ものづくり補助金平成25年度製造業奈良県

医療機器市場へ進出するための業務展開と設備導入

株式会社電研端子製作所

成果生産性 100%→130%

この事例のポイント

  • 既存NC旋盤では刃物数が不足し、品種によっては工程数が多く加工できない品種があった。
  • 医療用内視鏡部品の開発を手掛かりに医療機器市場への参入を図った。
  • 生産性 100%→130%。CNC自動旋盤の導入により従来機比30%の生産性向上を実現し、図面上のシミュレーションと一試作加工によりコスト低減が可…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社電研端子製作所
所在地奈良県 生駒市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野精密加工
従業員数60人
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

当社の主力製品である電子部品用リードピンは、国内家電メーカーの海外進出により需要が減少してきた。そのため電子機器市場以外の第2の市場への進出が急務となっていた。医療機器業界は多品種小ロット生産だが製品は高付加価値で需要も安定しており、高度な精密部品の要求が高まると予想されるため、当社の技術が発揮できる市場と判断された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存NC旋盤では刃物数が不足し、品種によっては工程数が多く加工できない品種があった。
  • 生産能力既存の機械では加工後に別機械で追加作業が必要となり、コストが高くなり品質のばらつきも生じていた。
  • 新製品・新技術医療機器市場へ参入するには、内視鏡部品のプロトタイプを品質検査に合格させる必要があった。
  • 集客・繁閑主力のリードピンは国内家電メーカーの海外進出により需要が減少し、第2の市場進出が急務となっていた。
  • 人手・技能海外拠点には新規機械を使いこなせる技能担当者がおらず、今後の海外運用に不安があった。
  • その他国内工場は機械の設置場所が飽和状態で、不採算機械の撤去でも対応が追いつかなかった。

やったこと

医療用内視鏡部品の開発を手掛かりに医療機器市場への参入を図った。新規CNC旋盤を導入し、既存NC旋盤では加工できなかった品種も含め、40種のプロトタイプを1台で全ての加工ができるようにした。これにより別機械での追加作業が不要となり、機械変更に伴うトラブルも防止できた。受注予定40種について、プロトタイプ製作とコスト評価、最適加工プログラミング及び作業標準書を作成した。海外拠点では日本から主任技術者を派遣し、現地でOJTによる技能育成を行い、当初予定の11週間を2週間短縮した。

加工機新規CNC旋盤(CNC自動旋盤)

新しい製品・サービス:医療用内視鏡部品のプロトタイプ

事業の効果

  • 生産性 100%→130%
  • 海外研修期間 11週間→9週間

CNC自動旋盤の導入により従来機比30%の生産性向上を実現し、図面上のシミュレーションと一試作加工によりコスト低減が可能となった。昨年導入した在庫管理システムと組み合わせて短納期での生産も実現した。医療分野では事業者の仕様・要望を満たせるようになり、従来の事業に加えて医療系の分野へ新たに進出できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の電子部品事業から医療機器市場へ進出する方針が示され、リードピン需要減への対応という経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内家電メーカーの海外進出による需要減と、医療機器の高付加価値・精密部品需要という外部環境に、自社の技術力を対応させる点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    既存NC旋盤では加工できない品種があるという課題に対し、新CNC旋盤導入で従来機比30%の生産性向上を実現したと具体的な数字が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    従来機比30%の生産性向上や当初11週間を2週間短縮した事実はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    主任技術者を日本から海外拠点へ派遣しOJTを実施した体制は書かれているが、人材数や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療機器分野で高付加価値・安定需要が見込めることや、40種のプロトタイプ製作という顧客要求は書かれているが、顧客ターゲットの整理は簡潔。

  • 事業化までの道筋3

    受注予定40種の加工プログラミング作成、今後の東南アジア展開や生産転用といった段階的な方針は書かれているが、スケジュールの詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療機器の多品種小ロットで高付加価値・高価格化を図る点が示され、電子部品業界と比べた需要の安定性も説明されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医療技術の高度化や海外流出への対応という社会的背景はうかがえるが、国が補助する積極的理由や波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産性30%向上や短納期対応といった効果は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    POS利用の在庫管理システムとCNC旋盤の組み合わせという取組はあるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療分野という成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    奈良県生駒市の企業である点以外、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への言及はわずかにうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

確立した加工技術を活かし、日本本社とタイの現地法人を拠点に東南アジアを中心とした新規顧客を開拓する。取得した機械を生産転用し、内視鏡以外の医療分野の案件を獲得して生産・販売を目指す。また、本事業で習得した加工技術を難切削材の極微細加工へ展開している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。