ものづくり補助金平成28年度農業、林業福岡県

ワイン特区を活かした専用品種によるワイナリーの醸造設備導入

成果製造コストが500円下がった

この事例のポイント

  • 委託醸造のままではコストも抑えきれず、品質も安定しない。
  • 2017年度にものづくり補助金を活用し、醸造機器一式を導入した。
  • 製造コストが500円下がった。委託醸造から内製に切り替えたことで、ワインの製造コストが500円下がった。

事業者のプロフィール

所在地福岡県 北九州市
業種農業
従業員数3人
設立2013年

事業の背景

ワタリセ自然農場は2013年に設立された、北九州市若松区の専業農家で、もともとは地元の野菜直売所などに向けて農作物を生産・出荷してきた。通年野菜の生産を手掛ける一環として夏の農産物に食用ブドウを加えていた。2013年にワイン品種のブドウ栽培を始め、同年に北九州市が国家戦略特区のワイン特区に指定されたことを機に酒類製造免許を取得した。ワイン製造は福岡県久留米市のワイナリーへの委託醸造で行っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力委託醸造のままではコストも抑えきれず、品質も安定しない。
  • コスト・採算委託醸造では製造コストが高く、利益率を上げにくい。

やったこと

2017年度にものづくり補助金を活用し、醸造機器一式を導入した。導入した設備はプレス機、果汁を発酵させるステンレスタンク、瓶詰機などである。収穫したブドウを農園からその場で搾り、醸造する体制を整えた。現在は8~9月に収穫したブドウを発酵中で、2000本程度の生産量を見込んでいる。

加工機プレス機
加工機ステンレスタンク
加工機瓶詰機

新しい製品・サービス:北九州市初のワイン製造、専用品種によるワイン醸造

事業の効果

  • 製造コストが500円下がった

委託醸造から内製に切り替えたことで、ワインの製造コストが500円下がった。コストが下がったことでファンにリーズナブルな商品を提供できるようになった。競争力の高い商品開発ができ、利益率が上がり経営の安定化につながると見込んでいる。品質面でも、農園でとれた新鮮なブドウをその場で搾って醸造することで品質向上が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    農業での野菜・ブドウ栽培経験を活かしワイン醸造・販売まで一貫させる構想が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品種少量生産という自社の特徴と、東京や関西からも注文があるという販売状況が書かれ、強みの説明は一部あるが競争優位の根拠は十分でない。

  • 課題の認識と解決4

    委託醸造のコストと品質の課題を明示し、醸造機器の内製化で製造コストが500円下がったと具体的数字を挙げている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年後をめどに年間約1万本の出荷を目指すと目標値があり、現在の2000本程度の生産量見込みも示され、達成への道筋が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    社員数3人と書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地元ファン優先の販売、リーズナブルな価格、競争力の高い商品開発など顧客と選ばれる理由が整理して書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ワイナリー設立までの経緯と今後の展開(地元イベント連携、年間1万本)は書かれているが、遂行スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    北九州初のワイナリーで、ワイン醸造に手間をかけ高付加価値ワインを目指すと書かれ、同分野で高付加価値化を図る方針が明確。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    国家戦略特区の指定を受け地元のワイン産業を立ち上げる点が書かれ、地域への効果はうかがえるが、経済波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    設備導入後の製造コスト500円減少という効果は書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    地元の食や地域のイベントと連携する方針は書かれているが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルの記述は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    北九州の気候と海に近い立地を活かしてワインを造り、地域のイベントと連携して地元を元気にする方針が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

5年後をめどに年間約1万本を出荷するワイナリーを目指す。目標は年間8000本から1万本。地元ファンを優先に販売し、ワインを中心に食や地域のイベントと連携して地域を元気にしていきたい。

事業者の声

自分の育てたブドウでワインを造りたい!

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。