため、CAD/CAM設備(計測設計加工)を導入して課題解決に取り組んだ。
  • CAD/CAM設備の導入により製品開発の幅が広がり、新規のジルコニアアタッチメント義歯や高品質ハイブリットセラミッククラウンの生産が可能となった。

事業者のプロフィール

所在地奈良県 生駒郡三郷町
業種医療業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数2人
資本金100万円
設立2008年

事業の背景

当社は入れ歯とクラウンの両方の生産ノウハウを持つ小規模な歯科技工所である。金属クラウンのみ保険適用されていた中で、白く見た目の良いハイブリットセラミッククラウンが新たに保険適用を受け、需要の拡大が想定された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来の保険適用の入れ歯は金属のバネ(クラスプ)が見た目を損ない患者の不満が多かったが、樹脂製クラスプ義歯は耐久年数が短いため、耐久性の高い義歯の開発が求められていた。
  • 新製品・新技術白く見た目の良いハイブリットセラミッククラウンが新たに保険適用となり需要拡大が想定されたが、その作成には精密な加工技術が必要だった。

やったこと

ジルコニアは金属以上の強度を持つが加工には切削加工が必要なため、CAD/CAM設備(計測設計加工)を導入して課題解決に取り組んだ。CAD/CAM設備を用いてジルコニアを入れ歯に応用し、耐久性の高い義歯の開発を進めた。また、ハイブリットセラミッククラウンの精密な加工にもCAD/CAM設備を用い、実用化を可能とした。

加工機CAD/CAM設備

新しい製品・サービス:ジルコニアアタッチメント義歯、高品質ハイブリットセラミッククラウン

事業の効果

CAD/CAM設備の導入により製品開発の幅が広がり、新規のジルコニアアタッチメント義歯や高品質ハイブリットセラミッククラウンの生産が可能となった。機械化によって大量受注時も品質が安定した製品を供給できるようになり、既存製品の生産性向上と品質の安定化にも寄与した。顧客からの高い評価により、価格ではなく技術力と内容での差別化を実現し、売上と利益に貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の樹脂製クラスプ義歯の実用化と入れ歯・クラウン両方の生産ノウハウに触れ、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    保険適用の入れ歯の不満やハイブリットセラミッククラウンの保険適用による需要拡大に触れるが、自社の強みや弱みの分析は記載がない。

  • 課題の認識と解決3

    金属バネの不満や耐久年数の短さという課題と、CAD/CAMによる解決の流れは読み取れるが、事業計画としての具体的な目標や数値は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げにつながる数値目標は見当たらず、売上・利益への貢献が述べられるにとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員2名の小規模技工所で、CAD/CAM設備を運用していることは読み取れるが、事務処理体制などの詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    耐久性の高いジルコニア義歯や白く見た目の良いハイブリットセラミッククラウンなど、製品の価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の方針として臨機応変な対応力で京阪神を中心に展開すると述べるのみで、遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の金属バネ入れ歯に対し、ジルコニアを入れ歯に応用した新分野であり、高強度素材による高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    保険適用の拡大による需要増は触れられているが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    機械化により生産性向上と品質安定化が図られたとあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMやカタナシステムを用いた先進的な加工で、奈良県内唯一のミリングセンターとして地域の歯科医療に貢献する点がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    奈良県生駒郡の地域の歯科技工所として京阪神を中心に展開する点は触れられているが、地域の雇用や経済成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も小規模技工所の臨機応変な対応力で、京阪神を中心に歯科医療の明日を切り開いていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。