ものづくり補助金平成25年度農業、林業奈良県

“おいしいカットネギ”作りにこだわった製造ライン強化

株式会社五條市青ネギ生産組合

この事例のポイント

  • カットネギの殺菌に高濃度の殺菌水を使い、強く洗浄・脱水するため、ネギ本来の風味や香りが失われ「おいしくない」と言われやすかった。
  • カットネギの殺菌水として使う溶液の濃度を自動調整できる「殺菌水濃度調整点滴装置」を導入した。
  • 殺菌水の濃度を自動で調整できるようになり、炭酸ガスの導入で殺菌・制菌効果が実際の濃度以上に発揮されるため、品質管理の要求に高いレベルで応えつつネギへの負担を極小化できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社五條市青ネギ生産組合
所在地奈良県 五條市
業種農業

事業の背景

当社は、青ネギ農家が集まった「青ネギ栽培グループ」を起源とし、生販一体の農業生産法人として設立された。2011年に農林水産省から6次産業化認定を受け、スーパーや飲食店向けにカット加工したネギを東北から九州まで販売している。奈良県内では6次産業化の事例は多いが、加工工程が多くコストや量産の壁で後が続かないことが多かった。カットネギは微生物が繁殖しやすく、洗浄・脱水工程を経ると風味が落ちやすいため、消費者はより自然で健康的な商品を求めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度カットネギの殺菌に高濃度の殺菌水を使い、強く洗浄・脱水するため、ネギ本来の風味や香りが失われ「おいしくない」と言われやすかった。
  • 品質・精度塩素臭が残ったり変色したりする商品は消費者に敬遠されるため、食味と衛生の両立が課題だった。
  • 品質・精度包装段階の計量作業で人の手に触れる機会が多く、汚染の原因となる接触を減らす必要があった。

やったこと

カットネギの殺菌水として使う溶液の濃度を自動調整できる「殺菌水濃度調整点滴装置」を導入した。「炭酸ガス供給装置」を導入し、溶液の実際の濃度以上に殺菌・制菌効果を発揮させることで、高い品質管理要求に応えつつ、ネギへの負担を極小化した。包装段階の計量作業には半自動計量装置を導入し、計量効率を3倍に高めるとともに、汚染の原因となりやすい人の手による接触を極力回避できる体制を整えた。

加工機殺菌水濃度調整点滴装置
加工機炭酸ガス供給装置
加工機半自動計量装置

事業の効果

殺菌水の濃度を自動で調整できるようになり、炭酸ガスの導入で殺菌・制菌効果が実際の濃度以上に発揮されるため、品質管理の要求に高いレベルで応えつつネギへの負担を極小化できた。計量作業では半自動計量装置により計量効率が3倍になり、汚染の原因となる接触を極力回避する体制が整った。これらの成果により、食味品質と衛生品質を高いレベルで兼ね備えたカットネギ製造ラインの構築が実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    農家グループから生販一体の法人へ発展し6次産業化認定も受けており、事業の一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを明示する記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「数少ない成功事例」「全国展開」「東北から九州まで」と販路の広さは書かれるが、市場動向と自社資源の強み・弱みの分析は見当たらない。

  • 課題の認識と解決4

    気候変動による不作や「おいしくない」というカットネギの課題を具体的に挙げ、殺菌水や計量の改善で衛生・食味の課題に対応したと読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、計量効率が3倍になったという成果のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    生産から加工・販売まで一体で運営していることは読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    スーパーや飲食店向けに、味と衛生を両立したカットネギという製品価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の課題として農業技術の方向性が触れられるのみで、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    カットネギは「おいしくない」と言われがちな分野で、濃度調整や炭酸ガス供給により高い品質水準を実現したと書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の農業法人としての6次産業化は示されるが、波及効果や雇用創出などの国が補助する積極的理由は数字を伴って書かれていない。

  • 費用対効果3

    計量効率3倍やネギへの負担極小化といった成果は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数字は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献2

    殺菌水濃度の自動調整や炭酸ガス供給装置の導入はうかがえるが、デジタル技術の活用や地域サプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    6次産業化による農業と加工・販売の結びつきはうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    奈良県五條市の農家グループが発展し、地域の農業と雇用を支える事業であることは読み取れるが、経済成長への定量的な効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

気候に揺さぶられながらも、農業技術としてどのような作り方をしていくかが今後の課題となっている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。