ものづくり補助金平成26年度医療、福祉大分県

新型CAD/CAM冠切削加工機導入による自由診療(高付加価値商品)分野への進出

有限会社サンエイデンタル

成果1本あたりの作業時間(DWX-51D) 45分→20分

この事例のポイント

  • 補綴物の製作は手作業が多く、工程の効率化と生産性向上が不可欠だった。
  • CAD/CAM冠の切削、焼結、焼付を行うため、新型CAD/CAM冠切削加工機DWX-51D、シンタリングファーネスHTスピード、ポーセレンファーネスマスタープラスの3台を導入した。
  • 1本あたりの作業時間(DWX-51D) 45分→20分。3台の装置の導入により、作業時間が大幅に削減され、生産性が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社サンエイデンタル
所在地大分県 中津市
業種医療業
従業員数55人
資本金300万円
設立2002年

事業の背景

歯科技工は、ひと昔前は歯科診療所に駐在して行われていたが、物流の発達により歯科技工の外注化が加速している。同社は中津市に大規模なラボを構え、関東圏の歯科医院から補綴物の製作を受注している。都市部でラボを建設するとコストがかかりすぎるため、地方にラボを置いて人口の多い関東圏の仕事を受注するビジネススタイルを確立した。保険改正で臼歯部(小臼歯のみ)の保険内治療が認められ、CAD/CAM冠の市場が今まで以上に拡大すると期待されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力補綴物の製作は手作業が多く、工程の効率化と生産性向上が不可欠だった。
  • 品質・精度手作業のため製品の質に個人差があり、常に一定レベルの品質を保つことが難しかった。
  • 販路・情報発信競合他社に競り勝ち、海外への受注流出を防ぐ必要があった。

やったこと

CAD/CAM冠の切削、焼結、焼付を行うため、新型CAD/CAM冠切削加工機DWX-51D、シンタリングファーネスHTスピード、ポーセレンファーネスマスタープラスの3台を導入した。DWX-51Dはジルコニア、ワックス、PMMA、ハイブリッドレジンなど多様な材料に対応し、1本の作業時間を45分から20分に短縮した。ポーセレンファーネスマスタープラスは乾燥・焼成・冷却などの工程を500種類記憶でき、コンピュータ制御の燃焼炉により人的作業を大幅に削減した。シンタリングファーネスHTスピードは、ジルコニアの焼却に5〜8時間かかっていた全工程(プログラム・乾燥・加熱・係留・焼成加熱・冷却)を2時間以内に終えられるようになった。CAD/CAMの技術は3カ月で習得でき、ワックスアップ工程と鋳造工程の作業時間は5時間45分から1時間35分に短縮された。

加工機新型CAD/CAM冠切削加工機 DWX-51D
その他シンタリングファーネス HTスピード
その他ポーセレンファーネスマスタープラス

新しい製品・サービス:CAD/CAM冠(セラミックとレジンを混ぜたハイブリッドレジンの差し歯)

事業の効果

  • 1本あたりの作業時間(DWX-51D) 45分→20分
  • 焼結の全工程時間(シンタリングファーネス HTスピード) 8時間→2時間
  • ワックスアップ工程と鋳造工程の作業時間 345分→95分
  • 以前の月26本よりもかなり大幅な受注増加が可能になった

3台の装置の導入により、作業時間が大幅に削減され、生産性が大きく向上した。ワックスアップ工程と鋳造工程の時間が短くなり、他の作業に時間を充てられるようになった。品質は機械化により一定レベルに保たれ、製作時間の削減と安定した品質の両立が可能になった。単価の高いCAD/CAM冠の受注が増え、人的作業も減少した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    冠補綴物の製作を行う既存事業に新型CAD/CAM冠切削加工機を導入する内容で、既存事業との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    関東圏の歯科医から受注し、地方ラボで都市部の仕事を受けるビジネススタイルを確立したと具体的に書かれ、外部環境と自社の強みが示されている。

  • 課題の認識と解決5

    作業時間が1本45分から20分に短縮、ワックスアップ・鋳造工程が5時間45分から1時間35分に短縮と数値で課題解決が示され、月26本からの受注増も記載されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    作業時間約70%短縮、5時間45分から1時間35分への短縮、月26本からの受注増加など数値目標と実績が具体的に書かれている。

  • 事業を進める体制2

    社員数55名、大規模なラボを構えていると書かれるのみで、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自然な見た目のCAD/CAM冠、高度な要求への対応、関東圏の歯科医からの受注と顧客や選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    CAD/CAM技術は3カ月で習得できると書かれているが、導入後の中長期の遂行スケジュールや課題の解決方法の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    CAD/CAM冠は自由診療の高付加価値商品として位置付けられ、受注単価が高い領域へ進出するとの記述がある。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    地方ラボによる地域経済の浮揚や雇用拡大、若者が働く場の創出に触れているが、波及効果の定量的根拠は乏しい。

  • 費用対効果4

    投入設備3台による作業時間短縮と受注増加の数値が示され、費用対効果をうかがわせるが、補助金額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMという先端的なデジタル技術の活用が示されているが、地域やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献までは書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    物流システムの発達による歯科技工の外注化加速に触れるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及4

    地方を拠点に関東圏の仕事を受注し、雇用拡大と地域経済の浮揚に貢献すると具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はさらに売上を向上させながら、雇用拡大・人材育成・求人活動につなげ、地域経済の浮揚に貢献していきたいとしている。

事業者の声

今後はさらに売上を向上させながら、雇用拡大・人材育成・求人活動へとつなげることで、地域経済の浮揚に貢献していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。